未来考房/瓦人 ~gajin~

和瓦とその未来を創る淡路島の瓦師ブログ

2023-02-01から1ヶ月間の記事一覧

「あわじ瓦めし」

ここまで屋並みが揃うと風景どころか、もはや伝建地区だ(笑) この堅牢に焼きあがった蓋瓦に、横綱のまわしのように棕櫚(しゅろ)縄を結わえていく! 釜飯の蓋を瓦屋根で作るのは淡路島の流儀… 蒸気が木蓋を持ち上げ、湯気が溢れ吹き出す“釜飯あるある”な問題…

[ 安藤建築 × 瓦スツール ]

先日、徳島の設計事務所にて… 白銀比が美しい流麗な柱脚に、潔い一枚屋根。 コンクリートに気圧されず、孤高に佇むその姿はもはや一つの美しい建築だ! I designed this stool. The seat is made of roof tiles, and the legs are composed of only the same…

瓦葺き日本一決定戦!

来週、全国から瓦葺き職人の猛者が出場! 「全瓦連技能グランプリ2023群馬大会」 Gメッセ群馬で3月4日、5日に開催! 日本一の瓦葺き職人を決定する大会です。 今年は全国から選ばれた10名の選手が集結。 小さな屋根架台に2日間、合計6時間の中で正確さと仕上…

日本に昔からある美しきものたち…

建築の“トーン”って意識しますか? 色には色相・明度・彩度の3属性があるが、トーンとは明度と彩度を調合したもの。 東林院 弥勒堂で、内外3,000枚の甃(しきがわら)をようやく敷き終え、現場の片付けに来た。 “銀古美”の焼成術により瓦一枚一枚が藍墨、薄墨…

新しくも懐かしい風景づくり…

京都ホテルプロジェクトもようやく来週から瓦葺きが始まる! 現場搬入形態が直前まで決定しなかったので、今日は朝から12,000枚以上の“銀古美”をひたすら手詰め&手巻き(汗) 手厚く四方に真心段ボール…愛情込めてつくった瓦は、愛情込めて葺いてもらうために…

ふるさと 四番プロジェクト!!

ちょうど6年前に「故郷 四番プロジェクト]で全国から集まった高校生が大学生となり、本日卒業旅行で淡路島にカムバックしてくれました(^^) 「故郷 四番プロジェクト]とは、唱歌(校歌)として高校生自らが21世紀の日本や自身が住む地域社会の現状にあった歌…

真理にもとづく法則!?

内装壁面に瓦の円形タイル「円坐(まるざ)」の相談を受けています。 設計相談を受けて一番回答に困るのは㎡単価! デザインにより無限に幅があり、究極たった1枚のレイアウトでも正解だ(笑) 規格と仕様が窮屈で堅苦しく、木以外で“地球由来の素材”と縁遠くな…

島音坐−moon−

早朝に浮かんでいた細い月の光にインスピレーションを得て表現したシンプルな瓦コースターがテーブルシーンを上品に演出する。 デザインの源泉は常に自然にあり。 空、海、大地、風、草、木、土…淡路島では、いつも身近にある自然たちがキラキラと輝く。 そ…

最低ロットは一枚から…

海鼠(なまこ)壁用の甃(しきがわら)製作中… 文化財の蔵壁改修で、特注寸法の7寸8分角と出隅役物を手作り製作。 指示通り表裏に櫛目を引き「令和4年度修補」の刻印を押す。 これを古建築改修に見合うように、いぶし銀ではなく銀古美で焼き、永い年月をかけて大…

“瓦”に大いに忖度いただいた一日…(笑)

建築家 堀部さんを空港でピックアップし東林院へ… 堀部さんの目利きでは、銀古美の本瓦葺きはどのように映ったでしょう! 瓦葺きの多い堀部さんならば、機会があればぜひ本葺きに挑戦してもらいたいなー(^^) そのまま講演会…建築設計者で満員御礼のなか“瓦推…

世界に一つのプレミアム!!

− kawara putter project − 一本、また一本と…ここ淡路島から世界初の瓦パターが生まれています! 今回はいぶし銀が2本と、漆黒が1本。 黒釉は吸い込まれそうに深みがあり美しい! シャフトの長さもオーダーによりカスタム可能で、今回完成品のうち1本は女子…

銀古美の本領…

重伝建地区にある古建築改修プロジェクト。 古鬼瓦と鳥伏間、巴を預かり水洗い…ワイヤーブラシで苔、漆喰、土をせっせと落としていく。 蔭桔梗の紋がとても美しいな〜! それにしても昔の瓦であっても十分に堅牢…触っただけでよく焼きしめられているのが伝わ…

継続はチカラなり…

今日は滋賀から建築の“巧”の皆さんをお迎えして1時間の瓦講義〜工場見学〜土の採掘場と…瓦というモノとコトを伝える一日。 僕は田舎の小さな窯元の親方であり、決して講演家などではないので大した資料など作る暇もない。 だから相手が幼・小・中・高校生だ…

最先端デザインに学ぶ…

石垣塀の復元で、平瓦だけで“結(ゆい)”を表現して仕上げた「淡路島の家」で定例会議。 次の棟の改修計画には鬼瓦の復元製作が必要なので既存鬼の確認…先人のデザインはとても粋だ! 100年を経ても全く色褪せず、なんなら用の美を纏う普遍の意匠だとも思う。 …

勿体無いなぁ…

この時期FBのタイムラインでよく見る卒業設計の模型たち…ビルト・アンビルトかは置いといて、いくら目を凝らして探しても寂しいかな瓦屋根らしきものはまず見当たらない^^; あゝ、これではこの先も統計通り瓦屋根の建築は増えないだろうと想像がつく! なぜ…

break time…

スイッチカバーの瓦、作っています(^^) 瓦人の発想は、いちいち瓦なんです(笑) #スイッチカバー #コンセントカバー #インテリアデザイン #diy

あい〜ん!!(笑)

今日の窯出しから… 淡路島 宝生寺に葺く予定の銀古美「鳥伏間」 “鳥伏間”(とりふすま) “鳥衾“(とりふすま) “鳥休み”(とりやすみ) 地方でいろいろ呼び名はあり、棟の端や鬼瓦の上に鳥が佇むシーンを日常よく目にするが、それをモチーフにした役物瓦。 日本最…

monokawara -umbrella stand-

シンプルにデザインした瓦の傘立て。 今回の依頼は、オーナー様店舗のロゴを彫って世界に一つのプロダクトへ昇華します。 size: H:300〜270 × W:240 × D:240 このデザイン、人気なんです! 瓦は屋根で雨を受け流し、さらに傘から滴る雨も受け止める…瓦は忙し…

大地を纏う…

今春オープン予定の淡路島のwine shop… 土間からセンターテーブルまで、土を焼いただけの窯変瓦タイルが情熱的な夕色に染めあげる。 均一な工業製品とは一線を画するsoil…焼きものらしく一枚一枚カタチも色彩も個性あるピースが集まり描く“緩い”芋目地が、か…

すべては「気」から…

先日の10年に一度の大寒波の際に吹っ飛んだ乾燥炉のダクトが今日ようやく直った!(泣) おかげで2週間にわたり工場を稼働出来なかったが、今日からまた火入れ! やはり窯元には“熱気”がないとね(^^) ついでに“活気”と“元気”もないとね! “病気は気から”って言…

これがあるから100年もつんだよ!

徳島の改修現場…130歳の明治建築が再生される。 歩き遍路に休憩の場を与える深い軒しかり、その昔はお遍路の宿だった名残りが時を超えて今なおこの古建築に力を宿す。 竹かんむりに土、瓦、木と書く“築”の字を体現し、知恵と工夫が詰まった深い軒…高温多湿な…

自立焼成から寝かし焼成へ…「木瓦」

ここ1年半ほど前からオーダーに間に合わせるため、無理して自立焼成で頑張ってた「木瓦」の行儀精度を向上させるべく、一窯分の木瓦専用焼成コンテナを設備投資予定…製造業はとにかくお金がかかる(泣) ただ、自立焼成のままでは時に恐ろしいほど歩留りが悪か…

monokawara −はじめの一歩−

週末の朝仕事は、ほっこりと誕生記念の足型づくり…土の塊から徐々に小さな足をかたちづくっていきます! こちらは3年前に第一子のお子様のものを作らせていただき、このたび第二子がお生まれになったということで再びご依頼いただきました(^^) 右足は土踏ま…

節分の日に”土“をデザインする!

この極寒の季節に工場で謎のセッティング!? 決して遊びのBBQではなく…(笑) あくまでもデザインチームとの物性検証ミーティングだ(^^) 瓦で焼くのは淡路島の流儀…網と違い、焦げずに遠赤効果でふわっふわに焼きあがる。 相変わらず瓦で焼く淡路牛は超絶美味…

淡路島冬景 - いとなみ patchwork -

冬野菜のビニール畑が、あたかもそこに小さな海があるように温もりある光を湛え、霞によるノスタルジックな色合いも相まって、昔から変わらずある原風景と向き合っていることを容易に実感させてくれる。 自然と共にある人々の“営み”の結果として創りあげられ…

organic kawara tile「soil ~窯変~」

昏から橙、琥珀、鉄錆、焦茶へ。 そして青碧にも見えたかと思えば、薄墨から漆黒へと…自然は偉大なるアーティストだ! そんな夕色に染まる大地の色彩は、人の手では決して描けなくとも、土と炎がいとも簡単に表現する。 “窯変”焼成の瓦タイル[soil]をはじ…