未来考房/瓦人 ~gajin~

和瓦とその未来を創る淡路島の瓦師ブログ

2024-03-01から1ヶ月間の記事一覧

春季例大祭

今日は宵宮、明日30日はこの村の春祭り…太鼓の音色とともに檀尻唄がそこかしこで響き渡ります。 今年も子供檀尻唄のお師匠さんとして2月から毎週火・金の夜に稽古してきた! 毎年人数が少なくなる中で、ふるさとの伝統を背負ったちびっ子達は皆精鋭揃いです。…

100歳達の現役再登板…

「阿波の家」改修計画も大屋根の瓦葺きが佳境。 元の屋根に葺かれていた100年前の瓦師が作った棟飾り瓦「青海波」も、銀古美でマットに再焼成した鬼瓦とともに無事に再登板! 穏やかな波の連続がいつまでも続く平穏な世を象徴し、屋根上から原風景とともに住…

銀古美の本領

長野 東御市の標高700メートルにある伝統構法のワイナリー建築。 「アクアテラソル馨光庵」 下見板張や土壁など面によって表情の変わる壁と、美しい瓦葺き屋根…日本古来の伝統的工法で建てられたワイナリーが「NAGANO WINE」オフィシャルサイトで紹介されて…

[ pen International ]

雑誌penの海外web版「pen online」で、先月受けた取材記事が公開されています。 (*英語/フランス語) この地にしかない瓦づくりと、作り手の想い、そしてその想いの実現のための新たな取組みを、南淡路へのインバウンド客誘致を目的として観光的観点におけ…

土ものの生命力…

建築家の自邸計画[瓦タイル soil] ファサードを瓦で包むと、soilの名の通り“土もの”の生命力が一気に豊かさを生む。 土を焼いただけ…「瓦」とはそんな素材。 朝夕晴雨と日々違った表情で魅せる新しくも懐かしい壁。 屋根に代わり壁となっても日本伝統の「…

瓦目利き…

銀古美の窯出しから…久々の“中付け袖”。 先日地鎮祭に参列した「淡路島の家」で葺く。 通常の袖瓦と違い、袖の垂れが端部から5分(約15㎜)ほど内側にあり、陰影が生まれ上品な仕上がりになる玄人好みの役物だ。 建築写真は2020 JIA四国建築賞 大賞 「小さな石…

絶景かな…(^^)

年度末が迫り竣工ラッシュ! 丸亀城内の三ノ丸にある「延寿閣別館」 「城泊」を目的とした大改修が終わった! 復元した鬼瓦たちが元意匠の面影を繋ぎつつ、素朴な質感の“銀古美”の屋根が新しくも懐かしい景色を描きはじめた。 東京にあった丸亀藩主である京…

倉敷で新たに“美観”を創る…

「倉敷の家」の瓦葺きがようやく完工した! 主屋根には“木瓦”、客間には“和瓦”…ともに銀古美の焼成術により一枚一枚豊かな表情で景色を描く。 木瓦は縦桟(9×90)と横桟(30×30)で39㎜高の下地に、本体3枚重ねでさらに45㎜の葺き厚を合わせて野地面から84㎜以上…

時を刻み出す…

[ 淡路クラインガルテン野田尾 ] 淡路市 野田尾地区に完成した農園付き住宅に続き、別敷地に交流施設も完成。 同じく土壁と銀古美の方形プランで、先日紹介したパパイヤ型の特大瓦プレートも外部手洗い場の天板として無事に設置完了。 そして青磁釉で焼い…

こんぴらさん

今朝は讃岐 金刀比羅宮の奥書院改修計画で現場打合せ。 この奥書院はじめ表書院、四脚門、旭社と国指定重要文化財が建ち並ぶ地は、さすが凛として静謐な空気感に包まれる。 仕様「銀古美」 軒:つづ入り(京花)万十軒 棟:反り熨斗 鬼瓦:古鬼 修理最焼成(一…

完璧で完熟な味と風景を…

先日、出先での島ランチは田んぼの中の石窯pizza! 周りは田園、向かいは海…もうそれだけで都会のどんな有名な店のどんな人気のpizzaより断然うまい(^^) 目の前で採れた海山の食材がのっかる…このストーリーが完璧で完熟だから! 一つ注文をつけるとすると、…

monokawara「はじめの一歩」

誕生記念の手足型瓦…今回の依頼は手と足のセット。 一つの粘土のかたまりから、可愛い手足が生まれます! いろんな建築プロジェクトで頭がいっぱいいっぱいになったタイミングでの、こんなほっこりした手仕事は、ちょうどいいα波が出て気が休まります〜(^^) …

火入れ式「家内安全・縁」

今日は「岡山の家」の火入れ式 ご夫婦2人で家づくりに込める“想い”とともに瓦を焼くため書を窯へと…。 そして屋根に葺く予定の記念瓦には今日の日付と名前を刻まれました。 火入れされた瓦を前に手を合わせる…人は何かを願う時やすらかな表情になり、人は誰…

銀古美の瓦葺きは修景作業です…

淡路島の家…茶室屋根も完成し、渡り廊下と合わせてミッションコンプリート! “銀古美”の素朴な表情が、田舎の長閑な風景にとけ込み、長く続いたこの土地の記憶を紡ぐ。 銀古美の屋根づくりは一つの修景作業だ。 昔と今を断絶するような文脈のない短絡的な改…

淡路クラインガルテン野田尾

淡路市 野田尾地区に完成した農園付き住宅。 土壁と瓦屋根の建築群がどこか可愛らしく、新しき良き風景をつくるこちらの入居希望者の募集締め切りが15日までとのこと。 5棟とも抽選になるそうですが、ご希望の方は以下のリンク先で詳細を確認してください。 …

Reduce & Reuse

淡路島の旧家改修プロジェクトの定例会議。 離れの上棟(再構築)は五月予定…復元製作の鬼瓦たちも綺麗に乾燥し、これから銀古美でぐっとビンテージに焼きあげる。 リデュース&リユースされる木材達も、かなりご高齢のはずが新建材なんかより全然活き活きして…

日本の伝統建築は「芯」まで綺麗…

鳴門の古民家再生現場は日曜、月曜と下屋根を解体中…あらわになる骨格はまさしく100歳。 「メッキが剥がれる」とは、一般的には“うわべだけの誤魔化しがきかなくなり、次第に化けの皮が剥がれる”という意味で使われるが、この100歳の建築では、漆喰が剥がれ…

寄稿「屋根再考」

先月、全国いぶし瓦組合連合会の広報誌に寄稿した文章を一部加筆しここにシェアします。 (*1/17に寄稿したものなので、一部内容にタイムラグがあります) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ このたび令和6年能登半島地震により被災された皆様に心よりお見舞い申…

瓦再考…本歌たれ!

京都市内にあるブライダルショップ。 以前にも書いたが、ファサード庇に丁寧なアイアンワークで表現されるのは紛れもなく瓦意匠。 とても美しいデザインだが、そこにはモチーフとしての絶対的で普遍的な瓦の伝統意匠と、その“本歌”に対するリスペクトが込め…

令和の意匠へ…

鳴門の100歳民家再生現場も大屋根が完成! 欠落していた家紋を復元した100歳の鬼瓦も、威風堂々再び屋根へと舞い戻った(^^) 今回、棟積みを低くするため鬼瓦は前に出して“谷立て”とし、ほんの少しの小反り熨斗を目地積みで仕上げて、素朴で大らかだった元意…

マリアージュ…「調和」

淡路島の家…渡り廊下に続く2期工事の茶室屋根の地葺きが完了! リアル古瓦とビンテージな銀古美のマリアージュ(笑)は、これは実際に肉眼で見て欲しいところだが…とても心地良く、そして優しい空気感を纏う(^^) さて、棟は茶室らしく低めに積み、端正な銀古美…

時代を越えた対話…

讃岐 金刀比羅宮の書院改修計画で、預かった古鬼瓦のうち復元製作が必要だった一体がカタチになった! 仕上げのテイストを合わせ、色気や個性を極力消す復元製作は、江戸時代の鬼師と現代の鬼師との対話だ。 これをいぶし銀ではなく“銀古美”で焼き、質感をぐ…

「瓦」ってイイね!!

東京の住宅計画は片流れの一枚屋根。 軒は石持(こくもち)万十の仕様なので、水上側のトップには通常“逆一文字瓦”を施工するが、意匠的に軒と合わせて万十がほしいとのことで、逆石持万十一文字(ぎゃくこくもちまんじゅういちもんじ)←長い(笑)を手作りで製作…

気になる方はぜひ入居の申込みを!!

素朴でどこか愛らしい“新しき良き”風景を描く銀古美の屋根、そして屋並み。 建築家 阿曽さんによる淡路島の農園付き住宅プロジェクトでの瓦仕掛けもこれが最後…1度目は収縮率の失敗でボツ、2度目は乾燥時に崩壊してしまいボツ、3度目の正直にしてようやく無…

新しいのに古い屋根…

午後から鳴門の100歳民家再生現場へ… 大屋根の地葺きもほぼ完了。 銀古美9寸平×100歳素丸がとても馴染む! ケラバも役物を使わず同じく9寸平での刻み仕上げ。 斜めから見ると100歳のままのビンテージな景色を描き、見事に作戦成功だ(^^) 設計者と検討に検討…

竹かんむりに、土と瓦と木…

先月、渡り廊下屋根を銀古美で仕上げた「淡路島の家」で2期工事“茶室”の改修開始! 解体するとあらわになるのは木と土と竹と瓦…100年生きた建築って、やはりこの素材達の組合せ。 今まで幾度と古民家再生の現場に向き合っても結局はこの組合せであり、これ以…