未来考房/瓦人 ~gajin~

和瓦とその未来を創る淡路島の瓦師ブログ

2023-11-01から1ヶ月間の記事一覧

生き物との格闘…

あるプロジェクト用 ボーダー瓦の試作。 木琴じゃないよ(笑) 手切り、引き目肌、櫛引き…すべて手作りで仕上げ、さらに“銀古美”の焼成術で焼きあげることで素朴なビンテージ感を表現する予定。 乾燥でとにかく曲がる曲がる…^^; やはり土は生き物だ! このボー…

100年後にもらう通信簿…(^^)

淡路島 宝生寺の瓦葺きが全て完工した! [本堂 方形屋根]銀古美 本瓦葺き:九寸判 [客殿 切妻屋根]銀古美 桟瓦葺き [客殿 唐破風屋根]銀古美 本瓦葺き:九寸判 それにしても長丁場だった。 もはや宝生寺ロス…脳内では、もの寂しさ漂うエンドロールが流…

“ゴルフの女神”と“瓦の神様”…

昨日はお世話になっている工務店の40年続く伝統のコンペ! お盆以来のゴルフ…また人様のパターばかり作り、一才触っていなかった伝家の宝刀「瓦パター」を引っさげ参戦。 瓦しか頭にない男はパターまで瓦なのだ(笑) ただ、まさかの練習グリーンで瓦パターの…

硬い瓦で描く柔らかい線…

宝生寺 唐破風の瓦葺きも完成! 反り熨斗の目地積みで描く棟のラインと、袖丸の生命力ある曲線の躍動が美しい。 棟の端は今回伸ばさず、400角で焼いた銀古美の甃(しきがわら)を加工して蓋をした。 唐破風自体が、小さいながら照り起りの連続する複雑な曲線で…

まずは出汁(素材)から…

淡路島ゲストハウス「みなとのみなと」 タイルマンになって“円坐maruza”でアートワークを楽しんだ、左右対称デザインが面白いゲストハウス…無事に竣工を終えて昨夜はプロジェクトチームで打上げ@徳島「よねはら」 すべては妥協のない出汁づくりから。 そして…

楽しい時間…

“木の屋根”を参考に“木瓦”検討… 年明けに、既存の草臥れた和瓦から「木瓦」へと屋根改修を着工する数寄屋風の美しい住宅。 主屋根の破風は、軒から棟に向かってバチになって開いているため、木瓦の出寸法を少しずつずらしながら斜めに刻み上がっていく仕上げ…

本当の意味での持続可能な価値…

宝生寺の隅木を雨から守るシンプルな“隅木蓋瓦”も無事に施工完了…目立たないが、しっかりと仕事をしてくれそうだ! たった四つのパーツでも、こうしてオリジナルの依頼に対して手作りで柔軟に対応出来る…建築におけるこの本当の意味で持続可能な価値、伝わる…

日本文化の粋…茶室建築

9月に「木瓦」で火入れ式をした松坂の茶室の瓦葺きが完工した! 解体前に建っていた元意匠を継承した寄棟造りに、棟は熨斗2段に素丸納めとした。 俯瞰すると木瓦の表情が焼き物らしく一枚一枚豊かな彩りで魅せ、陽光の移り変わりで繊細に陰影の変化を遊ぶ姿…

伝統的瓦づくり=最先端テクノロジー

沖縄赤瓦projectの滴水型 軒平瓦は手作り! まずは原型づくりから石膏型に起こす。 あとは伝統的瓦づくり…とはいえ、現代でも役物によっては日々当たり前のようにある作業風景だが、これをとりあえず360枚製作する…途方もなく手間のかかる仕事だ! 超アナロ…

自然に調和する家

山梨 北杜市で、雑木に囲まれ “ぽつん”と建つ築47年の空き家を店舗併用住宅としてリノベーションした素敵な建築。 アンティークな質感の“銀古美”を素朴でシンプルな仕様で仕上げ、新しくも懐かしい雰囲気を纏う。 屋根のシルエットは片流れ同士で重なるガル…

客殿の“顔”の出番です!

淡路島 宝生寺では谷瓦が無事に納まりました! 先輩葺き師たちの大奮(粉)戦により、何事もなかったかのように自然に仕上がった。 この中に1mもある長物が葺かれているとは思わないだろう(笑) さあ、クライマックスの唐破風 棟積み開始! 今回の仕様は、唐破…

カワラノカタチ=カワラヌカタチ

昨日の設計者との相談から瓦土塀考察。 瓦は葺くと屋根になるが、その千種類以上あるパーツの一つ一つが”雨を受け流す“という機能を果たすべく成立した必然のカタチ。 用の美を纏うからこそ、カット断面のデザインは普遍的で美しい。 デザインを形状に委ねる…

隅木蓋瓦

今日の銀古美の窯出しで出たカマボコのような瓦。 サイズは265×165㎜で、厚みは最厚部で35㎜。分厚いので芯まで火が通るように裏には適所に孔を設けた。 宝生寺の隅木を雨から守るシンプルな“隅木蓋瓦”だ。 大極殿はじめ古来から寺院建築では、装飾的なもの…

朱の世界…

昨日から工場内が“朱い”! 暖色があれば気のせいか寒さもマシに感じる。 そんな“気のせい”な熱気を感じながらひたすら梱包だ(笑) 沖縄プロジェクトも建て方の準備が進む。 沖縄の風景にこの赤瓦で“熱”を届けたい。 沖縄の風景が昔のように赤瓦で埋め尽くされ…

丸亀城 延寿閣別館改修工事

“銀古美”の瓦葺きも大詰め…立鼓(りゅうご)紋入り復元鬼瓦も無事に再登板できた! 熨斗積みは陸棟6段、隅棟4段…肘(ひじ)棟のコーナリングもとても綺麗に仕上がり、棟の線が清々しく伸びやかだ! 歴史ある古建築が“城泊”へ向けてお色直し間近…日本一の石垣の高…

新しき良き風景づくり…

淡路島の農園付き住宅プロジェクトで、5棟の愛らしい方形屋根が風景を創りはじめた。 建築家 阿曽さんの仕事。 4面それぞれ勾配が異なる方形プランに、銀古美の仕様は至ってシンプル。 軒先ガルバリウムの上に桟瓦のみで葺きさらし、隅棟は7寸素丸を一本伏せ…

未来へのバトンタッチ!

大阪 霊仙寺庫裡 玄関屋根改修工事が完工! 80枚判の小瓦本葺きで、軒巴と掛け巴は元意匠の紋を復元して製作。 箕甲の短い破風であっても、掛け巴の紋角度を①〜⑤まで一本一本きっちりと別注製作…目利きが見たら笑われないような仕事が大切だ! この小さな“こ…

銀古美の質感はぜひ肉眼で見てほしい(^^)

香川 天竜杉の合掌づくり… 4,000枚の銀古美が大迫力の甍を描く。 それを抱いてびくともせず涼しげに建つ手刻みの剛健な木組みが美しい。 屋根勾配は45° 作り手としては瓦がよく見えるのが嬉しい^^ “銀古美”は燦々と陽光を受けても反射することなく素朴な質感…

曲線の生命力…

昨日の大雨で屋根面が洗われてスッキリ! 宝生寺 唐破風の箕甲瓦葺きが佳境… 垂れの長さ3寸/5寸/7寸の袖丸をひたすら削り合わせながら、一枚の長さ8寸ずつを一歩一歩地道に登っていき、ようやく頂上で左右の袖丸が出会う。 2列の袖丸は、まるで2匹の極太大…

日本風景の必需品

あっという間の一年!? 思えばよくここまでチャレンジさせていただいたものです。 「福山の家」 銀古美“木瓦”葺きの端正な入母屋建築 薄い木瓦の織り重なりが描き出す軒先や破風のシャープなエッジが美しい。 地球由来の素材のチカラと手仕事のチカラで創る…

うみんちゅ×しまんちゅ

沖縄からのゲストとの会食@淡路島さと味 まずは天然の鯛とカワハギの刺身から… ヒレも動くし、身も踊る! カワハギの肝は超絶品の味!! さすが海に囲まれた沖縄人でも、この淡路島の獲れたて海の幸の美味さに心踊る♪ それを見てホストのこちらも嬉しさで血…

赤瓦考…

今日は沖縄からのゲストを迎え、あるプロジェクトのための打合せ。 淡路島の土は鉄分含有量が多いので、素焼きすればどこの産地よりも綺麗な赤になり、また温度を上げるほど濃い赤となる。 試しに焼いたこの赤瓦で平瓦が7〜8%、素丸が4〜5%の吸水率。 一昨年…

千里の道も八寸から…

宝生寺の唐破風も、神輿のような照り起りの地葺きがようやく終わった! 箕甲の頂部には角度を合わせた“くの字”の一体平瓦で蓋をして袖丸葺き開始! 3寸/5寸/7寸と3種類用意した袖丸瓦を、一枚一枚何度も合端(削り合わせ)を繰り返し、一枚一枚=8寸ずつ登っ…

また次の100年へとバトンを渡す仕事…

週明け一発目のミッションは、大正浪漫を感じさせる100年建築の屋根改修計画のため実測。 *木製建具はどうしてこんなに愛らしいのだろう(^^) 桟瓦は蝋燭桟(山の形状が現在の和瓦と違ってロウソクのような形状)。 棟には雲型の輪違い…これは粋なデザインだ!…

ヒトの ヒトによる ヒトとヒト以外の全てのための…

宝生寺の現場では、壁土をはじめ130年前の元の本堂に使われていた材が各所で再利用されている。 いま瓦を葺いている唐破風にも、あちこち宮大工達の手により130年前の木と新しい木が継がれており、持続可能な素材と技術であることをまさしく証明する。 “持続…

譲れないディテール・

今日の窯出しで焼きあがった大きな棟冠瓦。 今年度も順に改修工事が始まっている、島全体が重要伝統的建造物群保存地区である徳島県 出羽島の物件用瓦だ。 伝統意匠として島の集落ほぼすべての屋根に乗るこの独特の“七寸角桟冠”はすべて手作り製作…既製品で…

脳内妄想…

文化の日には、“文化”を残すべく岡山で美しい日本建築の屋根にのぼって実測しています(^^) 平屋 瓦葺き 数寄屋風の美しい住宅 「木瓦」での改修の可能性を探ります。 ちょうど先日「桂離宮」を拝観したところ…軒先、ケラバなどディテールのシミュレーション…

200歳の現役!!

和歌山から200歳の風格ある鬼瓦を預かった! 土を焼いただけのそれは、幾時代をも越えて風雪に耐え、まるで土に還ろうとするかのように古美る。 これを修復・最焼成して再び屋根へと再登板してもらう…200歳の年寄りには酷なようだが、焼き直しすると現役バリ…

[ 静岡の家 ]

*竣工写真を頂きHP施工例に追加しました。 ▶︎ http://www.daieibrand.com/products/ginfurubi/ 軒先で際立つ和瓦の伝統的シルエットが、確かに長く続いてきた素材とデザインの象徴として、この建築の安定感とサステナビリティを担保する。 光の変化で多様な…