未来考房/瓦人 ~gajin~

和瓦とその未来を創る淡路島の瓦師ブログ

2021-08-01から1ヶ月間の記事一覧

銀古美「木瓦−kigawara−」

アコーディオンのように繊細でリズミカルな陰影が美しい窯積み風景は“木瓦”! 乾燥素地で全長415㎜あり、一般的な瓦だと300㎜前後のものが多いので、玄人ほどその見慣れない大きさ(長さ)が新鮮に映る。 この415㎜が390㎜まで収縮するが、さすがに薄く長い木…

香川の農家住宅

火入れ式に始まる「香川の農家住宅」prj. story ▶︎ https://gajin.hatenablog.com/entry/2021/06/12/135007 熨斗2段を“素朴な1段”に見せる“影積み”の棟に、端部を“追いかけ巴”仕様で納め、ご夫婦ともに建築家の建主が描いた屋根のデザインが完成。 周囲の山…

お肌にも気をつかいます(笑)

今日の灼熱“銀古美”の窯出しから…いろいろ焼けてるなかで、今回も神頼みの“400角甃(しきがわら)”! 行儀の選別、採寸後に、クライアントの要望によるオリーブオイル塗布…意地を張って素手でやってたが、あまりにも“ぬるぬる”が取れないので、回を重ねるごと…

切落と面取の違い…分かりますか?

それにしても雨の多い8月だった⤵︎⤵︎⤵︎ この日も本降り…おかげで“雨の道”を追えた。 同じ桟瓦でも“面取”よりこの“切落”のほうが構造的に“水の切れ”が良い。 自然の営みと先人の知恵は、こんな些細な現象においてさえ、あまりにも多くのことを教えてくれる! …

淡路島「さくらの家」

軒は桟瓦、袖部には本平瓦を使用して究極シンプルなシルエットを描き、“銀古美”の瓦葺きが完工…銀古美のナチュラルな素材感と漆黒の焼杉との相性は抜群だ! これだけシャープな輪郭を描けると、素人目にも“重い”というイメージは一切払拭される。 1,000種類…

とんがりました!!

高松の家、上屋根の“銀古美”瓦葺きが完成。 軒は桟瓦の葺き晒し、棟は甍覆(いらかおおい)のとてもシャープでシンプルな仕様。 とくに「神明造り」にインスピレーションを得た甍覆巴の五角形の垂れを、今までより端部からもう一寸ほど深い中付けにしたことで…

シンプルな言語表現

山に降った雨を谷へと流す…自然の摂理に適う“瓦”の普遍的デザインの魅力の本質を見抜く審美眼あってこその潔いファサードデザインは、さすが森田恭通さんだ! 用の美をもって白銀比を実現する和瓦の曲率の美しさ…この唯一のデザインキーワードを大胆かつシン…

古き良きものの進化…

東京渋谷にあるカクテルバー 【 The Bellwood 】 CHIVAS Masters 世界チャンピオンのバーテンダー鈴木敦氏がプロデュースし、100年前の東京で流行した大正モダンな特殊喫茶(カフェー)を現代の渋谷でカクテルバーとして表現。 concept:“古き良きものの進化” …

屋根を主役へ…

瓦仕様を素朴でシンプルに仕上げ、ただ安っぽくなく品があり、シルエットで魅せる…もう10年近く設計者からの相談はほぼこうだ! 緩勾配屋根や箱のような新建築が多いなか、屋根面を見せることで、四季折々、時々刻々で瓦が織りなす陰影が美しい。 屋根が主役…

屋根材の王様…

淡路島 蓮華寺 庫裡新築工事も、盆をまたぎ雨ばかりのなか地葺きに目処がつく。 反り屋根で勢いよく伸びる雁足(がんあし)…改めて瓦屋根は流麗で美しい。 素材としての堅牢さ、歴史に裏付けされる絶対的な安心感、構造的雨仕舞いの良さ、なにより一枚をとって…

雨の道…

よく降り続く雨だが、瓦の窯元だけあっていつも和瓦の“働く姿”を間近に見ることができる。 「山」に降った雨が「谷」を流れる…風景にあって当たり前に描かれる、その自然の摂理にかなった機能美をまさしく体現する和瓦は、見事な白銀比の普遍的デザインとし…

住宅建築10月号【 山から住まいへ 】

“銀古美”を葺いた徳島「小さな石場建ての家」が、その背景にある建築の未来の一つのあり方への提言とともに紹介されています。 釘や金物を使わない美しい上棟シーン ▶︎ https://gajin.hatenablog.com/entry/2020/12/29/105132 近代化と高度成長が生んだ一つ…

土と瓦の生命力…

こちらの神社も地葺き完了…欠損部分をあちこち修復し再焼成した100歳の水板瓦もようやく出番だ! 幾時代も風雪に耐え草臥れていた姿が、魔法のように綺麗ないぶし銀となり生命力がみなぎる。 “土”は絶対普遍…炎の力で再び次の100年を生きる素材が他にどこに…

「瓦」で世界を楽しくしたい!!

盆休み最終日にようやく正月以来のゴルフで気分転換! 伝家の宝刀”瓦パター“は、相変わらずイイ仕事をしてくれ、前半OUTは18patだが、とくに後半INは怒涛の1patが6ホールあり12pat! 自分でつくった瓦製パターでのゴルフ…おそらくプロアマ含め世界でもそうい…

いちいち瓦なんです(笑)

正月とGWと盆しか実現しない“連休”ぐらい晴れてくれ…⤵︎⤵︎⤵︎ ということで土砂降りの墓参り…荒天で“しきび”や花を飾れない時は、花立に自家製「丸に三つ松」の家紋瓦で蓋をする。 季節によって“瓦坐 -kawaraza-”(→四季折々10種あるhttp://www.daieibrand.com/…

建築の生命力…

先日、設計者との打合せで久々の四国村へ…改めて素材のチカラと先人の叡智の美しさには圧倒される! 住宅は決して“装置”ではなく、母体のようにもっと大らかで柔らかく、温かくて優しい、また時に冷たく厳しくもすべて受け入れ許し合えるような、大きな抱擁…

脱工業製品の魅力…

広島の呉…瀬戸内に浮かぶ小さな島の漁師町で、素朴な建物の屋根が“銀古美”で素朴なままの風情で仕上がりました。 あえて狙った素っ気ない仕様が、この鄙びた風景に本当によくとけ込んでいる。 “銀古美”を届けた現場からは、葺き師からいつもほとんど同じ感想…

働き方非改革(笑)

盆前〆仕事は、こちらでトラック3台分を滝汗荷上げ任務…(汗) 朝から昼までかかりましたが、なんとか! 透き通るようないぶし銀の“かわら美人”な屋根がここに出来そうです(^^) やれやれ、上半期もほとんど休みなくよく働いた…一旦休憩だm(_ _)m ーーーーーー…

「銀古美」…人気です!!

高松の家、こちらも“銀古美”の瓦葺き開始! 割付けもバッチリ…大きな切妻は仕事がしやすいですね^^ こちらは軒も桟瓦の葺き晒し仕様、棟は三角の甍覆(いらかおおい)でシンプルなシルエットを描き、この讃岐の地に“新しいのに懐かしい”風景がまた一つ描かれる…

持続してきたもの…

文化財建築の改修において、200年以上前の軒瓦が全長尺二寸もあり、大きな深切り形状だったものの復元! 箕甲に使用する尺二寸掛け瓦をプレス製造したものを加工し、瓦頭と剣部分を復元製作し接合…なんとかキレイに乾燥した。 ほんの20枚だが、土と道具と人…

皿の下の物語…

壁や土間でデザインを表現する円形瓦タイル「円坐−maruza−」…まもなく淡路島にオープンする本格フレンチレストランで皿として使用するため青緑釉で80枚を焼成。 180㎜径で厚みは20㎜、側面は持ち上げやすいようほんの少し角度をつけて削った。 円形がもたら…

神は細部に宿る…

火入れ式をさせていただいたプロジェクト「香川の農家住宅」も、銀古美による瓦葺きが完工! “影積み”の棟は、熨斗2段であって軽快な1段に見える仕上げ…“素朴な農家住宅”というコンセプトにも見合う、その通り素朴でかつ上品な輪郭をつくる。 シンプルな切妻…

【must】…「必須」「欠かせない」

徳島 勝浦の家…火入れ式で手を合わせた“銀古美”の瓦葺きが進む! (火入れ式 ▶︎ https://gajin.hatenablog.com/entry/2021/07/27/122226 ) 土と炎が生む計算できない豊かな表情が、古い蔵屋根と時間を越えて対話出来ているのが微笑ましい。 棟梁と玄関内外の…

kawara-washbowl ~white ~

オリジナル形状の手洗いボールが白釉で綺麗に焼きあがった! 図面で指定された寸法を目指し、焼成収縮の計算に、“勘”というスパイスも調合し(笑)、ほぼほぼの仕上がりとなった。 白であって白にあらず…土ものが創る色彩はとても深く豊かだ。 屋根から降りて…

淡路島「さくらの家」

“銀古美”の瓦葺きを一枚一枚と…ケラバは本平瓦を使用して究極シンプルなシルエットを描き、片流れの意匠もあって翼を広げたように軽やかだ。 片流れトップも“逆一文字瓦”という役物で納め、瓦の曲線だけで空まで抜けることで平部をより広く大らかに魅せる! …

monokawara -nameplate-

端正な瓦表札が2パターン完成しました! 金属的なまでにキレイないぶし銀ながら、やはり“土もの”ならではの質感は瓦の本領、逆にもう一方は“土もの”の質感を余白全面に表現し、文字だけいぶし銀で際立たせる仕上げ。 どちらもonly oneの瓦表札…暮らしにささ…

淡路島「さくらの家」

月曜日は灼熱・滝汗の瓦上げからスタート!! トラック1台しか入らない幅の進入路をバックで…そのまま荷台の上から、どんどんアゲアゲ⤴︎⤴︎ これを今日は工場から2往復して、やり切りました(汗) *葺き師親方が設置してくれた扇風機が、カラダはもちろんメン…

break time…

手作りした瓦の器に冷んやり羊羹 “日本”はいちいち美しい… たまに器も作ります(^^) ーーーーーーーーー #和菓子 #器 #和食器 #日本美