未来考房/瓦人 ~gajin~

和瓦とその未来を創る淡路島の瓦師ブログ

2022-07-01から1ヶ月間の記事一覧

かわらのおはなし…

この猛暑の夏…設計者や建主はじめ、工場やギャラリーにお越しになるお客様等いろんな方から、瓦のメリットやポテンシャル等、改めて基本的なことを最近とくによく質問いただくので、同じような猛暑だった2018年の論考をrepost。 ーーーーーーーーーーーーー…

まずは小さな風景創りから…

釜飯の蓋を瓦屋根で作るのは瓦の島の流儀(笑) 威風堂々、銀古美でビンテージに焼きあがった一丁前の瓦屋根は釜飯の蓋!! よくある蒸気が木蓋を持ち上げ、湯気が溢れ吹き出す“釜飯あるある”な問題を最小限にとどめ、どっしり構えて密閉度高く飯を炊きあげ、…

日本風景の必需品…

福山の家 “MMプロジェクト”…端正で美しい入母屋建築の“木瓦”葺きが完工! 極限に薄い“木瓦”が描き出す、軒先や破風のシャープなエッジが美しい。 この輪郭のシャープさは、ガルバリウムやスレートにも負けてないんじゃないか?^^ “銀古美”の焼成術が引き出す…

左官ワークショップのご案内@淡路島project

保存活動が始まってから約6年を迎えた、南あわじ市賀集立川瀬に残る旧加藤邸。 現存する淡路島内の随一の大きさをもつこのプロジェクトでは、これまで様々な協議を重ねてやっと母屋の保存再利用計画の工事に着手となりました。 まずは解体からとなりますが…

monokawara 「はじめの一歩」

誕生記念の手足型瓦…今回の依頼は手と足の組合せ! この子は、もう一丁前に足の土踏まずもある! きっと走るの早くなるぞ〜(^^) 手も“ぷにっぷに”…母指球がふっくらしてるので、さり気なく立体感を出してあげました! っと、こんな風に親御さんの気持ちにシ…

afterになってこそ…

山あいの静かな土地で、いぶし銀「かわら美人」の瓦葺きが進む。 “before”を見ると…どこがどう古いの? なんなら、まだ築数年の新しい家じゃない? って感じですが、スレート系屋根材が残念ながら塗装ハゲハゲのパリパリになってしまって始末が悪い! 焼き物…

break time…美味しく楽しい瓦レシピ

丸い瓦の可能性/壁面へのアートワーク 丸い瓦の可能性/テーブルウェア…料理が映える(笑) その他、いろんな瓦レシピのアイデアをお待ちしています(^^) ーーーーーーーーーー 【壁面art work】 prj:RIVER SEA/川添純一郎建築設計事務所 https://www.kawazo…

「木瓦」は楽しい!!

今日は壁屋さんです(笑) 壁面に木瓦を葺く仕事…木瓦、楽しすぎる(^^) 45㎜の桟木の幅を最大限に使って葺き足をランダムに遊ぶ…楽しすぎる!! 正解のない仕事…楽しすぎる(←しつこい 笑) 今回、出隅は切り合わせ仕舞い…ディテールを確認したい方はぜひ見学に…

単弁八葉蓮華文

種蒔太師 東林院 弥勒堂新築プロジェクト… 八葉の蓮華紋に三股の杵をあしらった瓦頭デザインの金型が出来あがり、軒巴の製造開始。 これが数珠が小さいため予想外に難しい^^; 土の粘度と硬さ、プレス圧のムラ、土の動き、油の量…いろいろな要因により数珠が…

kawara putter project

またまたオーダー…今回はtypeいぶし銀! 鬼瓦ヘッド裏面にはネームを彫り、ヘッドカバーはエナメル調のホワイトをセット。 真紅のボックスに入れてお届けします(^^) かれこれ170本以上製作してきた瓦パター…もはやヘタなゴルフショップより売れてるんじゃな…

折り重なる屋並みと折り重なる人々の繋がり…

4月に火入れ式をさせていただいた尾道の神社改修プロジェクト…総代皆で名入れした記念瓦も正面真中あたりに葺かれ、無事に神楽殿が完成! 続いて社務所を瓦葺き中…それにしても高台絶壁にある現場のために設置された足場がもはや芸術だ(笑) 見晴らす風景は瓦…

時々、瓦再考…

今朝6時…“銀古美”の焼成温度が1,000℃を超える。 通常、淡路瓦の平均焼成温度はパーツによるが約980〜1,000℃。 鉄分含有量の多い淡路土はこれが焼き締まる適温。硬い柔らかいではなく、その土なりに十分に焼かれ、調湿と断熱効果を生む多孔質な組成を形成し、…

not 経年劣化 but 経年美化!

今日の“銀古美”の窯出しから…本葺き瓦いろいろ! 唐草、平瓦、素丸、軒巴…と、いぶし銀とは違い、一枚一枚にグラデーションのある綺麗な表情は、まさしく焼きものである瓦本来の魅力の本質だと思う。 以前訪れた奈良 元興寺の屋根に葺かれた日本最古1,400年…

「みえ木造塾」のご案内

恐縮にもお声がけいただき、このたび“瓦というモノとコト”をお話しさせていただきます。 【第3回】8月6日(土)13:30~「ふるさとは近くにありて想うもの」~瓦の未来創り・モノづくりからコトづくりへ~講師:道上 大輔 /大栄窯業㈱ 時代遅れの無用の長物のよ…

『Awaji Kids Garden 』

英語を学びながら淡路瓦で遊ぼう! 瓦の土に触れ、伝統に触れ、文化に触れ…今回もキッズ達によるのびのびとした手の跡が完成しました!! そのほか“葉っぱ”が超たくさん(笑) モチーフは手もと足もとにあるもの…大自然のなかで遊んだのが目に浮かびます(^^) …

新しくも懐かしい…

豊島プロジェクトは店舗屋根に続き主屋の瓦葺きも佳境…緩やかな“島じかん”に敬意を込め、“風景”と“物語”と“じかん”を分断することのない素朴で慎ましい仕上げを目指す。 そんな時はこのビンテージで寂び感ある“銀古美”がイイ仕事をしてくれる! 一枚一枚葺か…

淡路島の家…決起集会!

明治18年築の威厳、そしてこの地に移築され109年の風雪に耐えた風格…淡路島の宝物たる名建築の大改修プロジェクト決起集会! 住職による懇ろなる御読経のもと、プロジェクトチーム皆で手を合わせ、心を合わせた。 改修に新築にと、これから2年近くかけて屋敷…

monokawara −瓦小皿−

とても人気の素朴な小皿…朝から小さな手仕事です。 同級生の幼馴染マユちゃんが営む淡路島の超人気ショップ「こぞら荘」さんで大好評とのこと…嬉しい連絡を受けてせっせと仕込んでいます(^^) 瓦粘土を薄くスライスし、焼きあがり8㎝角を目指して9㎝角の型板…

天平の風景を再び…

奈良時代、天平13年(741年)ごろ創建。 その後、兵火による焼失を経て江戸時代中期に再建され、このたび令和の大改修を終えた阿波 国分寺…重森三玲も絶賛した見事な石庭とともに、およそ200年ぶりに創建当時の風景を変わりなく継承することが出来た! 向拝唐…

瓦の島の流儀!!

昨夕は自宅庭でBBQ…当たり前のように「瓦」で焼くのが淡路島流(^^) 焼きねじれて廃棄する瓦をいつも有効利用するが、今回は銀古美…これがクラックひとつ入らず割れもせず最後まで健気に、そして絵的にも晩餐を支えた(笑) まぁ、騙されたと思って一度お試しあ…

神戸北野にて瓦再考−repost−

和洋折衷…それは洋“風”でもなく、和“風”でもなく、物語ある本物の洋と和の共演。 下手な迎合やイミテーションではなく、純然たる和と洋のコラボレーションだからこの素敵な佇まいで魅せる! ほんの100年前までは、この模型のようにすべて瓦屋根の風景が広が…

瓦の本領…

特注製作の手洗いボールが焼きあがった! 透き通るようないぶし銀が上品だ。 磁器とは違う柔らかい質感は、瓦屋根に降る雨音を“しとしと”と風流に表現するように、流水をぴちゃぴちゃと弾くことなく静かに受け止め流す。 手仕事が描き出す柔らかい輪郭は瓦の…

スロー建築のススメ…

神社新築工事…別注紋入り軒瓦がこの建築だけの物語を綴りだす! 向拝の掛け瓦も、拝殿箕甲の掛け巴も、そして本殿小瓦の軒瓦と掛け瓦も…すべて角度調整して製作した紋入り。 ファストファッション、ファストフード、ファストハウスの流れに押し流されること…

ディテール…建築の曲線美

今日の“銀古美”の窯出しから…通常厚み約27〜29㎜の熨斗(のし)瓦ではなく、厚み21㎜の薄熨斗(うすのし)。 そして仕上げは“中反り”…躍動感ある曲線に焼きあがった! こちら種蒔太師 東林院 弥勒堂新築プロジェクト用の瓦。 日本建築特有の流麗な曲線美「照り起…

attend…天然素材たち

月曜〜3日間、沖縄からのお客様をアテンド。 土、木、瓦、魚…すべて大自然の恵みで綴る。 淡路工舎さんの仕事場では、今秋に上棟予定の社寺建築用の木が刻まれていく。 300年先を見据えた仕事は見応えあり…なかでも11m一本ものの梁は圧巻! 日本の木と土でつ…

アメノミチ…

朝6時の工場…傘もさせないほどの豪雨。 そんな雨の日は、瓦の窯元だけあっていつも和瓦の“働く姿”を間近に見ることができる。 傘と地面周辺に打ちつける音を省くと、瓦は全く音をたてない。 「山」に降った雨が「谷」を流れる…風景にあって当たり前に描かれ…

monokawara「はじめの一歩」

またまたオーダーです! 今回は両手両足のフルコース(^^) 手の“ぷにぷに感”が可愛らしいですねー!! 足には皺が少ないかわりに、走るのが早くなるようにと土踏まずを彫ってあげました^^ パパ・ママの深い愛情をのせて…ほっこり瓦で幸せのお手伝いでした♪ “m…

木瓦 -kigawara- study…

現在相談を受けている木瓦の外壁施工における出隅検討… case①:切り合わせ case②:オリジナル出隅役物 case③:見切りを立ち上げ突き合わせ case④:その他アイデア募集中(笑) *ついでに木瓦の棟は、ラストの写真のようにリアルな“木”でも葺いてみたい(^^) #…

original sign − chocolat color −

珍しく窯変焼成のオーダーでした! 日々、いぶし銀や銀古美の質感を見慣れてるので、この焦げ茶なテイストが新鮮だ(^^) おまけに土の粒子がきめ細かく、本当に”しっとりショコラ“のような質感のおかげで美味しそうにも見えてしまう(笑) このソフトで優しい素…

【 天竜杉×銀古美 】

京都左京の家…アツサニマケズ(←やっぱりカタカナで書くと暑さを感じない 笑)、本日で銀古美の瓦葺きが完工! とにかくシャープなシルエットを目指した仕様は重々しさを全く感じさせない。 棟は熨斗2段を逆チリで積むオリジナルの“影積み”とし、鬼瓦を立てず…