未来考房/瓦人 ~gajin~

和瓦とその未来を創る淡路島の瓦師ブログ

2022-01-01から1年間の記事一覧

オトコマエ達の出番!!

東林院 弥勒堂もいよいよ棟積み。 反り元、目地の加減、捨て熨斗の位置…etc. 10mある隅棟全体の原寸図で最終検討! 緻密なシミュレーションと大胆な施工で瓦屋根は生命力を宿す。 世界遺産 興福寺中金堂の鬼にも負けない、一丁前のビンテージな風格を纏う“銀…

やね 時々 パター(笑)

やれやれ〜、年に3〜4回しか行かないのにこんな大荒れの天気勘弁してくれ⤵︎⤵︎⤵︎ そんな今日は第128回を数える歴史あるコンペ…伝家の宝刀“瓦パター” の出番でした! 時代を跨いで風雪に耐えるのが瓦。 そのおかげもあって、淡路カントリー特有の強烈な北西風…

やね 時々 うつわ

年明け〜オープン予定の東京の料理店からの依頼は、円形プレートとおしぼり置き。 クライアントの希望サイズは260㎜径…手作り&焼きものとしての誤差を言い訳にする予定が、恐ろしいほど狂いなく焼きあがった(笑) おしぼり置きも希望通り、こちらも恐ろしいほ…

淡路島の流儀…

淡路島の家…”銀古美“の瓦上げ完了! 少し高台に建つと無料で絶景を独り占めできるのが淡路島の良いところ(^^) 今回、破風と軒が特殊な仕上げになるので、その取付け待ち。こちらは一文字軒と袖瓦を合端(削り合せ)して出番待ち! キュートなプロポーションの…

徒然草

美とは…この大自然に生きとし生けるものすべてに潜在的に宿る。 それは例えその寿命を全うしたとしても。 道端の池に目をやると…冬枯れの蓮が流され集まり描く有終の美。 純粋な自然とは朽ちる姿さえまったく美しい! 同じく地球由来である土から生まれ、焼…

淡路島ならではのオモテナシitem!!

[ monokawara ~島の箸坐~ ] 島内のあちこちで使ってもらい&販売してもらっている淡路島型の箸置き…新たに大手ホテルグループ様からのオーダーで150個を準備! この箸置きを通していただくのは、きっとまるごと豊かな島の幸…お腹もココロも満たすこの瓦は小…

鳥肌もんのオーラ!

東林院 弥勒堂新築プロジェクト… “単弁八葉蓮華紋”の手作り隅巴も取付け完了。 これから隅棟と陸棟の面土瓦を留め付け、いよいよ棟積み…7分厚の“反り”薄熨斗で建築の輪郭を上品かつ流麗に描く! 軒裏からのぞく内部の世界観も美しそうだ。 職人達が器量と技…

timeslip ~ back or forward ~

出張帰りに久しぶりに立ち寄った四国村。 “茅葺きと木瓦の素敵な関係”は、変わらず続いているようだ(^^) 木と草と土と瓦と…素材が天然だと清廉として美しく、周辺の空気感まで綺麗に感じ、そしておそらく100年後も美しい。 現在の時間とは別の時間に移動する…

世界に一つのモノづくり…

- kawara putter project - クライアント会社のロゴデザインをもとに、黄色釉といぶし銀の2パターンで焼きあげたオリジナル瓦パターが完成! 試作段階からトライ&エラーを繰り返し、重量と重心バランスの調整に苦労したが、なんとかカタチになった(^^) お約…

東林院 弥勒堂新築プロジェクト!

ようやく100坪の地葺きに目処がつく。 “銀古美”特有の1枚1枚表情豊かな素丸瓦が葺き広がると、新しくも懐かしい景色が描かれ出した! このいぶし銀とは違う寂び感ある上品でマットな質感は写真では表現出来ないな〜。 人工的な塗装や加工などでは絶対に再現…

南の海からの贈りもの…

毎年この時期恒例…徳島南部の親方から活き活きの伊勢海老がたくさん届いた!! んで、これまた恒例の“男の手料理”… 土や瓦と違って動くから難しいうえに、捌いて切った身もまだ動く^^; 玉ねぎでのお返しでは足りませんね(笑) 瓦で伊勢海老つくって送ろうかな…

kawara putter project −BLACK−

北陸富山からのオーダーは、やはり富山の風景に欠かせない富山ブラック(^^) 漆黒の釉薬で焼けば、プレミアムな瓦パターヘッドの完成だ!! それにしても高級感漂うブラックパター… 物価の高い世界の国々の人から見たら、1本1,000,000円ぐらいすると感じるか…

銀古美“反り熨斗”

今から暫く“反り熨斗”の窯積みが続く。 真っ直ぐではなく、焼く前から反らせてある。 ん!?よく見ると焼成コンテナまで傾いてる?(汗) もちろん、反り熨斗をつくるためにコンテナまで反らせている訳はなく、ただ経年劣化で傾いてるだけだ…危ないから次は組…

瓦づくりは脩景作業…

今回の窯出しでたくさん焼きあがった大きな冠瓦…今年度も順に建築の改修工事が始まっている、島全体が重要伝統的建造物群保存地区である徳島県 出羽島のプロジェクト用棟瓦だ。 伝統意匠として島の集落ほぼすべての屋根に乗るこの独特の“七寸角桟冠”はすべて…

伝える仕事…

最近は工場での瓦づくりに手がつかず、瓦の未来創りが続く…もはや噺家だ(笑) 今日は「たつの市商工会」の皆さんにお越しいただき、前後半に分かれて瓦講義と瓦コースターづくり体験の30人による入れ替え戦!! いや〜、講演のダブルヘッダー頑張りました(汗)…

四季瓦 -shikigawara-

京都大原 勝林院…樹齢100年のもみじが最も色気づく今、“侘び寂び”の美の概念を纏う銀古美の屋根が、竣工1年にまだ満たない建築とは思えないほど落ち着いた佇まいで魅せる。 同じく土間の甃(しきがわら)は、最早その“銀古美”の名の通り100年の風雪に耐えた逞…

作ると創る…

今日は、世界中からインバウンドの旅行者を淡路島に招くため、全国の通訳の皆さんにお越しいただき、”瓦というもの“を伝える仕事。 僕のスタンスはいつも単なる地場産業としてのコンテンツの一つとして「瓦」をプレゼンするのではなく、目の前一人一人に真摯…

ボタンの重み…

日曜日…焼成スタートのボタンを押して窯の火入れ。 工場見学中のお客さんがたまたま撮ってくれた、窯の蓋を閉める際のシルエットがシブい件(笑) ほんの50年ほどの昔は、火を熾して薪をくべながら24時間窯炊きをし、焼成が終われば松葉など投入し煙で燻し、苦…

木と土と竹と石と瓦の家

「木瓦」を葺いた矩勾配の切妻屋根が印象的な岡山【石場建てnaya-house】に立ち寄り、生命力があり清廉とした土壁の表情を拝見した。 竹かんむりに、土、瓦、木と書いて”築“…それを建てると書いて”建築“。 普遍の真理を体現し、まさしく地で行く建築の佇まい…

ワーケーション:チーム力や創造力を高める働き方

そんな意味でのワーケーションを兼ねて、大企業にお勤めの皆さんがチームで未来創りのヒントを求めてたどり着いた?のは伝統的瓦づくり(^^) ゾウとアリほど企業・業界規模は違えど、掘り下げて議論を尽くせば結局は課題もベクトルも同質…ランチを挟んで4時間…

日本風景の必需品…

“木瓦”葺きの端正で美しい入母屋建築 「福山の家」に残りの塀瓦等を配達に来た! 薄い木瓦の織り重なりが描き出す軒先や破風のシャープなエッジが美しく、また夜露で濡れた表情に情緒と色気があるのも瓦という素材の醍醐味だ。 地球由来の素材のチカラと手仕…

漆黒瓦「鉄黒-tetsuguro-」 @CONTACT Nikko

淡路土の耐火度の限界温度で還元焼成した漆黒の瓦が日光で新しい景色を創る。 日光駅から東照宮を結ぶ日光街道のちょうど中間あたり…ビンテージなキッチンカーで日光産蕎麦粉100%の生地を使ったタコスやアイス、シフォンケーキ、ALLPRESS ESPRESSOの豆を使っ…

ハイテクノロジーとは…

企業視察で全国からガイソーグループの皆様にお越しいただき、恐縮にも瓦講義をさせていただいた! 建材と事業のプロフェッショナルである皆さんには、伝統素材である瓦の多様な挑戦は果たしてどう映っただろうか? その昔、かの松下幸之助が住宅産業参入を…

緊結の意味…

東林院 弥勒堂新築プロジェクト「素丸葺き」。 法改正で緊結のガイドラインが新しくなり、数千枚もある素丸瓦も全数緊結だ(汗) 1,400年という悠久の瓦史を振り返ってみても果たしてこれが絶対の正解かどうかも判断は出来ず、伝統素材、伝統建築、伝統構法に…

アナログ再考…

瓦の島である淡路島の海岸には、その歴史を物語るように波にもまれ丸くなった無数の瓦が打ちあがる。 この地にしかないシンボリックな風景に、誰のしわざか、過去にとても心あたたまるメッセージが描かれていた! 温度感のないデジタルな世の中において、ア…

窯元あるある…

窯出しした“軒巴”の梱包シーンから! 新聞や広告を有効利用して一つ一つ真心包装していく過程での“瓦窯元あるある”… チラチラと見流す程度のはずが記事の内容が妙に頭に入ってくる(笑) ◇コロナ制約による学校のひずみ 休校、黙食、行事なし、不登校最多 ネッ…

火入れ式「和」

− 広島 安佐の家− 家づくりに込めるご家族の想いは「和」。 その書“なごみ”を窯へと…。 記念瓦には皆んなで名を刻み、この記憶を消えない記録として100年残すべく指跡を残して完成(^^) そして火入れへ… “土を焼く”という、およそ人のチカラの遥か及ばない次…

kawara photo plate

愛犬のシルエットをいぶし銀の瓦プレートに彫りました。 さながら撮影慣れしたペットモデルのように、凛々しくすました顔でその気になっているようだ(笑) 彫るか残すか?凹か凸か?で表現するため、いただいた写真をモノクロにしてコントラストを高め、まず…

人生に“あわじ瓦めし”のある贅沢を…

またまた小さな“風景”を窯出し…やっぱり瓦屋根の織り成すシーンは美しい(^^) ガチ瓦の釜飯蓋で、恐ろしい程ふっくら・もっちもちに炊きあげる「あわじ瓦めし」… 「淡路島 3 年とらふぐ」 「島の足赤えび」 「淡路牛タン」 南あわじの“美味しい”をぎゅっと凝…

世界最強の理由!!

東林院 弥勒堂新築プロジェクト「平瓦葺き」。 銀古美の九寸平が寂び感ある景色を描き出した。 隅で瓦の重なり断面を見るとよく分かるが、3枚重ねになる葺き足寸法で施工するので、“本葺き瓦”は暴露試験をすると世界最強の雨仕舞い性能を誇る。 山に降った雨…