未来考房/瓦人 ~gajin~

和瓦とその未来を創る淡路島の瓦師ブログ

「瓦以外の選択肢はなかった!」

さぬき市「時の納屋」の紹介動画です。 ▶︎ https://youtu.be/6Fh6LaIhBqY?si=95j_D9L5fEqOjbAx 3年前のプロジェクトのご相談から、打合せ、工場見学、火入れ式と…堀部さんとの対話の時間は、僕ら瓦師にとってとても勇気づけられる素晴らしいものでした!! …

ツノが折れてもココロは折れず…

阿波の家…火入れ式から続く物語も、とりあえず区切りとして瓦葺きが完工! こちらも修復・再焼成した100歳の鬼瓦たちがすべて無事に屋根に舞い戻った。 100年風雪に耐えた素材に炎の力で命を吹き込み、またこれから100年と建築を守り、暮らしを見守り、風景…

江戸の風景再生計画…

睨めっこしましょ〜あっぷっぷ! 整列して前に〜ならえ! こちら、まるで鬼瓦達の学校です(笑) 歴史ある水上楼閣の建替え計画。 本日、鬼瓦も含め各種瓦の寸法や模様などの検査のため、設計者や県文化財課の方々にお越しいただいた。 江戸時代初期の創建。 …

〜before/after〜

鳴門の古民家再生現場も長丁場の瓦葺きがほぼ完成…ここでは普段なかなか出来ない表現を色々チャレンジさせていただいた。 [ 瓦仕様 ] ⚪︎大屋根:銀古美 平瓦と古素丸による本葺き *軒巴と軒唐草を省き素朴な意匠を表現。 ⚪︎下屋根:銀古美 桟瓦葺き *軒…

錆びついた宝刀!?

今日は得意先工務店の40年続く伝統コンペ! 正月以来のゴルフ…家で冬眠していて錆びついた(笑)伝家の宝刀「瓦パター」を引っさげ参戦。 年中ほぼ休みなく仕事ばかりしてる瓦師に、今回は“ゴルフの女神”は微笑んでくれず…年に3〜4回しかいかないのに罰ゲーム…

こんぴらさん(^^)

金刀比羅宮の書院耐震改修が終わった! 週末に足場の撤去に立ち合いました。 永い年月をかけて大気と日光の営みによって造りだされた”寂び“の力を宿すかのような素朴な表情の屋根は、陶器瓦やいぶし銀の瓦とは違う、“銀古美”という瓦の真骨頂だ。 大工も左官…

細部に宿る神がつくる安心、安全と豊かさ…

熊本 菊陽町の家の“銀古美”瓦葺きが完工。 銀古美のビンテージな質感もあり、リフォームされた玄関周りと合わせて和洋折衷の異人館のようなテイストとなり、とても魅力的なファサードだと思う。 「神は細部に宿る」とは言うが、住まい手が見えない屋根の隅か…

木と土と瓦屋根の家…

今日はまた新たな「淡路島の家」の火入れ式。 今回も窯場に美しいシーンが描かれた。 家づくりに込める想いは「家内安全」。 記念瓦にはご家族の名とともに設計者、大工、そして恐縮にも僕も名を刻ませていただき、最後に火入れ…いろんな想いを込めて皆で手…

出来ればすべて瓦で包もう!!

菊陽町の家、反り熨斗による棟積みも佳境。 瓦の屋根は出来ればすべて瓦で包むのが理想…1,400年の歴史ある瓦には、先人の努力によりそのためのパーツ(役物)が多様に揃っている。 陸棟には櫛面土瓦、隅棟には隅面土瓦。 漆喰の劣化剥離リスク等を解消し、なに…

瓦づくりと屋根づくり…

瓦づくりと並行して、あちこち現場も佳境で東奔西走の日々(汗) 鳴門の古民家再生現場…桟瓦の葺き晒しで軽快な輪郭を描く下屋根に、修復した128歳の鬼瓦たちが堂々再登板! 現代的色気を狙った粋な軒意匠に、ビンテージデザインの古鬼瓦のマッチングがとても…

菊陽町の家

なにかと話題の熊本 菊陽町で平屋寄棟住宅の屋根改修が進む。 既存セメント屋根材は消耗激しく、ベニヤ野地もぼろぼろの状態だった150㎡ほどの屋根を裸にし、“銀古美”で素朴ながらピリッとスパイスの効いたに屋根に仕上げる! 横×縦桟を打ち、野地換気システ…

150歳での再登板!!

金刀比羅宮の書院改修現場…再焼成した150年前の鬼瓦と復元した一体が無事に坐り、古彩色の“銀古美”が古鬼瓦とも違和感なく調和する姿に安心した。 「金」の紋入り巴が超カッコいい!! 棟は反り熨斗の目地積み仕上げで佳境。 重文建築がひしめく静謐で美しい…

美しさと強さと…「木瓦」

ちょうど一年前、兵庫県工業技術センターの立会いのもと木瓦の耐風圧性能試験を実施。 基準風速46m、屋根平均高さ10m、4寸勾配の設定で、平部と棟端部のどちらの条件においても150回の繰り返し引き上げ試験に合格! 耐寒性能も、−20℃の冷凍融解試験において5…

壁の瓦、床の瓦…

今日は珍しくトラック3台とも“甃“(しきがわら)と”soil“で満タン積載! 月曜日に大阪心斎橋のど真ん中で工事中の美容施設現場へ届ける。 内装デザインはルームごとに異なり、甃のパターンも多様に変化する。 また壁のsoilも銀古美特有のビンテージグレーに、…

教科書にない仕事を楽しもうー!

本瓦葺きで新しい軒先表現にチャレンジした鳴門の古民家再生現場… 下屋根でもエッジの効いた輪郭を描き、128歳の建築を素朴でどこか懐かしく、しかし現代的にシンプルかつセンシティブな味付けもし、“未来の一つの在り方”を表現する。 軒を桟瓦だけで廻るた…

花見葺き…

讃岐 金刀比羅宮の奥書院改修現場。 桜舞い散るなかでの瓦葺きはどこか花見気分(^^) 素朴な質感の銀古美と桜が、これまた風流なんだよな〜! それにしても境内に重文の建築が居並び描く甍と桜景はとても美しい! もはや仕事してる場合じゃないですね(笑) 下…

28歳もサバ読んでました…(笑)

鳴門の128歳古民家の再生現場… 100歳と思ってたら明治29年築だった件(笑) 雨続きで長引いていた下屋根の大工工事もようやく目処がつき、瓦葺き再開。 土地の伝統的意匠を象徴する中層の屋根は、大屋根と同じく銀古美で焼いた本平瓦×古素丸。 下屋根は簡略の…

島の土と島の香

【 淡路土 香立て 】 土と緑の潤んだ香りが漂う心地よい季節。 窓からそよぐ柔らかい春風にのせて、ゆらゆらくゆる香に心身包まれるひと時を。 形状とサイズについてオリジナルでオーダーを受けた瓦の香立てが焼きあがった。 “銀古美”の焼成術が一つ一つの土…

脇役に徹する建築づくり…

建築家 堀部安嗣さん設計の「時の納屋」が竣工。 銀古美の屋根も、素朴で懐かしくこの土地に末永く安らぎを演出することができるような表情で人を迎えてほしい。 [ 2023.12.12 火入れ式の様子 ]▶︎ https://gajin.hatenablog.com/entry/2023/12/12/172626 …

絵になるかどうか…

「阿波の家」 大屋根の“銀古美”瓦葺きも終え、下屋根の地葺きも佳境…火入れ式で想いを刻んだ一枚は玄関上の屋根に葺くことにした。 100年前の青海波もまだまだ生命力溢れのびのびと棟を泳ぎ、100歳の古鬼瓦も含め元屋根の意匠を継承したこの建築のシルエット…

団子より花…(^^)

今日はお昼に淡路島にある素晴らしい日本建築から“桜源郷”を見晴らす花見の席に呼んでいただいた! 国会議員や市長など錚々たる顔ぶれもあり、なんとも華やかな場。 借景は桜と海と空、そして敷地を共有するかのような神社と寺…浮世離れした景色に包まれての…

monokawara[ kawara stool ]

思いがけずこの春休みの間に「瓦スツール」のストックが売れてしまい、さらに依頼が続くのでさっそく座面づくりから…真空土練機から押し出したばかりの粘土をヘラと手指で磨きつぶして工業製品的なディテールを消し、“昔瓦”のようなゆるい輪郭をつくる。 脚…

再認と再生…

昨日はイタリアの国営TVにがっつり取材いただき、淡路島の瓦づくりにおける歴史、伝統への挑戦、未来に抱くビジョンなど…深く掘りさげてインタビューを受け、製造風景の撮影とともに火入れ式も取材いただいた! テーマは「瀬戸内の伝統とアート」 “デザイン”…

火入れ式「 夢 」

今日はまた新たな“淡路島の家”の火入れ式。 そして嬉しいことに、ここ瓦の町でのプロジェクトだ(^^) ご家族で家づくりに込める想いを書に表し、記念瓦には今日の記録と記憶とともに永遠に消えない“絆”を刻まれた! 400年の歴史あるここ瓦の町に、ひと昔前で…

価値観の逆輸入へと…

さて、新年度一発目のミッション…明日はまた新たな「淡路島の家」の火入れ式につき暗くなった窯場で準備完了。 本計画はデザインやコンセプトにおいて建築家による挑戦が多く込められている楽しみなプロジェクト…“銀古美”の屋根がまた新しいシルエットと風景…

春季例大祭

今日は宵宮、明日30日はこの村の春祭り…太鼓の音色とともに檀尻唄がそこかしこで響き渡ります。 今年も子供檀尻唄のお師匠さんとして2月から毎週火・金の夜に稽古してきた! 毎年人数が少なくなる中で、ふるさとの伝統を背負ったちびっ子達は皆精鋭揃いです。…

100歳達の現役再登板…

「阿波の家」改修計画も大屋根の瓦葺きが佳境。 元の屋根に葺かれていた100年前の瓦師が作った棟飾り瓦「青海波」も、銀古美でマットに再焼成した鬼瓦とともに無事に再登板! 穏やかな波の連続がいつまでも続く平穏な世を象徴し、屋根上から原風景とともに住…

銀古美の本領

長野 東御市の標高700メートルにある伝統構法のワイナリー建築。 「アクアテラソル馨光庵」 下見板張や土壁など面によって表情の変わる壁と、美しい瓦葺き屋根…日本古来の伝統的工法で建てられたワイナリーが「NAGANO WINE」オフィシャルサイトで紹介されて…

[ pen International ]

雑誌penの海外web版「pen online」で、先月受けた取材記事が公開されています。 (*英語/フランス語) この地にしかない瓦づくりと、作り手の想い、そしてその想いの実現のための新たな取組みを、南淡路へのインバウンド客誘致を目的として観光的観点におけ…

土ものの生命力…

建築家の自邸計画[瓦タイル soil] ファサードを瓦で包むと、soilの名の通り“土もの”の生命力が一気に豊かさを生む。 土を焼いただけ…「瓦」とはそんな素材。 朝夕晴雨と日々違った表情で魅せる新しくも懐かしい壁。 屋根に代わり壁となっても日本伝統の「…