未来考房/瓦人 ~gajin~

和瓦とその未来を創る淡路島の瓦師ブログ

2020-12-01から1ヶ月間の記事一覧

竹かんむりに土、瓦、木が創る景…

JIA四国建築賞 大賞「小さな石場建ての家」 設計:環境デザインワークス 清水裕且 *清水さん、とても素晴らしい建築にご縁いただき改めてありがとうございました!! 2020年も今日で仕事納め。 今年も一枚一枚の瓦づくりを通し、それが連なり屋根となり、さ…

− 屋根再考 −

ちょうど一年前、古彩色「銀古美(ぎんふるび)」を17ページにわたり特集いただいた「住宅建築2020年2月号 〜屋根再考〜」。 それを見て京都から建築科の学生達が来られた。 「瓦屋根の建築を卒業設計にしようと思っても、身近にも、どこにも教わる人がいない…

break time…

【日本料理 夏見】 随分久しぶりにお邪魔しました! 日本料理のすべての元…出汁。 質の良い鰹の本節と真昆布を使い、心をこめて毎朝出汁をとられる。 お味、彩り、しつらえ、所作…どれもすべて勉強になることばかり。 瓦も「一に土、二に窯、三に作り」と教…

ニッポンの宝物…

神社新築工事…九寸判で葺いた拝殿主屋根に続き、向拝唐破風は八寸判による地葺きが佳境。 “硬い瓦”で“柔らかい曲線”を描いていく! この流麗な線をより躍動させるべく刀根地の高さを調整し、これから数種類の寸法の袖丸を使い分ける。 角度の低い朝陽のおか…

I'm tile man!!

竣工まで佳境を迎えた建築プロジェクトのリビングルームの壁に「円坐−maruza−」でアートワーク! 終日現場で、コンセプトを込めた「壁瓦−hekiga−」をタイルマンとなり描いてきました。 建築家 川添純一郎氏による、空間内外において瓦の多様な表現による圧倒…

re-firing*reborn…再焼成による再生

神社新築工事において、棟の水板瓦だけは再焼成することに…バラバラに降ろしてあったパーツを、氏子総代や棟梁の見守る中で組み直し! 総代:「上手いことパズルが出来上がるもんやな〜!」 *水板には、お陰ですべてに“昔漢字”で番号が刻んであったのでよか…

神は細部に宿る…

香川のモデルハウス…設計の伊礼さんとの打合せに出席させていただき、「神は細部に宿る」の通り、㎜単位の緻密で繊細なディテールへの拘りが、とても勉強になりました! 今回プロジェクトで採用いただいた古彩色の“銀古美”と一般的な“いぶし銀“の違いを生意…

誓いを胸(棟・屋根)に…

10月に“火入れ式“をさせていただいた住宅も無事上棟し、銀古美での瓦葺きが始まる! 施主ご夫婦自ら名を刻み、誓いの指あとを残した記念瓦も、火入れ式で込めた”家内安全“の想いをのせて屋根の上で末永く暮らしを見守る。 軒瓦は今回”石持万十(こくもちまん…

かわらのおはなし…

設計者から根本的な質問を最近よく受けます。 「瓦のメリットとポテンシャルとは?」 兵庫県工業技術センターによる「屋根材の違いによる屋根表面および屋根裏温度への影響の検討」 和型いぶし、平板いぶし、ガルバリウム、コロニアルの4種類の屋根材を試験…

寄進瓦…

古びた木の鳥居がかえって崇高さを漂わせる神社本殿・拝殿の解体〜新築工事。 解体が始まった現場へ、正月詣に訪れる人々に御寄付を募るための寄進瓦を搬入。 お金が瓦に、瓦がお金に変わる…改めてそんな真理とリアルに直面し、誠心誠意作らせていただこうと…

境を分かちつつ“結ぶ”こと

淡路島の家…石積み土塀改修工事の現場打合せ。 理論ではなく経験、計算ではなく感で積みあげられ、 50年以上にわたり風雪と数多の地震に耐え抜いた塀。 伝統の左官技術と新しい土木技術の融合で無事に耐震補強され、ようやく瓦葺き。 ビンテージ色に焼いた“…

monokawara - cutlery rest -

深みあるブルーのグラデーションから連想するのは海山の豊かな幸。 以前、芦屋のレストランに納めたカトラリーレスト。 Gallery土坐でも細いタイプの“long”と“short”がとても人気です(^^) 『箸置き』 “置く”という意味よりも、どちらかといえば“休む”と解す…

海外プロジェクト!

ある海外プロジェクトの monokawara を寒くて暗い窯場で昨夜20時までかかって窯入れ^^; さて、このキューブはなんでしょう? 明日は製造・焼成シーンの撮影…先日の試作品撮影時に度肝を抜かれた500万円する一眼レフカメラは再び登場するか!? コラボレーシ…

陰翳礼賛…

香川のモデルハウスプロジェクト…“銀古美”の棟施行中! 棟は熨斗瓦2段を通常とは逆チリの“影積み”に…台熨斗を薄く見せ、影を活かした軽快で繊細な線を描く。 さり気なく“陰翳礼賛”だ(^^) “追いかけ巴”の仕様は数奇屋建築にはよく似合う。その影では、熨斗の…

【 hitotema -kogiku- 】

小菊に薔薇に桜…小さな瓦づくりも続きます。 “ひと手間”とは、一手間と人手間…型は用いず、道具を使い、一つ一つ土にささやかな細工を施す。 いま、”瓦“を身につけるのがトレンドです! 建築が瓦を纏うのは1,400年続くトレンドですが(^^) 瓦の島から生まれる…

表現すべきは“自然”…

香川のモデルハウスプロジェクト…100坪近い屋根の瓦葺きが進む。 綺麗なグラデーションに色づき、落葉してなお“活きた色”で大地を華やぐもみじの姿にハッと息をのむ。 木々や草花に二つとして同じ色彩がないのは、それが“自然”だから…。 土を焼いただけの瓦…

transformer!!

瓦づくりに、トラック野郎に、現場に…“師走”らしい追い込みの時期! 今日のワンシーン…工場ではここ最近一人での窯の入れ替え作業が続きます。 焼成コンテナを出し入れする、ツメが伸縮するフォークリフトはまるでトランスフォーマー!!(笑) もう40年以上頑…

古美の家…

福岡の建設会社様からのご依頼で、古彩色瓦の“銀古美”を標準採用にしたモデルを来年から展開されるとのことで、ブランディングのためロゴデザインをつくり、接客用やノベルティ用に瓦坐-kawaraza-としてカタチに! コースターへのリアクションも楽しみですが…

“とんがって”こその魅力!

古彩色“銀古美”の棟瓦【甍覆(いらかおおい)】の巴デザインを少し改良中。 五角形の垂れを赤のライン程度までひと回り大きくし、位置も端部から現状2寸をもう1寸ほど奥に移し、神社建築の神明造りのように、より尖った深いシルエットを目指す! 目指すのは素…

用の美…

絶賛瓦葺き中〜! ただ、こちらの現場…面する通りはトラックの幅いっぱい(ってゆーか、不可抗力でコツンとあちこち“優しく”当てながら進入(笑))、門は当然くぐれず、写真左奥まで運び込み任務(汗) そこで活躍するのが、瓦を運ぶためだけに設計され潔く無駄を…

break time…

kawara × chocolateでホッとひと息(^^) 【円坐-maruza- turquoise blue & white】 ワインと一緒にいただきます。 − La chocolaterie NANAIRO − ラ ショコラトリ ナナイロ → https://chocolate-nanairo.com #ショコラ #チョコレート #円坐 #瓦 #大栄窯業

水を得た鯱…

火災から家を守る水の化神「鯱」… 露天風呂に坐り、湯を注ぐことでカラダとココロを癒す役目を与えられました(^^) 配管に合わせて底部と口の中を特殊に加工し製作。 高さ2尺2寸 いぶし銀の鯱がまさしく“水を得て”躍動…暮らしに豊かさを与えます。 新築住宅に…

瓦が描く景色…

香川のモデルハウスプロジェクト…設計は伊礼智設計室様! 軒も破風も出寸法が共に1,000㎜以上あり、とても美しい佇まい。 ご縁あり古彩色“銀古美”の瓦葺きが進行中。 焼成温度が高くハードルの高い“銀古美”の袖と一文字軒を綺麗に手なづけた葺き師に感謝です…

好きなもののある暮らし…

向日葵が咲きました(^^) 本日窯出し…なんとか無事に焼きあがり、真っ黒なススを払うと、清廉ないぶし銀の煌めきが顔を出す。 冬ですが、壁飾りに向日葵を! 自分だけの“好きなもの”がある暮らしを…。 【size:約400㎜径】 ・ #壁飾り #向日葵 #ひまわり #レ…

赤ちゃんの手仕事…(^^)

徳島の家…先日火入れ式で名入れした瓦も、生涯の暮らしの安心を見守り、記憶を未来に繋ぐべく無事屋根におさまる! 赤ちゃんの指あともしっかりと凹み、一人前の仕事をしています(^^) こちらも負けずに丁寧な仕事を…棟の面土部分は櫛型面土瓦で、漆喰塗りの…

まだまだスケールが小さいな〜!

昨日積み込んだ瓦達は、遥々徳島と高知の境付近まで届けにきました! 普段見慣れる穏やかな瀬戸内とはスケールの違う海景。 日本は広いし、地球は丸い! そして、改めて自分はまだまだ小さい(^^) 古民家改修で今回は四方に巻く下屋根の葺き替え。 ビンテージ…