未来考房/瓦人 ~gajin~

和瓦とその未来を創る淡路島の瓦師ブログ

2023-08-01から1ヶ月間の記事一覧

鎌倉「常若-tokowaka-project」

日本各地から移築された江戸時代建築が3棟建つ壮大な現場で、最後に北陸から鐘楼が移築され、猛暑のなか“銀古美”の瓦葺きが完成! アメリカ人であるオーナー家の紋章入り経ノ巻鬼がとても粋で美しい! 相模湾を見晴らすように建つ再生された4棟の古建築…この…

絶対にいるよね〜、これ描くヤツ(笑)

毎年恒例、倉敷市の小学生たちによる夏休みの瓦コースター作り体験!! いろんな個性が活きた200枚以上の作品が無事に出来上がりました(^^) どんな時代でも…いや今ならZ世代か(笑)、クラスに数人はいるんですよね…才能を持ったキッズ♪ そしてこれもどんな時…

待ったなし!そんな瓦づくりが続く

尺角の甃(しきがわら)を灼熱の窯出し…今回、“眠り目地”での施工の可能性を検討されているとのことで、仮並べしつつ選別していくが、土を焼いただけの瓦では寸法個体差もある。 乾燥時でも焼成時でも土練機からの押出し方向に土が動きやすくその名残りが出る……

鎌倉「常若-tokowaka-project」

日本各地から移築された江戸時代建築が3棟建つ壮大な現場に、新たに北陸から鐘楼が移築された。 今回も古建築に敬意を込めてビンテージに焼きあげた“銀古美”での瓦葺きが始まり、バチ(逆台形)になった野地や裾絞りの箕甲など葺き師に手間をおかけしたが、試…

“新しき良き”風景づくり…

銀古美の窯出しから… 極太の“七寸素丸”が次々と焼きあがる。 “五寸素丸”と比べると存在感が大きい! 淡路島の公共プロジェクトで、この七寸素丸を棟施工に500枚も使用する。 建築家 阿曽さんの仕事です(^^) 本プロジェクトでは、古き良きではなく“新しき良き…

居場所をつくる…

2年半前に堀部さん達設計チームと現地打合せしたプロジェクトがようやく始動。 先日、打合せで久しぶりに現場を訪れたが、掲示されている設計主旨に大いに共感します。 “脇役に徹する”建築が、環境と景観を引き立てる。 とても美しい場で美しい建築と美しい…

器量と技量目一杯で建てる家!

台風7号から雨漏り調査と修繕依頼が続く! 淡路島の家…大工、左官、瓦師、石工、建具屋と、職人すべてが器量と技量を目一杯発揮させてもらったことが分かる素晴らしい日本建築の屋根にあがっています! 今回、棟違いのトンネル部分に土や葉が詰まり、雨の流…

「淡路島の小屋」project

銀古美の瓦葺きが完工。 “とりあえずあるもので仕上げた感“を意図した素朴な瓦意匠は、かえって和瓦の魅力の本質を最大限に発揮しているようで潔く美しい。 棟冠の“甍覆(いらかおおい)”も端部の巴を使用せず、端〜端まで本体を素っ気なく被せただけのデザイ…

“地べた”へ還ろう

銀古美「甃(しきがわら)」の計画が続き、量産出来ないため現在“尺角”の在庫がほぼ品切れ状態。 屋根でなくとも床や壁でこの数値化出来ない魅力を宿す素材で仕上げてもらえるのはありがたい。 “地べた”の感覚って覚えていますか? 土の上、草の上、そよぐ風を…

瓦づくりとは…

下半期も昨日からさっそく火入れ初め! 淡路島の土をほんの少しの水で練っただけの瓦に火が入る。 1,000℃を超えた世界で土を焼くという、人のチカラの遥か及ばない次元での“仕事”が行われる炉内の世界には決して立ち入ることが出来ず、ここから先は毎回どこ…

数値的価値を上回る魅力…

長野 東御市でのワイナリー建築…竹小舞に土壁が塗られ内外壁が仕上がってきた。 “銀古美”の屋根も、本来は寂びの美しい素朴な表情で魅せるはずが、あまりに強烈な夏の陽射しを受けていぶし銀に輝き、なんなら“いぶし瓦”って言われてもおかしくない(笑) ただ“…

人様の瓦パターばかり作ってる場合じゃない(笑)

台風一過、中途半端な雨に打たれながらも季節に一度しか行かなくなったゴルフでせめて自分時間…春以来のラウンドでも、錆びつきつつあった?伝家の宝刀“瓦パター”は安定の切れ味?^^; 瓦しか頭にない男はパターまで瓦(笑) ただ自分で作ったパターでラウンド…

雨ニモマケズ

ただいまLAN(ラン)さんの中心付近が淡路島に近づいており外出できないほどの風雨ですが、30年前に葺き替えた自宅の瓦屋根は、まるで風情さえ感じさせるほど音もなく強雨を受け流し、雨ニモマケズ、風ニモマケズたくましく仕事をしている。 ー 瓦再考 ー 雨ニ…

銀古美「福岡の家」

福岡北部の海を見晴らす土地での新築計画で、“銀古美”の屋根が完工! 軒、破風、棟とすべてエッジの効いたシャープな仕上げが軽快でもあり素朴でもあり、現代に求められる高い性能を担保しつつ、その“シンプル”を描くには、なにより葺き師の高い技術があって…

これでようやく盆休み…

宝生寺 向拝の瓦葺き…割付けと靭(うつぼ)唐草の仕上げでかなりハードルがあったが、靭を加工してニノ平的に納めることで解決。 たった2,500㎜ほどの左箕甲に頭と手を目一杯使ったが、これで右箕甲もスムーズに仕上げ、台風7号直撃を前に区切りがつく! 容赦…

かわらのおはなし…

今日はアメリカ テキサスの建築学生達を迎えて瓦のレクチャー! 工場見学のあと採掘場で素材の原点とも向き合った。 「美しい」は万国共通… そこにストーリーがあるから。 そこにしかないストーリーがあるから。 その地のヒトがその地にしかないモノをつくり…

木と土と瓦の小さな建築

お盆前最後の新築現場には落とし穴が!? 昨朝、銀古美と甃(しきがわら)一式を搬入にきて、危うく深溝にタイヤを落とし込むところだった(汗) 荷積みした状態で嵌ればまず脱出不可能…気付いてよかった〜! ただ、この落とし穴のおかげでトラックを寄せきれず…

100年後も美しく…

7年前、当時のまま意匠復元した香川の文化財土塀改修工事。 オモテウラ反対に製作した平瓦がリズミカルに陰影を刻む姿が美しく、いにしえの美意識が宿る粋な瓦塀だ。 伝統の素材と手仕事で仕上がる100年土塀…この場の景をまた末永く未来へと継承出来そうです…

お盆までもう少し瓦づくり…

桟瓦の窯積みは、この猛暑で温風と化した扇風機の風を浴びながら、FMを聴きつつ心頭滅却で暑さを忘れ(笑)、スキーのリフトのようにエンドレスに流れてくる乾燥素地を焼成コンテナに積み込んでいく。 僕ら小さな窯元では窯積みに独自の工夫があり、瓦裏面の金…

火入れ式 −愛媛 西条の家−

今日は久しぶりに火入れ式! 「きれいなおうち」「わたしのおうち」「健康」 小さな子供達が家づくりに込める想いをそれぞれピュアに表現されたのが微笑ましいですね(^^) その想いと共に瓦を焼くべく書を窯へと。 続いて記念瓦には上棟予定の9月吉日と家族の…

good-by KHANUN!

宝生寺へ台風養生に… 屋根の木足場も全部撤去し、客殿の棟もシート養生。道具や副資材なども全て片付けてシートで覆う。 あとは日曜日だが本堂の平瓦葺きを出来るだけ追い込んで、週明けに備える! まあ、屋根ごと吹き飛ぶような軽い屋根材じゃないので、瓦…

original sign “笑鬼 & 怒鬼”

銀古美の窯出しでビンテージな表情に焼きあがった二つのオリジナル表札! かたや満面の笑顔の鬼、かたや睨みのイカつい鬼…どちらも生命力あふれる表情だ(^^) 鬼だけに怒るも良し、また“ギャップ萌え”で笑うも良し…笑う門にも怒る門にも福来る。 「瓦」でそれ…

土と炎が“つくってくれる”

窯場でのワンシーン…今まさに1,000℃を超えた世界で炎が土に働きかけ、“銀古美”特有の古彩色と堅牢な肌をつくっている瞬間だ! *近寄り厳禁…スマホ溶けますよ(汗) 今日も今日とてひたすら瓦づくり…焼きあがった銀古美の桟瓦を選別していくが、この左右の焼成…

木と土と瓦の建築づくり…

工場を終えてから、またまた宝生寺へ… 法改正による新ガイドラインに則り、本葺き素丸の全数緊結のためトンボづくり。 方形のこの一面だけで素丸1,400枚…ということで1,400本の銅線でひたすらトンボを量産(汗) 指先の感覚がどっか行っちゃいましたorz でもこ…

必要なのは視力!?(笑)

宝生寺もようやく方形本堂の正面を着工… 昨日も工場を終えてから現場へ。 一面で“照り起り”が連続する野地の線を美しく魅せるよう、ボールチェーンで理想の線をつくり複数の厚みの桟木を足し引きしながらシミュレーション。 指先の超微妙な加減で正解の放物…

カワライザップ!!(笑)

銀古美の窯出しから…昨日も汗だくになりながら焼きたてほやほやの“木瓦”一窯分をひたすら手降ろししていく! タイルのように寝かし焼きを実現したため、焼ける枚数はかなり減ったが歩留まりは大幅に向上した。 おかげで一枚一枚の行儀(反り/ねじれ)を見極め…