未来考房/瓦人 ~gajin~

和瓦とその未来を創る淡路島の瓦師ブログ

2023-01-01から1年間の記事一覧

名家の未来創り…

本日の現場定例会議はこちら… 明治18年築、そしてこの地に移築され100年以上風雪に耐えた淡路島の宝物たる名建築の大改修プロジェクト。 一棟ずつ順に進む改修工事…今回は増築による茶室計画について打合せ。 淡路島の産業と文化発展の一躍を担ったシンボリ…

カタログにない家づくりを…

もうすぐ屋根改修を控えている岡山倉敷の家で、ついでに外構工事の相談を受けている甃(しきがわら)と円坐(まるざ)…一番回答に困るのは円坐の㎡単価! デザインにより1〜100まで幅があり、究極たった1枚でも正解となる(笑) 写真は「円坐−maruza-」と浜に打ち…

当たり前を当たり前に…

窯蓋を開けると、炎が暴れまくった痕跡がアートのような景色を描く様がいつも美しい(^^) 日々火入れ、日々窯出しが続く“銀古美”の瓦づくりだが、秋以降に一気にいろんなプロジェクトが動き出す! なかでも、なんせ「甃(しきがわら)」の計画と相談が続くが、…

バトンタッチ!!

丸亀城 延寿閣別館の復元鬼瓦が焼きあがった! 銀古美の焼成術によって、風雪に耐え屋根から降りた古鬼瓦に負けない風格と上品さを纏う! 出来ればこの古鬼たちにも再登板してもらい、新旧同じ屋根の上で共演したかったが資料館に展示されるとのこと…長い間…

鬼が立ちました!!

宝生寺で古代鬼面の隅鬼とニノ鬼の棟積みシミュレーション! 棟幅、捨て熨斗の枚数、目地の寸法など、より美しい仕上がりを葺き師達と検討し合い、方向性が決まった末に…鬼が立ちました(^^) 「鬼瓦」って例えば名入れしたり、“鬼建て式”のある現場もあったり…

カタログにないモノづくりを…

南あわじ市でリニューアル工事中の水仙峡施設に届ける“水仙アレンジ”の瓦時計が無事に焼きあがった!! 瓦師としてのこだわりで、一枚の瓦としての行儀(ねじれ)も真っ直ぐに仕上がったことが自己満足だが嬉しい(笑) オリジナルデザインの鬼瓦しかり、こうし…

スケール感!!

宝生寺もようやく棟積み開始… 昨日朝から露盤の設置方法について棟梁と葺き師達と一緒に検討の末なんとか方向性も決まった。 まずは測定器による“反り熨斗”1,000枚の選別を終え、露盤の土台原寸から四方の隅棟の芯出しをし、隅面土瓦の取付から。 窯場では大…

京都 醒sei

京都に素敵なGalleryがオープンしました。 階段の踏面に銀古美 甃(しきがわら)がさり気なく、そして軽やかに施工されています。 ハタノワタルさんによる和紙が全体を柔らかい光で包み、土を焼いただけの甃が凛とした存在感で空間を引き締めている。 こよりさ…

割烹ではありませんので…(笑)

別注の瓦表札が焼きあがった! 銀古美の焼成術で、堅牢でビンテージに仕上がったフラットプレートにワンポイントで名を彫っただけのシンプルなデザイン。 一見、割烹表札のようなオーラを纏うので、お客さんが間違って入ってきたりして(笑) 住まい手の暮らし…

今年も窯から収穫です!!

今年の暑さで、さすがにまだ季節感はありませんが…Happy Halloween !?(笑) おかげさまで、瓦づくりに忙しくさせていただき、今年もすっかり忘れていましたが…(汗) 涼しくなってようやく思い出す“カボチャ瓦”! 今年も”銀古美“の焼成術によるビンテージな質…

いよいよ古代鬼面の出番だ!

宝生寺も唐破風をのぞいてようやく地葺きが完了…葺けば葺くほど千枚千様の景色が広がる“銀古美”の甍を泳いでみた。 昨日はここから日が暮れる前に屋根足場を設置…棟積みの準備をし、いよいよこの方達の出番だ! 〜銀古美「古代鬼面」〜 “いぶし銀”と違って、…

「淡路島の小屋」project

鎮守の森のような空気感が漂う土地に、木と土と瓦のミニマムな建築が清廉と佇む。 内外土間には銀古美の甃(しきがわら)が敷かれ、大地と繋がる。 土を焼いて燻しただけの瓦ならば、それはやがて土へと還り、その前段階としてこうして土間へと敷かれるのもそ…

殿様気分の眺望!

丸亀城延寿閣別館改修工事 立鼓(りゅうご)紋入り鬼瓦の復元が無事に乾燥まで終わった。 改めて、先人のつくったこの瓦達はシンプルだがとても清廉として美しいデザインだと思う。 あとは銀古美で焼成し、素朴で寂びのある表情に仕上がる予定…完成後にこちら…

西宮の家

マットな質感の銀古美の屋根が、街中にあってひときわ上品な佇まいで魅せる。 *HPの施工例に追加しました ▶︎ http://www.daieibrand.com/products/ginfurubi/ 大きな切妻瓦屋根は絶大な安心・安定感と包容力を感じさせる…やはりここ日本では、軒の出が深い…

地場の瓦に可能性を求めて…

日本建築士会連合会誌「建築士」2023.9 〜特集 住宅の現場〜 「地場の瓦に可能性を求めて」 建築家 徳井さんのインタビュー記事で恐縮にもご紹介いただいています。 これだけ瓦への理解と実践がある建築士がいらっしゃることはとても勇気づけられ、また日々…

monokawara -wall clock-

南あわじ市で絶賛リニューアル工事中の灘黒岩水仙峡…これから木瓦の施工も予定しているが、並行してオリジナルデザインの瓦時計も準備中。 分かりやすくそのまんま「瓦」のキャッチーなデザインに、ワンポイントの水仙をあしらってみました! 時計であって時…

絵になる風景づくり…

本日4時起きで京都大原 勝林院へ… 西門の瓦葺きを1日で仕上げてきた! まず準備運動は瓦の運び込みで片道徒歩1分(汗) 全ての瓦を手提げで往復するうちに、おそらく身長が縮んで腕が少しだけ伸びたが(笑)、宝泉院の美しい庭園を外から眺めるという特権は、そ…

手に届く位置にある瓦たち…

久しぶりにアクアイグニス淡路島へ…オリジナルオーダーの瓦アイテムを届けてきた! *どんなアイテムなのか知りたい方は、ぜひ露天風呂に入ってみてください(^^) ついでに外壁の“木瓦”や瓦タイル“soil”の生存確認。 海沿い立地だが金属のように錆びたりせず…

千枚千様から万枚万様へ…

淡路島 宝生寺…向拝左右の袖丸も綺麗に納まった! ボールチェーンで理想の線を作り、合端(削り合せ)しながら瓦天端の高さを通していく。 この地道な作業を積み重ね、硬い瓦で柔らかく躍動感のある線を描くのも日本建築の一つの醍醐味だ! あとは残る素丸を一…

火入れ式「志」

今日は松坂の茶室改修工事における「木瓦」の火入れ式。 設計者、棟梁、瓦葺きの皆さんにお越しいただき、厳粛に執り行いました。 棟梁による「志」の書はとても清廉真っ直ぐであり、その想いと共に瓦を焼くべく窯入れされました。 記念瓦には、日付とともに…

瓦づくりにはコーディネートが大事…

今日も朝からひたすら瓦づくり…焼きたての“銀古美”を1,000枚、2,000枚と行儀(反り・ねじれ)を選別していく。 そんな単調な作業中にふと気付いた… 瓦バカは服の色まで“銀古美”だ(笑) 極細マッチョな瓦師は、仕事着の色にもこだわります…その方がテンションが…

絵になる建築…

永い年月をかけて大気と日光の営みによって造りだされた”寂び“の力を宿すかのような素朴な表情の“銀古美”の屋根が、まるで翼を広げるかのように建つ京都大原 勝林院で、今度は小さなくぐり門が上棟した! 今週末に同じく銀古美の瓦葺きで久しぶりにお邪魔す…

[ 日曜随想 ]

鎌倉 常若-tokowaka-プロジェクトを終え、この「常若」というキーワードから瓦再考。 日本はいにしえより常若思想の国である。 常若:いつまでも若々しいこと。またその様。 「瓦」は約1400年前に仏教の伝来と共に日本に伝わり、広く民家の屋根に葺かれだす…

実るほどこうべを垂れる稲穂かな…

宝生町の向拝箕甲もなんとか納まった! あとは最後、この面の軒巴を取り付け素丸を葺けば方形本堂の地葺きは完了だ! 一面で照り起り(てりむくり)が連続するこの屋根面は、瓦の陰影でよりうねりのような躍動感が強調され美しい! さあ、黄金色に輝く稲穂のよ…

足元に景色を描く…

毎日火入れ〜窯出しが続く“銀古美”という瓦づくり…病みあがり一発目の作業は、やはり待ったなしの甃(しきがわら)。 今朝窯出ししたばかりの焼きたてほやほやな約500枚を、一枚一枚行儀と寸法のチェック! 嗅覚と味覚は謎に失われているが(笑)、視力はまだま…

鎌倉「常若-tokowaka-project」

日本各地から移築された江戸時代建築が3棟建つ壮大な現場で、最後に北陸から鐘楼が移築され、猛暑のなか“銀古美”の瓦葺きが完成! アメリカ人であるオーナー家の紋章入り経ノ巻鬼がとても粋で美しい! 相模湾を見晴らすように建つ再生された4棟の古建築…この…

絶対にいるよね〜、これ描くヤツ(笑)

毎年恒例、倉敷市の小学生たちによる夏休みの瓦コースター作り体験!! いろんな個性が活きた200枚以上の作品が無事に出来上がりました(^^) どんな時代でも…いや今ならZ世代か(笑)、クラスに数人はいるんですよね…才能を持ったキッズ♪ そしてこれもどんな時…

待ったなし!そんな瓦づくりが続く

尺角の甃(しきがわら)を灼熱の窯出し…今回、“眠り目地”での施工の可能性を検討されているとのことで、仮並べしつつ選別していくが、土を焼いただけの瓦では寸法個体差もある。 乾燥時でも焼成時でも土練機からの押出し方向に土が動きやすくその名残りが出る……

鎌倉「常若-tokowaka-project」

日本各地から移築された江戸時代建築が3棟建つ壮大な現場に、新たに北陸から鐘楼が移築された。 今回も古建築に敬意を込めてビンテージに焼きあげた“銀古美”での瓦葺きが始まり、バチ(逆台形)になった野地や裾絞りの箕甲など葺き師に手間をおかけしたが、試…

“新しき良き”風景づくり…

銀古美の窯出しから… 極太の“七寸素丸”が次々と焼きあがる。 “五寸素丸”と比べると存在感が大きい! 淡路島の公共プロジェクトで、この七寸素丸を棟施工に500枚も使用する。 建築家 阿曽さんの仕事です(^^) 本プロジェクトでは、古き良きではなく“新しき良き…