東林院 弥勒堂新築プロジェクト「平瓦葺き」。
銀古美の九寸平が寂び感ある景色を描き出した。
隅で瓦の重なり断面を見るとよく分かるが、3枚重ねになる葺き足寸法で施工するので、“本葺き瓦”は暴露試験をすると世界最強の雨仕舞い性能を誇る。
山に降った雨が谷へと流れ川となる…瓦は自然界の姿そのままのカタチ。
水は重力に従い流れるべきところへ流れる。
それはどんなに密着した隙間だろうが、毛細管現象として生き物のように容赦なく…。
その空気×水のメカニズムを理解した上で、瓦屋根には至るところに空間(隙間)が設けられている。これがこの高温多湿な日本において1,400年以上も持続出来ている大きなヒントだ!!
屋根材の最も大切な仕事は、風雪に耐え、“雨を受け流す”ということ…瓦を見ると素材の逞しさは言うまでもなく、こと雨の日には“音もなく雨を受け流す”詩的な美しさも相まって、心地よい安らぎさえ感じさせる。
いつも思うが、数値で測れない時代に、数値で測れない仕事を積み重ね、数値では計り知れない実績を今に継承する先人の叡智はやはり偉大である!
設計/松田公彦スタジオ
ーーーーーーーーーーー
#銀古美 #伝統建築 #伝統構法 #社寺建築
#宮大工 #東林院 #種蒔大使 #弥勒菩薩 #再生可能エネルギー #持続可能性 #サステナブル #低炭素 #脱炭素 #カーボンニュートラル #sdgs