未来考房/瓦人 ~gajin~

和瓦とその未来を創る淡路島の瓦師ブログ

2022-09-01から1ヶ月間の記事一覧

VS大自然…

瓦づくり…日々のルーティーン、こうしてFMを聴きながら緩〜く(笑)ノンストップで乾燥素地を焼成コンテナに積み込んでいく。 “いぶし瓦”の需要は極端に減っているが、“銀古美”は休まず焼き続けている。 僕ら小さな窯元では、窯積みに独自の工夫があり、瓦裏面…

美しき国 日本…

今朝、窯入れした人気の瓦小皿… “銀古美”を焼く窯底で謙虚に陣取る。 手作りした瓦の器に冷んやり羊羹を。 たまには客をもてなす押し寿司をのせる。 “日本”はいちいち美しい…! 瓦づくりを続けているおかげで、こうして合間に作る器もいつでも焼けます(^^) …

− repost − 淡路島の家

瓦屋根でないけど、草屋根もいい! なんなら茅葺きはもっといい! *版築壁 *淡路島ならではの、海岸に打ち上がった瓦の洗い出し土間 カタログなど必要としない、創造力と物語と生命力あふれる建築は、とても優しくて美しい(^^) ーーーーーーーーーー #住宅…

伝統素材の強み…

尾道の家…銀古美の瓦葺きが完工。 なんせ他屋根材からの思わぬ仕様変更になったため、手作り“とんび”が間に合わず、隅先の納まりは今回葺き師の苦肉の策! 正解のない仕事は楽しそうですね(^^) これからのプロジェクトにも依頼を受けている”銀古美“の手作り…

木瓦の可能性…

曲面屋根の相談を受けて“木瓦”スタディ。 アールがきついと葺き重ね。 アールが緩いと台形カット。 腕利きで美意識を共有できる葺き師と協働すればなんとかなりそうだ! シンプルなほどフレキシブル… マニュアルを捨てると表現力が増す… 「木瓦」はやっぱり…

− kawara putter project −

今回オーダーは、はじめて銀黒(シルバーメタリック)仕上げ! “銀黒”は屋根の瓦としては全国的にも一般的だが、この釉薬がまた言うこと聞かず…小さい瓦ヘッド分だけの少量を調合して均一にムラなく焼きあげるのがとても難しく、何度も失敗(汗) 試行錯誤の末、…

土に還る建築…

台風一過…もう随分前からアクロバティックな姿で建っている小屋だが、今回もまだ持ち堪えていた(汗) 淡路島のアイコン的建築“瓦葺き玉ねぎ小屋”。 この倒れない構造原理が理解出来ない(笑) もはや救いようもないほど痛々しくも、決して汚らしくなくどこか微…

“terra cotta” イタリア語で 「焼いた土」

珍しい窯出しは、素焼きの朱瓦! 甃(しきがわら)の朱色は、鉄分の多い淡路土ならではの深い赤(朱)。 昏から橙へ…単なる原色では表現できない日本の美しい夕色グラデーション。 そんな夕色に染まる大地のように、炎のチカラで豊かに表情を変える土。 その土地…

大業物3工(笑)

今日は第127回を数える歴史ある工務店ゴルフコンペ…伝家の宝刀“瓦パター” 大業物3工のうちtype“いぶし銀”の出番でした(^^) まったくもって瓦パターのおかげか? 普段仕事ばかりしてる“瓦バカ”へのゴルフの女神からのご褒美か? 強風のなか80台でラウンドでき…

kawara-washbowl ~silver*blue~

人気の手洗いボールがまた焼きあがった! 青緑(せいろく)釉のグラデーションが描く景色が、島の海空の“青・蒼・碧”を油絵のように抽象表現する。 どちらもまったく同じ土から生まれるプロダクト…焼きものが創る色彩はとても深く豊かだ。 “土”と共にある暮ら…

only oneのモノづくり…

常識にとらわれず… 既製品に縛られず… カタログにない屋根創り…してみませんか? それが出来るのが、手作りが活きる伝統的手工業製品である瓦だ! さすがに今日は工場全体を養生し、Gallery土坐と共に臨時休業しております^^; 全国各地の皆さん、どうかお気…

repost / simple is best

山に降った雨を谷へと流す…自然の摂理に適う“瓦”の普遍的デザインの魅力の本質を見抜く審美眼あってこその潔いファサードデザインは、さすが森田恭通さんだ! 用の美をもって白銀比を実現する和瓦の曲率の美しさ…この唯一のデザインキーワードを大胆かつシン…

残すべき価値…

今日は関西大学の学生達に瓦講義。 たまたま母校であり学部まで一緒…30年ぐらい先輩の立場から、懐かしきキャンパスに想いを馳せつつ、ヤケドするほど熱く想いを伝えた(笑) 熱意が飛び火したようで、あとの質問攻めが嬉しかったな〜(^^) 「瓦屋根、カッコえ…

【 あわじ瓦めし 】

釜飯の蓋を瓦屋根で作るのは瓦の島の流儀(笑) “銀古美”の窯出しから…窯底で威風堂々、一丁前の瓦屋根の風景を創るのは釜飯の蓋! オーダーも入りだし、順調に製作中(^^) *届いた先のお客様から驚きと喜びの感想もいただいております(^^) 現実世界ではすぐに…

美しきアナログ世界…

新しいプロジェクト…神社の改修工事に際して、再び“箕甲掛け巴”の角度出し作業。 今回、紋は六角デザインのため、ちょっとでも傾くと違和感が分かりやすくなる^^; 葺き師さんの実測に従い、経験と勘と目分量で反りの曲線を描いていくが、“迷い線”がいっぱい…

SDGsとは …

140歳の神社改修現場…2期工事の本殿瓦葺きも完工。箕甲掛瓦も紋の角度が綺麗に揃って安心した! 拝殿と共に、棟の装飾水板も鬼瓦もすべて大手術を施しての最焼成でしたが、改修前と比べて見事な生まれ変わりを果たした! 間もなく秋祭りとのこと…神社は祭り…

【 素材のチカラと手仕事のチカラ 】

香川の山あいに建つ、むくり屋根のシルエットが和傘のように美しい家で“銀古美”の瓦葺きが佳境…残す棟の仕様はお馴染み「影積み」。 今回、葺き師が1段目の熨斗を手間をかけて幅詰めしてくれ、2段目がより浮遊感をもって軽快な輪郭を描く。 軒の一文字も、ほ…

瓦、料理、風景、物語…美しきもの巡り

富山から建築チームを迎え、2日かけて淡路島に流れる豊かな“島じかん”を堪能した。 ヒト、モノ、コト、土地、歴史、文化…その地にしかない持ち出せない価値というものは、噛めば噛むほど味がある。 さらに味覚が同じメンバーが集まると、その味はより深みを…

「拝啓 清水 勇左衛門 さま」

淡路島の山あいにある社寺改修現場へ鬼面と鳥伏間を届けに…って山あいどころか獣道を踏み広げたような奥先にひっそりと佇む古刹。 軒下に置いてあった“先代”の古鬼瓦には「尾嵜邑(おさきむら)清水勇左衛門」と刻んであるが、まだその隣には意匠的にも造り的…

建築家とつくる家

伊礼智設計室 設計の香川モデルハウスが竣工…建築と造園のチカラでそこに一つの風景が完成している。 細部の細部まで作り込まれた建築は息を呑むほど美しく、また素材と光のチカラで包み込むような優しさに満ちている。 緻密で大らかなランドスケーププラン…

キレイゴト…

竹かんむりに土・瓦・木と書いて建築の“築” 現代の家づくりの多くは高性能と省エネのための手段とはいえ、なんだか“毒々しく”感じるのは人間としての本能的な感覚である。 “快適”はヒトのためであって、果たしてヒト以外のためにもなっているのか? 100年、1…

100年後も美しい瓦づくり…

東林院 弥勒堂新築プロジェクト 先日の火入れ式から無事に窯出し…古代鬼面もいぶし銀とはひと味もふた味も違い、風格あるビンテージな古彩色に焼きあがった。 これが将来も突飛に変色せず、自然に風合いを増していく“銀古美”という焼成術の魅力だ! 社寺建築…

目指せ1,000組!!

瓦で誓う“かわらぬ愛”…それは瓦の島にある一つの流儀。 窯変焼成の100角敷き瓦が可愛い、島の教会「しまおと」では9月もウェディングが続き、結婚証明書としての瓦プレートも続々と焼きあがっています! 振り返れば2010年からこの瓦の結婚証明書を作り続けて…

“地の元”…

幼稚園からの地元幼馴染達での恒例食事会。 同じく幼馴染の淳二の料理で日付が変わるまで続いた語らいの時間。 およそ半世紀、いろんな苦楽を共にした人生の理解者達と過ごすひと時は、原点を取り戻し諸々を一旦リセットてくれる貴重な時間。 この素材も、料…

年中ハロウィンです^^;

まだ夏ですが、Happy Halloween !?(笑) さすがにまだ季節感はありませんが、春から続くカボチャ作りは夏でも続いております^^; 今回の窯出し分も”銀古美“の焼成術によるビンテージな質感がイイ味出してます! “おとぼけ“に“えがお”に”めんち“(笑) 今年もみ…

火入れ式「密厳」

本日は東林院 弥勒堂新築プロジェクトの火入れ式…時間をかけて製作準備した瓦達が窯積みされ、誇らしげに火入れの瞬間を待つ。 建築に込める想いとして「密厳」と書に表され、棟札の意味合いで製作する瓦には、上棟日と今日の火入れ式の日付け、そしてプロジ…

数値で計れない価値…

猛烈な台風の進路が気になるが、今夏の甚大な雹被害の調査と修理に現在も追われている埼玉の葺き師親方から写真が届いた! 昔から続く普遍的デザインの和瓦だと、50年前のものだろうが100年前のものだろうが、こうしてたった1枚の差し替えで修復出来る。 そ…