未来考房/瓦人 ~gajin~

和瓦とその未来を創る淡路島の瓦師ブログ

2023-05-01から1ヶ月間の記事一覧

“モノをつくっている”

淡路島 宝生寺の谷瓦製作中… 本堂の八谷はまだいい…問題は神輿のように勾配が3次元で急変化する唐破風の谷だ(汗) まさかこの時代に未だにこんな方法で作っているなんて、設計者も施工者の多くもきっと想像も及ばないだろうな〜! だから基本的にノークレーム…

日々是勉強…

銀古美の窯出しから…鳥が止まってるみたい(笑) 手作りしたこの大きなパーツは向拝の隅先などに葺く役物…なんせ大きいので焼成によって先っぽがお辞儀してしまわないか、あちこち歪まないか…etc.いろいろ心配してたが、無事に目指した寸法通りに焼きあがった…

この面は超“重い屋根”…(笑)

淡路島 宝生寺も本堂方形の一面を葺き終えニ面目。 この面には、寄進いただき裏面に“願い”が込められた平瓦と軒唐草の多くを葺いた…ある意味、踏むのも釘打ちにも気をつかう“ありがたい屋根”でありとても“重い屋根”だ^^; 完成した一面は、“銀古美”の焼成術な…

美しき日本の風習…

今日は3人目の孫の“一升餅”担ぎ… 一升の餅は瓦より軽かった(笑) 「一生、食物に困らないように」 「一生、健康でありますように」 日本の風習って素朴で良いですよね。 またそれを育んだ津々浦々の風土は美しい。 そして、そこにはきっと折り重なるように瓦…

瓦屋根なんて軽い軽い⤴︎⤴︎⤴︎

「姫路の家」で銀古美の瓦葺きが完工! 狭い敷地に建つコンパクトな“くの字”プランだが、創伸さんによる質実剛健な木の家は、“瓦屋根が重い”なんていう印象が全く伝わってこないほど安心感がある。 今回、和形ながら久しぶりに軒の座刳もしていただき、見え…

拝啓 “瓦仕” 嘉左ヱ門さん…

以前、客殿新築工事でお世話になった淡路島の寺で、次は納屋を改修する計画があるので実測に来たがこれは古い!! ”苔むす“とはまさしく…まるで瓦が土に還ろうとしているようだ。 鬼も古く、およそ200年前に江戸時代の“瓦仕”嘉左ヱ門さんが作ったもの…まだま…

腕が伸びて、身長が少し縮んだ一日…苦笑

淡路島の家…大工さんによる屋根仕舞いが終わり、ようやく瓦葺き着工! これがまた狭い急坂の上にトラックで登れるか否か!?ってところが天国と地獄の分かれ目…なんとか登ったと思いきやそこは天国ではなく、そこからは門長屋と中庭を通り越して一輪車&手提…

たった一枚からでも…

特注「中付け逆一文字瓦」製作中…難しい^^; (“逆一文字瓦”とは片流れ屋根のトップをシンプルに納める役物だが、通常は瓦尻部に垂れが付いたもので、軒〜トップまで瓦を葺きさらしたままのようなシルエットを描くことが出来る) 今回の設計相談では、この垂れ…

硬い瓦で描く柔らかい曲線

淡路島 宝生寺…素丸葺きはボールチェーンで自然重力が導く曲線から、所々に錘を付けながら微調整し、野地の反りを目安に目視で違和感を修正しつつ、一本一本美しい線を目指す。 見極める“線”は天地方向だけではない。 寸法個体差がある素丸もすべて微調整し…

石場建てnaya-house

外壁が焼杉で包まれ、足場が取れた姿をようやく見れた! 神社建築と教会建築の折衷デザインが美しい岡山の家…矩勾配の屋根に“木瓦”をランダムに葺くことで、まさしく“木の屋根”のような空気感を纏う。 竹かんむりに、土、瓦、木と書いて”築“…それを建てると…

甍波悠久…

今の時季、目の前の景があまりにもキレイだ! とてもとても静かで穏やかなこの景色が日々の当たり前…この景を見晴らしながら、この“土地の土を焼く”だけの瓦づくりという仕事を出来ていることがありがたい。 贅沢だがさらに欲を言えば、この夕色の海が陸(お…

太鼓の達人!!

◯◯◯◯◯◯◯…丸がいっぱいの窯場です。 石持(こくもち)という、平べったい五寸径の巴瓦。 通称“ベタ巴”のこれらは、昨年の鎌倉プロジェクト「大洋堂」の隣に建つ鐘楼で箕甲の掛け巴、拝み巴、下甍、隅巴に使用する。 今この無地で平べったいレトロモダンな意匠が…

瓦屋根は再び瓦屋根へ…

京都の古アパートリノベーションで内外の大改修が続く現場…凍害でボロボロになっていた釉薬瓦から“銀古美”への葺き替えが、雨の直前なんとか昨夕完了した! オーソドックスな仕上げに、櫛面土瓦もきちんと緊結し、棟は甍覆(いらかおおい)の一本伏せで切妻の…

“確かに作っている”といえる建築…

広島の帰りに岡山の現場に立ち寄り、ホルツヒューター・カイルさんに会ってきた(^^) 古民家と蔵を改修中で、土と木と草と漆喰と瓦と石と…生命力のある地球由来の素材しかない現場は、知恵と力で“確かにモノを作っている”という空気感に満ち溢れ清々しい! 敷…

土を愛する人がつくる家

突然ですが、広島に来ています! 土を愛し、土と共に生きる福川産業さんの土と木と瓦の家…以前「火入れ式」で皆が手を合わせ“想い”を込めた銀古美の瓦が無事に屋根となり、風景を創ろうとしている! *火入れ式シーン ▶︎ https://gajin.hatenablog.com/entry…

情熱の朱-aka-

西陽に当たると燃えるように朱く染まるんです! 窯場が“情熱の朱-aka-”に染まる時がまだ続く… 銀古美よりももっと高温で焼きしめた茜色の甃(しきがわら)がいっぱい。 銀古美で295×295㎜になる甃が、290×290㎜まで収縮しており、その艶やかで色気のある“朱”の…

銀古美 木瓦「福山の家」

“木瓦”で大いに挑戦させていただいた「福山の家」の竣工写真が届いた! 薄い木瓦の織り重なりが描き出す軒先や破風のシャープなエッジが美しく、日本建築にとってまた一つ新しい、上品で格式高い瓦表現が出来たと思う。 俯瞰写真は木瓦の小割り感もあってジ…

瓦再考…

世界のものづくりにおいて、強烈なブランディングで世界観が確立されているものは時代を跨いで強い! これからの瓦づくりは“理由づくり”と“物語づくり”に注力するべきであり、最早そういうところにしか価値を見出しにくくなっている。 自らプロモーション〜…

作り手の想いを伝える仕事…

本日、かがわ木造塾「木造と手仕事」 Gallery土坐での1時間半の瓦レクチャーのあと工場見学。 海鮮丼ランチをはさみ、原土採掘場の見学、そして現在瓦葺き進行中の宝生寺、最後は“淡路島の家”見学と…本降りの雨のなか、改めて長く続いてきた素材とその長く続…

筋骨隆々の年寄り(笑)

淡路島の家…以前離れを葺き替えさせていただき、今回は90坪ある母屋の大改修を着工! 幾時代も跨ぎ風雪に耐えた骨格が露わになる! 人間だと歳をとるほど弱々しくなるが、昔の木と土の家は、なんならまだまだ現役バリバリで筋骨隆々としている(笑) なにも言…

緊結の意味と意義…

淡路島「宝生寺」…方形の本堂4面のうちまずは1面の平瓦葺き完了。 “銀古美”の焼成術によるマットな質感は、寡黙な力強さをもって迫ってくるような風格がある! これが、いぶし銀と違い将来的に変色しないのも特徴…本当の意味で“経年美化”と言えるエイジング…

世界への扉を開こう!

設計相談があり“木瓦”を今日ニューヨークへ送る! 国際郵便って便利…EMSで2〜3日で届く。 “瓦のような木”から“木のような瓦”へ… 銀古美「木瓦」は世界への扉を開けるかな?(^^) #銀古美 #木瓦 #柿葺き #茅葺き #タイル #tile #瓦タイル #世界進出 #海外プロ…

谷平/谷巴づくり…

今日は朝から淡路島 宝生寺で谷平と谷巴製作のための採寸。 本堂の本谷左右18列ずつと客殿唐破風の左右9列ずつ、全部で54列の野地勾配と谷勾配を測定し、製作する谷瓦の角度を型紙に実線で書きとり、この原寸をもとにすべて手作りする! 唐破風には超強烈に…

情熱の朱-aka-

連休明け一発目の窯出しで焼きあがったのは情熱の朱-aka-。 西日に照らされたように、工場内が真っ赤に染まった感じが新鮮だ(^^) あるプロジェクトのための赤瓦だが、淡路島の土は鉄分含有量が多いので、素焼きすればどこの産地よりも綺麗な朱色になる。 ベ…

島じかん…

切り株と一本のヘラ…たまにはそんな仕事。 【 島音坐 -shimaoto za- 】 この島で聞こえる“音”をかたどる… よせるさざ波、むき出しの土の風貌、久しく根付く古木たち…この島に響くそんな音に耳を澄まし、一枚の瓦コースターにかたどる。 時を経ても変わらない…

見た目のインパクトが半端ない!

本日、唯一の自分時間が完全に雨予報で凹んでたが、まさかの晴れ間も顔をのぞかせてくれる快挙! この際、ピンが折れるほど吹き荒れた暴風は勘弁してあげよう^^; それにしても自分で作った瓦パターでゴルフをするのは、世界広しといえどもプロアマ問わずまず…

振袖は卒業、留袖で十分です(笑)

宝生寺の唐破風野地が仕上がった。 箕甲は3段で、袖丸のイメージも鮮明になってきた! 原寸から最大5寸程度の袖丸が必要だが、長すぎる“振袖“は必要なさそうだ(笑) 来週末は「かがわ木造塾」の皆さんによる見学会もあるので、”銀古美“という瓦が描く世界観を…

持続可能性へのヒント…

かがわ木造塾「木造と手仕事」 再掲ですが、第一回「瓦の仕事」への参加申込みは今週末が〆切だそうです。 日時:5/13(土) 10:30〜16:30 場所:大栄窯業株式会社 他 Gallery土坐での瓦レクチャー、工場と採掘場見学、“淡路島の家”見学、現在進行中の社寺瓦葺…

極上のレシピ!!

今朝も引き続き宝生寺の現場から… ”銀古美“の平瓦は、いぶし銀とは違いギラギラ陽光を反射せず、”寂び“の力を宿し落ち着きと風格に満ち溢れる。 まずは事前に深さと行儀を選別した敷き平を合端(削り合わせ)しながら施工。 水糸でツラの線を通すナーバスな仕…

ヘロヘロのサンタクロース^^;

淡路島 宝生寺…縦桟打ちのあと、素丸の全数緊結のため銅線を打ち終わるとワシャワシャと毛が生えたようだ(笑) さて準備完了…寄進いただいた“願い”を背負い、サンタクロースに成り変わりどんどん屋根に上げていきます(^^) それにしても結束してないと大変だ〜…