未来考房/瓦人 ~gajin~

和瓦とその未来を創る淡路島の瓦師ブログ

2024-08-01から1ヶ月間の記事一覧

建築の生命力…

“茅葺きと木瓦の素敵な関係”は、相変わらずぎくしゃくせず順風満帆のようだ(^^) 隣接する四国村では、改めて素材のチカラと先人の美意識に圧倒される! 前にも書いたが、住宅は決して“装置”ではなく、母体のようにもっと大らかで柔らかく、時に冷たく厳しく…

雨ニモマケズ…

ただいま“SHANSHAN”さんが近づいており昨晩から強烈な雨でしたが、自宅の瓦屋根はまるで風情さえ感じさせるほど音もなく強雨を受け流し、雨ニモマケズ、風ニモマケズたくましく50年以上も仕事をしている。 「山」に降った雨が、「谷」を流れる。 風景にあっ…

100歳の現役選手!!

以前、「漱盥」って漢字読めますか?って紹介した淡路島の神社の“手水舎”も無事着工。 *漢字ドリルの回答 ▶︎ https://gajin.hatenablog.com/entry/2024/07/17/192131 来週からの解体前に再施工する鬼瓦を撤去回収し、今朝はもりもりの影漆喰をハツる仕事か…

目利きの再生産…

淡路島の旧家改修プロジェクトも、“SHANSHAN”さんのおかげで養生&STOP! 箕甲の「刻み平(きざみひら)」のシャギー感が綺麗です。 淡路島の伝統民家に多いこの「刻み平」…葺き足も75㎜〜90㎜といろいろ。 個人的には最近は葺き足を120㎜ぐらいに延ばして素朴…

伝統産業こそフレキシブル!

京都 福知山の計画では、約320㎡ある流れの長い大きな切妻屋根の東西両面平部にバルコニーの開口部が大きく口を開く。 その開口部をシンプルに仕上げるため、設計図面に合わせて手作りした”逆一文字瓦“を全部で50枚ほど乾燥中。 「逆一文字瓦」とは、片流れ…

「なるほど、だから1,000年続くんだ!」

坂出市の100年古民家改修プロジェクト。 古美た姿を継承したいとのアメリカにいるオーナーの要望に応え、銀古美“本葺き”が本領を発揮する。 けっこうな大手術で修復した讃岐伝統鬼瓦の「雲頭」も無事に施工できたようでよかった! 100歳の再登板…そんな建材…

小さな瓦づくり…

お盆期間中のGallery土坐のゲストが作った瓦コースターも大量に窯出し…これがまた、いつも反らないように焼くのにとても気をつかう^^; こうしてなんとか無事に焼きあがっても、どれがどのゲストのものかを写真と照合しながら選別し仕分けするのに、朝の窯出…

“焼き鳥”が焼けたよ〜(^^)

もはや思考停止するほど熱い…囧 汗だくでの窯出しは細長〜い「鳥伏間」。 鳥伏間(とりふすま)だけにある意味“焼き鳥”だ(笑) 和歌山の水上楼閣「観海閣」 再建計画において、元意匠にならい長く立ち上がったタイプで製作…14体とも銀古美らしくとても品よく風…

バトンを繋ごうー!

さて、建築学生達に一丁前にレクチャーなんかしてるけど、ようは肉体労働者(笑) 今日も冗談じゃないほど灼熱の“銀古美”窯出し…^^; 「丸に一つ葵(まるにひとつあおい)」 紋入りの鬼と巴は東京の社寺計画用。 境内の既存瓦に合わせたデザインで製作し、無事に…

ファーストプランは瓦推しで(笑)

今日も朝イチから名城大学の学生達をいろんな瓦建築にアテンド! 国指定重要文化財 弥勒菩薩坐像が無事に遷座された鳴門 東林院では、副住職から丁寧にご説明いただき皆勉強になりました(^^) 昼は、目の前の漁港で獲れた魚から好きな刺身を乗せ放題でつくる…

”瓦推し”(笑)

今日は午後から名城大学の学生達に瓦レクチャー。 今までの土壁スクリーンから、ちょっと奮発して60inchのモニターを初お披露目(笑) 2時間みっちり「瓦」というモノとコトを伝え、議論し、工場見学の後の夜の懇親会まで瓦談義は続いた(^^) 明日は朝からいく…

【 Zig Zag House and Hut 】

ジグザグ屋根が完成! シンプルな輪郭を描く三角屋根が仲良く三つ並んだ。 火入れ式においてご家族みんなで名前を彫った記念瓦も、玄関上部の棟際に施工…いっぱい詰まった家づくりへの“想い”が暮らしを優しく包み、末永く見守る。 物語のあるとても素敵な瓦…

恵みの雨…

最低限の機能を担保して用の美を纏う素朴な意匠は美しいな〜(^^) そんな石垣瓦塀に囲まれた淡路島の旧家改修プロジェクトから…”銀古美“本瓦葺きは、まずは軒の唐草から。 7月、8月と一粒の雨も降っていない淡路島のこの辺りでは、一体いつぶり?っていうほど…

見あ〜げて〜ごらん〜♪

“鳥”が群れで行儀よく整列する工場… 京都綾部 八角本堂計画の鳥伏間(とりふすま)16体が無事に綺麗に乾燥。 数珠掛け鬼も隅鬼×8、ニノ鬼×8が同じく行儀よく乾燥を終えた。 「鳥伏間(別称:鳥休み…など)」って、鳥が棟端にとまって休んでいる姿をモチーフにし…

土と炎のマジック!!

【 Zig Zag House and Hut 】 下半期のスタートは、ここ瓦の町に出来る「淡路島の家」の瓦葺き着工! 火入れ式で家族の名を刻んだ一枚を葺く位置も決まり、まずは一文字軒から…ビンテージな質感の“銀古美”は、一枚一枚が妙に一丁前な風格を纏っているんだよ…

持ち出せない価値をもっと創ろう!

ありがたいことに、GALLERY土坐-tsuchiza-が“じゃらん”のランキングで、兵庫県の「陶芸体験」カテゴリーで1位(67施設中)となっており、さらに広く「クラフト・工芸カテゴリー」でも圧倒的集客施設の「イングランドの丘」に次いで2位(339施設中)! 女子スタッ…

美味しい男子会⤴︎⤴︎

昨夜は幼稚園からの地元幼馴染達での恒例男子会。 同じく幼馴染の淳二の料理で日付が変わるまで続いた語らいの時間! まずは一皿目、“雲丹のせ鱧の握り”で全員もっていかれた(笑) いろんな岐路を迎えた50歳という節目。 とりあえずは、なにを為すにも“健康”…

“寂び”のチカラの本領…

上半期の〆は「淡路島の家」で銀古美“本葺き瓦”の瓦上げ…いやはや、ヤバイほど暑い囧 太陽のギラギラを反射せず、光がす〜っと染み込むような”銀古美“のマットな質感には、“いぶし銀”と違って出来たてであって既に永い年月をかけて大気と日光の営みによって…

塩タンt:10、ハラミt:20 (㎜)

まだ2日汗をかくが、今宵ひとまず大栄窯業 瓦師チームで上半期の慰労会@スタミナ軒! 安定の塩タンt:10、ハラミt:20 (㎜) 強烈に暑い今夏の瓦づくりで疲れ切ったカラダに、凍ったジョッキ×極厚ハラミが沁みる⤴︎⤴︎ GALLERY 土坐 ‐tsuchiza‐はお盆期間中も無…

瓦屋根のススメ…(^^)

永久保存版!!(笑) 【瓦割り(野地仕上がり)寸法計算表】 これが知る人ぞ知る瓦屋根設計の“虎の巻”だ。 縋るに棟違いなど、多様な屋根形状に合わせた各部野地仕上がり寸法の計算式。 スペックする和瓦の軒やケラバの役物寸法を計画ごとに確認し応用してくだ…

まずは瓦屋根への“入口”が大切だ!

桟瓦だけの葺き晒し仕様に瓦屋根の美しさの本質を見出し、最低限の言語で表現された妹島和世さんによる「犬島 家プロジェクト」。 用の美をもって白銀比を実現する和瓦の曲率の美しさ…この唯一のデザインキーワードをシンプルに表現する“銀古美”の素朴な仕様…

粋な仕事…

今日の神戸の古民家再生現場でのワンシーン! 壁際の水切りに入れられた松皮菱と輪違いが、あえて素焼きなのが印象的。 伝統的意匠のはずが、どことなく可愛い! 先人の美意識はやはり“粋”だ^^ なんでもかんでもマニュアル通りの窮屈な世の中(建築の世界)に…

心頭滅却すれば瓦もまた軽し!!

さあ、盆までラストスパート! 今日も伝統の荷積み…銀古美の「バラ積み」。 淡路瓦ではまだ当たり前の出荷ルーティン。 一枚一枚、一束一束、丁寧に手積み! その先では一軒一軒と大切な瓦屋根建築がつくられていくんだと思えば軽い軽い&涼しい涼しい⤴︎⤴︎⤴︎(…

学ぶべきは美意識…

国指定重要文化財 鳴門市 福永家住宅。 先人の知恵に学ぶとはよく聞くが、 素材や構造、意匠は概ねその土地において導き出される必然のもの。 先人の知恵に学ぶべきはこの美意識だと思う。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ #美意識 #長く続くものは概して美し…

ツクルよりもツタエル…

先日、県民局長はじめ県政コーディネーターの方々に、“瓦というモノとコト”をレクチャーする貴重な機会をいただき、ちょうどギャラリーでいらっしゃったゲストの方々も体験のついでに聞いていたのか、子供たちが「とても勉強になった」という感想を残してい…