未来考房/瓦人 ~gajin~

和瓦とその未来を創る淡路島の瓦師ブログ

2021-06-01から1ヶ月間の記事一覧

建築家のたまご達に期待します…

名城大学 建築学科の学生達が淡路島へ来られ、瓦講義や原土採掘場見学をした時の記事が、日本屋根経済新聞に掲載され、その後の学生たちの感想が紹介されています。 ▶︎ 画像を拡大してぜひ読んで欲しい!! たった一人の瓦師の“想い”と“言葉”が、これほどま…

銀古美 甃 −shikigawara−

今日の銀古美の窯出しから… 【 銀古美 甃 −shikigawara− 】 “尺角”をベースに、“半”と“四半”のバリエーションを増やします! ただいま鋭意製造中、そしてweb pageも準備中…いろんなレイアウトパターンを遊んでみてください(^^) − design concept − square × …

古美の家…

火入れ式「縁」に始まる熊本 阿蘇の家。 (火入れ式の様子▶︎ http://gajin.hatenablog.com/entry/2021/03/20/162046 ) “古美”紋入り軒瓦に、袖の垂れが15㎜内に付き綺麗な陰影を生む“中付け袖”仕様…瓦葺きグランプリの全国チャンピオンたち九州の手練れ葺き師…

瓦で幸せのお手伝い…

少しずつ、少しずつ…世の中が穏やかさを取り戻し、100角窯変瓦タイル敷きの島の教会「しまおと」ではウェディングが続きます^^ 結婚証明書の瓦プレートも続々と…おかげさまで、陰ながら“瓦で幸せのお手伝い”が出来ています! 瓦で誓うkawaraぬ愛…それは瓦の…

身近な“有識者”たち…

住宅への太陽光発電設置義務化の賛否議論をよく見聞きするが、この国で1,400年続く「瓦」と「風景」をつくるものとして、数値目標の達成が鋭角に目的化し、視野が狭くなることにおいて、かけがえのない大切なものを失うリスクを秘めていることも知って欲しい…

平凡社 別冊太陽「日本の住宅100年」

日本の住宅の始まりから、歴史と時代背景に翻弄されつつ変遷の節目に生まれる名建築が、時系列に詳しく紹介されています。 特別取材/住宅建築の伝統と持続可能性を巡って 〜建築家・堀部安嗣 構想と実行〜 この記事の中で恐縮にもご紹介いただいております…

“玄人好み”こそ本物!!

“銀古美”の窯出しから…先日火入れ式をさせていただいたプロジェクトの鎌軒瓦! 【 火入れ式の様子▶︎ https://gajin.hatenablog.com/entry/2021/06/12/135007 】 僕ら瓦師や瓦葺き師たち業界人がもっとも好きな軒瓦の一つであり、和瓦の原点的役物なので本質…

“美味しさ”の素(もと)

小さな淡路島にあるこの雄大な土景は瓦の原土採掘場! 人間はアリのようにちっぽけだと思い知る(^^) 最近、設計者からよく土について質問を受ける。 鉄分×還元 or 酸化が生みだす青灰、緑灰、褐色、黄褐色…キレイな土色のグラデーションは大地の恵みである“…

瓦業界は元気です!!(^^)

本日の読売新聞にサラッと紹介いただいています(^^) 「関西Bizパーソン」 あちこちから「記事を見たよー!」って連絡をいただいたので近畿全県版かな? なんにせよ、伝統の「瓦」でこうしたポジティブな話題を世の中に提供できるよう、まだまだ精進していこ…

和瓦の本領!!

今朝は和歌山から…風致地区の文化財建築改修プロジェクト。 ほとんどの平瓦は古彩色の“銀古美”で新しくし、元の瓦も選別・再使用しつつ、古建築の赴きが継承されつつある! 新しきは古きを助け、古きは新しきを教え諭し、新古の瓦が織りまざる様が微笑ましく…

“Antonio Gaudí y Cornet” respect!!

瓦は土を焼いただけ…もったいないから余すことなく使い切ろうー!! 焼きねじれ、亀裂が入り廃棄する瓦は、砕いてモザイクデザインを遊ぼう! 自由にレイアウトしておき、仕上げにワイヤーブラシで搔き落とす…瓦を砕いてガウディのようにデザインしたい方は…

瓦の島の風景がぎゅっと詰まっています(^^)

sea glass…価値なきものに価値を見出し、砂浜を夢中になって探しては大切に集めていた、子供たちにとっては小さくとも宝物のような存在。 “瓦の島”である淡路島の海岸には、その歴史を物語る無数の瓦が打ちあがる。 そのなかに光るブルーのシーグラスを小さ…

“しとしと”…無音を擬態有音で表現する美しい大和言葉

特注製作の大きな瓦製いぶし銀ボール! 磁器とは違う柔らかい瓦の質感は、ぴちゃぴちゃと弾くことなく、瓦屋根に降る雨音を“しとしと…”と風流に表現するように流水を静かに受け止め流す…まさしく瓦の本領を発揮する素敵なmonokawara。 焼き歪みによる”ゆるい…

「Azumi Setoda」

明治初期1876年に建てられた建築が受け継がれ誕生した尾道のホテル。 この歴史ある木造棟改修に、宿泊棟、温泉棟など複数の新築棟を、総枚数70,000枚もの“銀古美”が包み、鄙びた島の風景にとけ込む。 ちょうどコロナが騒がれ出した一昨年の正月明けから、緊…

Do our best!!

徳島の神社で朝から大雨の現場打合せ…重症です(汗) とりあえず瓦割りと座繰り用の瓦を一式届けて、大工、葺き師達と施工方法の検討! どう見ても重症につき、遅かれ早かれ全面改修が必要だが、今回一部葺き替えなので既存との兼ね合いが難しく、また直しだす…

平瓦の本領…

久しぶりに訪れた淡路島の家 土塀改修現場…50年にわたり塗り固められていたモルタルが丁寧にハツられ、元の石積み意匠があらわに! 絵に描いたような昔景にデジャヴを感じ郷愁に駆られるのは、自分も“昭和の人間”の証しだ(^^) 棟素丸以外、熨斗まですべて“本…

伝統的デザインへの挑戦…

雲と波の立体感美しく、陰影の深い影盛鬼が無事に無傷で窯出し!! 煤を払う前だが、金属的なまでに綺麗ないぶし銀が存在感を抑えきれず窯場で煌めこうとする。 川越の伝統的蔵建築の鬼瓦をモチーフにした影盛デザイン…組棟が美しい山門に威風堂々と据わる姿…

break time…

木と土と竹と草と石と瓦と漆喰…「築」 昔のほうが建築は生命力があり美しかった! ーーーーーーーー #vernacular #バナキュラー #ヴァナキュラー建築 #風土 #土着 #伝統建築 #本当の持続可能性 #本当のサステナブル #本当の低炭素 #本当の脱炭素 #本当のカー…

火入れ式 − 玄 −

香川の家…ご夫婦ともに建築士ご家族による厳粛かつ微笑ましい火入れ式。 建築士が自邸に瓦屋根を選んでいただくことは実はとても嬉しいことだ(^^) 大自然の恵みである土をほんの少しいただき、それを瓦とすることで、生涯の暮らしの安心を守り、風景を守り、…

鬼コーチの見張り付き現場(笑)

淡路島の歴史ある寺…300年以上前の鬼瓦が降ろされ境内に鎮座する。 これが乗せられていた建物が解体され、今月新しく小さな地蔵堂が建つ。 各地から届けられた大小様々な地蔵に仏像…住職によると、なかにはとても由緒ある像もあり、それらを収蔵する建物にな…

瓦が軽い軽いっ♪

淡路島の家…葺き替え工事の地葺き完了! いぶし銀の煌めきもあって、屋根からの見晴らしはなんとも美しい日本風景だ(^^) この風景を継承するため、実は2,000枚超の瓦の運び込みには20m以上の一輪車運搬だったことは、一切日の目を見ない影の苦労だ(汗) 瓦師…

kawara-washbowl ~silver*white*blue~

いぶし銀、白釉、青緑釉…今回は「長方形」の手洗いボールが3色それぞれ焼きあがった! どれもまったく同じ土から生まれるプロダクト…焼きものが創る色彩はとても深く豊かだ。 “土”と共にある暮らし…瓦は屋根から降りても素敵な素材だと思う(^^) ーーーーーー…

【艱難汝を玉にす=逆境は人を賢明にする】

徳島の設計チームと数件の現調…永年風雪に耐え、歴史と物語をひっそりと伝え続ける旧家は町並みにあって本当に存在感があり惹かれる。 成長期に乱立した個性なき住宅ではこうはいかない! そのおかげで“壊すも難し、残すも難し“。 それにしても錣(しころ)に…

original sign −笑鬼−

“銀古美”特有のビンテージな焼き色が綺麗な笑鬼表札が焼きあがりました! “笑う角には福来たる“…100年経ったような風格ある銀古美の質感に導かれ、この先100年と続く御発展を祈念してお届けします(^^) *size : H100mm × W250mm ーーーーーーーー #表札 #手…

神戸市立博物館にて…

ひと昔前の神戸はすべて瓦屋根。 現代のような多様で雑多で無秩序な選択肢がなかった方が皮肉にも美しい! 現代の風景でこれに勝てるのは、雑色と雑音の消えた夜景だけか…(笑) ほんの数十年で失ったものは計り知れないが、僕らはせめてこの”瓦屋根“だけは創…

素材に還ろう!!

今朝の窯場での仕事から… 昨日火入れした“銀古美”の窯は、およそ丸一日の焼成後に還元作業に入る。 この時、煙道から炎が勢いよく踊り出る! 炉内では火が縦横無尽に暴れまわり、瓦一枚一枚に働きかけることで、均一・均質な工業製品ではなく、ビンテージな…

mission “possible”!!

焼成温度の高い“銀古美”の窯で、奇跡としか言いようのないほど寸法も行儀も精度良く焼きあがった、超繊細シルエットの大判一枚板瓦! 【 size(㎜) :1,200×500×15 】 実はどこに使われたかというと… 海まで徒歩5秒。穏やかな瀬戸内の海を堪能できる絶景オー…

出番待ちがいっぱい!!

香川の神社…無事に上棟しました! 瓦割りや納まりの確認で久しぶりに再訪。 再利用された風格ある古材が新材と支え合う姿が微笑ましい(^^) 解体時に預かり、再焼成も済ませ100年越しにいぶし銀に甦った棟の水板瓦も出番待ち、氏子の皆様が名入れされた寄進瓦…

【 ライスワーク ≦ ライフワーク 】

香川の家、納家改修工事…“銀古美”の瓦葺きが完工! 葺き師が狙った通り、いぶし銀とは一味違うマットな質感で、昔からあった小屋のように飾らず気取らず素っ気なく仕上がった。 棟は手作り甍覆の暴れた行儀を見事に選別&合端…絶妙のチリと反りが生むリズムが…

Zero Waste…なにもない所に最先端がある

2003年に町から出るゴミをゼロにするという「ゼロ・ウェイスト宣言」を発表した徳島 上勝町での葺き替え工事が始まった! 上勝といえば中村拓志氏&NAP建築設計事務所によるゼロ・ウェイストセンター「WHY」とゼロ・ウェイストアクションホテル「HOTEL WHY」…