未来考房/瓦人 ~gajin~

和瓦とその未来を創る淡路島の瓦師ブログ

2021-11-01から1ヶ月間の記事一覧

project 【 常若-tokowaka- 】

鎌倉プロジェクト2棟目[大洋堂]の瓦葺きが始まった! 上品な古彩色に焼きあがったアメリカ人オーナー家の紋章入り経ノ巻や、箕甲の尺二寸掛瓦など…みんな出番待ちでうずうずしています(^^) 3月の“火入れ式”(▶︎ https://gajin.hatenablog.com/entry/2021/03…

大阪南船場「だし処 船場山本」

“銀古美”400角甃(しきがわら)を敷き詰めた空間が完成。 手作りの一枚一枚には最早寂び感が滲み出し、“古美る”素材である瓦の本領で魅せる。 ハタノワタルさんによる壁や天井の和紙も生命力溢れる美しさだ! 試作に半年を要した手作りの400角…おかげで窯元と…

monokawara −wall clock−

時計であって時を忘れる…そんなゆるやかな時間を演出してくれるシンプルなmonokawara。 これから続く“銀古美”という瓦の屋根・壁・土間のいろんなプロジェクトのおかげで、夏まで?しばらく息つく間なし…少しの間、時よ止まれと瓦時計の針を戻す日曜日(笑) #…

sample−up!

某文化財建築の神社…“蛇の目”軒瓦の復元に、3種の“中彫り”剣柄をサンプルアップ。 昔の屋根は、その時々でいろんな改修がされており紋様等が非統一なのも常。 大らかな時代背景を偲ばせる微笑ましいものだが、せっかくの令和の改修ではビシッと揃えたいもの…

島じかん…

今日は朝一から瀬戸内の小さな島へ船旅…東京から来られる建築家と現地で待合せしてプロジェクトの現調。 鄙びたこのアートの島では、時の流れがゆっくりとした“島じかん”。 [ 島じかん ] 石積みの港 反対読みの「こ ば た」 石と瓦のミルフィーユ塀 小屋裏…

アイデア募集中!!

毎日が銀古美の窯出し… 【 甃 −shikigawara− 】 かれこれ1年近く大判400角の甃を焼き続けていると、この“四半”のサイズがミニチュアに思えてくる(笑) ただ、小さくとも本格派!! “尺角”と“半”とともに3sizeでイマジネーションを具現化する。 直感で思いつい…

鳶が鷹を生む…

今日の熱々の窯出しから… ”銀古美“の手作り鳶(とんび)! 昔から“とんび”という役瓦名のごとく、まさにとんびが羽をひろげた様が微笑ましい。 設計者の自邸で方形プランの屋根…桟瓦だけで軒をまわるシンプルな輪郭を描くのに、この隅先のとんびの尖りかたが重…

「山もみじ 谷を彩り 華筏」

京都大原 勝林院プロジェクト “銀古美”の瓦葺きが完工…大雨と強風のおかげで紅葉が降り積もり、“出来立て感”を愛でる間もなく一気に千年の世界観に引き込まれたようだ。 山の紅葉が谷へ舞い落ち、風流に川を流れる様をまさしく体現する…山あり谷ありの瓦屋根…

温故知新の持続をこそ…

煉瓦造りの建築に瓦屋根がとても粋だ! 今日はこちらで「ガイソー淡路島店」さんによる屋根リフォームセミナーで登壇。 地の土で瓦をつくり、屋根をつくり、風景をつくり、その屋並みのもとに広がる豊かな人の繋がりをつくり…そんなとても永く持続してきた、…

酒は飲んでも飲まれるな(笑)

昨日はお世話になっている工務店ゴルフコンペ…なんと第125回を数える歴史あるコンペ!! 忙しくてもう年に2〜3ラウンドしかしなくなっていますが、伝家の宝刀“瓦パター”の出番でした(^^) 順位はとくに華もなく(笑)…ただドラコンだけはちゃっかり頂きました!…

“重い”よりも“美しい”、“高い”よりも“ありがたい”

香川から建築士チームがお越しになり、“瓦というモノとコト”を学ぶ一日! 製造風景から素材の原点、銀古美仕様の“淡路島の家”の見学。 素材や作り手の想いなどに五感で触れていただくと、瓦は“重い”よりも“美しい”、“高い”よりも“ありがたい”ものだとよく感…

薪で焼く!?

瓦焼成燃料のガス価格が史上例を見ないほど高騰している!(*左右の縦軸数値は非公開) 公表CP価格推移データから、この20年のスパンで見ると3倍近くにもなり、もはや毎月の⤴︎⤵︎に一喜一憂する次元ではないほどの高値が長く続くなか、今年は異常だ! ひたむき…

遠慮の美学…

京都大原 勝林院プロジェクト… 樹齢100歳のもみじの木には、築0歳の建築は敬意を込めて“遠慮”する(^^) なんでもかんでも人間の都合で山々の木々を伐採する残酷な建築行為とは次元の違う優しい仕事。 おかげで割付けと納まりは至難の業^^; でも瓦師も葺き師も…

winkが決め手…(笑)

「木瓦」のStudyで、天然スレート葺き八角堂と向き合う。 色彩と素材感はさすが“天然”を冠するだけはあり、人工的な新建材とは一線を画する雰囲気を纏う。 木瓦はこれほど大判ではなく、もっと小割り感があって小気味良さで魅せる。 瓦は土を焼いただけの同…

世界遺産『首里城跡』

失ったものは、人の手と想いでまた再建できる…多くのボランティアが焼け残った赤瓦の漆喰剥がしに精を出す姿に感銘を受けた。 この背景に描かれるたくさんの物語すべてをもって世界遺産だ! 最終、ひめゆりの塔を訪れ沖縄をあとにする。 それにしても昨夜の…

ふるさとは 近くにありて 想うもの…

琉球赤瓦漆喰施工組合様にお声がけいただき那覇へ! 首里城再建もしかり、沖縄の風土と風景、伝統と文化の継承と再生に向けて、僕が“瓦というモノとコト”についてこの20年込めた哲学や想い、取組みを紹介させていただいた。 持続してきたもの、壊されたもの…

身長が縮みました(笑)

京都大原 勝林院…本日4時出発でトラック二台で参上し、想像を絶する石段昇降任務により、屋根の銀古美2,200枚、土間の甃(しきがわら)700枚を人海戦術…すべて手提げで運びあげ、おそらく腕が伸び、身長は縮み、足はパンパン、腰は崩壊しつつ、17時前まで丸一…

『屋根』とは何か?

第35回 ArchiCafe 今宵のテーマは『屋根』 建築家達を中心にした多様なメンバーで、絶対的な正解を求めず自由議論することを醍醐味にする集まりにおいて、瓦しか知らない者が、瓦でしか導き出せない解を潔くぶつける。 その小さくて狭い視野から、しかしだか…

お色直し完了!!

200年以上前、江戸時代に建てられた観音堂の改修工事で預かった4体の古代鬼面の焼き直しが無事に仕上がった! 思った以上に綺麗ないぶし銀となり、幾時代をも見つめてきた眼差しに再び生命力が宿ったようだ。 re-firing*reborn…再焼成による再生。 改めて絶…

【今日の全島広告に入っています!】

ガイソー淡路島店さんによる屋根リフォームセミナーが11/21(日)に開催! 2部構成の後半に登壇させていただきます。 地元の土で瓦をつくり、屋根をつくり、風景をつくり、その屋並みのもとに広がる豊かな人の繋がりをつくり…そんなとても永く持続してきた伝統…

蝋燭(ろうそく)桟瓦

あれ!mickey mouseのシルエット!? 逆さを元に戻すと州浜紋ですね(笑) 文化財建築の瓦復元…一般的なアールの桟瓦と比べてまったく違う曲線を描く独特の和瓦は、その形状から“蝋燭”桟瓦と呼ぶ。 この桟瓦(地瓦)というものの復元がなにげに一番難しい! 行儀…

with only one part…

たった一つの瓦が表現するデザインは、空間に流行を超越した重厚で普遍的な魅力を創る! (*写真は中国のホテル) “雨を受け流す”ため必然として成った用の美を纏う瓦の形状は千種類以上…世界のデザインにインスピレーションを得て、まだまだいろんな“瓦”を表…

産みの苦しみが、産声の嬉しさ…

今日の“銀古美”の窯出しから… まだまだ焼いています、手作り400角甃(しきがわら)! 寸法と捻れの選別のあと、今回プロジェクトの依頼によりオリーブオイル塗布。 せっかくなのでエキストラバージン(笑) 焼きたての銀古美特有“寂び感”ある景色も美しいが、塗…

Pizzeria e Trattoria まるみ食堂

㈱カスコ 柏原さんと瓦タイル「soil」をもっとバズらせる打合せ!(笑) 初日、お互い自然体でイイ撮影ができました! ランチは地元 漁師町の丸山にオープンしたPizzeria e Trattoria まるみ食堂へ…イタリアナポリから取り寄せた薪窯で焼くピッツァは本場の本…

想像を創造する!!

今月上棟の広島の家…廻り隅用の特注手作り“トンビ”がカタチになってきた! このパーツ、けっこう人気です(^^) 成型したての桟瓦2枚を接合…葺き勾配と左右それぞれの瓦との兼ね合い等、考えれば考えるほど難しく、また屋根勾配によっても尖りかたの見え方が違…

最適化されたもの…

20年、30年と万十軒瓦の玉の部分を磨き続けると、道具がより道具らしい姿になる。 人の手により最適化されたデザインは、ドアの取っ手としても最適であり、用の美を纏いもはや神聖ささえ感じる! *Gallery土坐のドアにはオカンが30年以上握っていた“こて”を…

あんだ袖?

今日の仕事から…あんだ袖?/安田袖? 現場からの指示で、鉄分や塩分など“アク”を出にくくしたり、当面のいぶし銀の突飛な変色を防ぐためシリコーン系の撥水剤を塗布し乾燥中! “あんだ袖”は伊勢地方特有の袖瓦で、桟瓦の7cm程度内側に垂れが付いた意匠。 正…

火入れ式 − 絆 −

今日ははるばる茨城県からご家族を迎えて住宅新築のための火入れ式。 家づくりに込める想いは「絆」…小学生の娘さんによるとても素直で伸びやかに表されたその想い(書)を窯へと差し伸べる。 家族みんなで指を押し、名を刻まれた記念瓦も微笑ましいです(^^) …