未来考房/瓦人 ~gajin~

和瓦とその未来を創る淡路島の瓦師ブログ

2022-08-01から1ヶ月間の記事一覧

missionガチでimpossible!!(笑)

淡路島の家…空き家物件の改修計画だが、現調に来て絶句・・・ ずいぶん遠いところの駐車場に車を停めて、歩くは登るは一体どこまで!? 現場は徒歩か原付でしか登っていけない狭い漁師町の高台に民家が密集しているところ…これ、古瓦など解体したらどうやっ…

日本再考…

本日、国会議員の清水貴之さんがお越しになり「瓦というもの」を1時間講義させていただいた。 1,400年続くものが持続可能でなくて、一体なにが持続可能なのか? “成長”ではなくより良く美しい“成熟”を、“開発”ではなく永く続いているものの“再考”を。 固有の…

銀古美「木瓦」耐寒試験成績

冷凍融解試験 JIS A5208凍害試験方法による −試験体4枚の吸水率− ①7.6% ②7.6% ③7.5% ④7.4% 焼成直後の試験体(木瓦)を常温水に浸け24時間吸水させた後、冷凍器で–20±3℃の冷気中に8時間以上保持し、その後水温15〜25℃の水中に6時間以上浸けた後、取り出し肉眼…

身近な“有識者”たち…

涼しい日曜日の朝、自宅の掃除をしながらふと思う。 座敷 縁側(くれ縁)の建具は木製。 4本のレールの上を木製の網戸と雨戸と共に、建築時から50年以上変わらず滑り続ける。 寒暑風雨に対しては遮断どころか、ほぼ外部と繋がっている。埃や虫など常の掃除は必…

【 商店建築2022.9 】

手作りした“銀古美”400角甃(しきがわら)が景色を描く「だし処 船場山本」はじめ、個性溢れるお店が集結した大阪南船場の大人の溜まり場「船場路地裏」が、商店建築で紹介されています。 ハタノワタルさんによる壁や天井、建具の和紙も生命力溢れる美しさだ!…

世界の瓦屋根…

“銀古美”の窯出しから… とても薄く繊細なシルエットは、本葺きの軒唐草の下に施工する「敷き平」。 ふと思ったのは、これだけ薄い線を描ければ、中国の伝統的瓦屋根意匠をつくれるってことで、すぐさまモックアップ(笑) ほぼ平瓦一つだけで完結するシンプル…

デザイン瓦タイル【円坐 - maruza -】

“銀古美”の窯積みシーンから…窯底に敷き詰めていくのは大小様々な“丸”! 以前、淡路島プロジェクトで壁面にデザインした例を見て相談いただきました! 厚みは3種類、直径は焼きあがりで27、18、15、12、9、6、3㎝の7size…レイアウト自由な丸い瓦は、日本伝統…

鉄の色気…

鳴門市の東林院 弥勒堂新築プロジェクト…鉄の骨格が立ち上がった! ちょうど100坪ある屋根各部の“反り”を鉄でつくる技術には圧倒される。 この無骨さがまた色気があり…これから隠れてしまうのが惜しい! 今日はこの“反り”の具合いをボールチェーンでチェック…

面影を繋ぐ…

淡路島の家…火入れ式で家族みんなの名を刻んだ一枚も、これからの末永い暮らしを屋根の上から見守るように大屋根に葺かれた。 鬼瓦のデザインはじめ瓦仕様も、葺き土や漆喰などの素材も、淡路島らしくとてもオーソドックス…この地で続いてきた素朴な原風景を…

「木瓦は楽しい!!」

名残惜しくも“壁屋”も終了(笑) 木瓦をランダムに葺いた壁面のトップには、三角の甍覆(いらかおおい)を垂直と水平に2枚重ねでキャップ完了! 冠も曲りは切り合わせ…モックアップ的な木瓦の壁としては上々だ^^ いろいろケーススタディをこなして、これから予定…

“家”らしさ…

「神戸の家」も火入れ式からもう4年… 木と銀古美のシンプルな瓦屋根建築は、外も中も“キレイな素材”だけで包まれ、住宅密集地にあってひときわ清廉な空気感を纏う。 瓦タイル「soil」も、コンクリートや金属とは違い、柔らかくとても素朴な質感だ! 現在の住…

鬼瓦、アメリカへ嫁ぐ…

さあ、次々と“銀古美”の窯出し…今日の窯からは別注製作の大きな鬼面が美しいビンテージな質感に焼きあがった!! [spec:高さ36㎝×幅36㎝×重量12㎏] こちら、壁掛けのオブジェ…なんとAppleの本社スタッフからのオーダーで、アメリカに渡ります! というこ…

小さな瓦づくり…

時間を見つけてひたすら瓦ボールづくり。 瓦のピアス & イヤリング に、ブレスレット… 小さな瓦はとても人気なんです(^^) 一つ一つ手捏ねなので、すべて個体差あり。 キリで穴を貫通させて焼きあげます! 今までいろんなアレンジでアクセサリーを作ってきま…

かわらの名称…

今日の“銀古美”の窯出しから… 左右の尺寸掛け瓦も銀古美特有の風格ある色彩に焼きあがった! こちら大阪の伝統的住宅の門長屋改修現場へ届ける。 この「掛け瓦」…大工なにより瓦葺き職人でも“左右”を間違って覚えている人が多い(笑) 伝統建材には歴史と物語…

銀古美「木瓦」がつくる風景…

9月中旬ごろ瓦葺き着工予定の淡路島の公共施設は、木瓦で14,000枚以上使用する大きな寄棟屋根。 11mの隅棟4本と14mの陸棟には冠瓦一本伏せ仕様が原則とのことで、“甍覆”(いらかおおい)と“七寸丸”でシミュレーション。 共に隅先の巴(カッポン)の納め方でシル…

使命…

本日から仕事始めで、さっそく火入れ! 鳴門市の種蒔太師 東林院 弥勒堂新築プロジェクトで使用する“単弁八葉蓮華紋”の軒巴も順に火入れ。 ここでは尺角の甃(しきがわら)も3,000枚程度使用するので焼き続けるのみ…。 設計/松田公彦スタジオ 本葺きも和形も…

伝家の宝刀!!

盆休み最終日にようやく伝家の宝刀“瓦パター”をひっさげて5月以来のゴルフ⤴︎⤴︎⤴︎ もはやどんな球筋が出るのか打ってみないと分からないほど久しぶりでも、瓦パターだけは安パイ感が満点…なんせ厄除けなんで(笑) 自分で作ったパターでのラウンドは、世界中探…

枯れない花…

昨年も紹介したが、いちいち瓦なんです(笑) 正月とGWと盆しか実現しない“連休”の一日… 猛暑で“しきび”や花も草臥れる時は、花立てに家紋や菊の瓦坐-kawaraza-で蓋をする。 別に瓦の島の流儀という訳ではないが、瓦というものが身近にある土地の粋な設えだ^^ …

絵になる風景…

香川の山あいに建つ、むくり屋根のシルエットが和傘のように美しい家で“銀古美”の瓦葺きが進む。 木々や草花に二つとして同じ色彩がないのは、それが“自然”だから…土を焼いただけの瓦も本来はそうであり、この周辺田畑や草木の“四季彩”にシンクロするように…

持続可能な素材と仕事…

香川の神社建て替えプロジェクトも佳境。 一本一本 紋の角度を調整しつつ製作した箕甲“掛け巴”と向拝“掛け瓦”も葺き師のおかげで無事納まった! 昨年の解体時に工場まで連れ帰り、大掛かりな修復と最焼成で“いぶし銀”に蘇った鬼瓦と水板、唐獅子のすべてが14…

日本風景の必需品…

京都 “八坂の塔”の目の前で伝統建築の改修中…古都の風景に寄り添うような寂び感ある表情の“銀古美”瓦が葺かれていく。 ここでは昔ながらの美しいシーンが日常的に描かれる。 誰も言及しないが、この風景に瓦屋根がないとまず成立しない! 日本中どこであって…

淡路島の家…火入れ式の続き

GWに東京からお越しになり火入れ式を執り行った「淡路島の家」改修プロジェクトがようやく着工! 淡路島の伝統的民家プロポーションで佇む姿は、やはり板について落ち着く(^^) ここはやはり、この地の風景を構成し続けた時間を分断しないよう、“懐かしい質感…

break time…“食べる瓦”

瓦紋で作る型押しパスタ…イタリア料理のコルツェッティ。 歴史浪漫溢れる芳醇な香り漂い、噛めば噛むほど美味しい(^^) #コルツェッティ #淡路島イタリアン #イタリアン #イタリア料理 #パスタ #瓦 #家紋

瓦が描く風景@アクアイグニス淡路島

「木瓦」に続き、約40,000枚ほど使用した瓦タイル「soil」がつくる景色。 銀古美の焼成術によるビンテージで豊かな表情に、3種の厚み13/15/18㎜が生む立体感も相まって、もはや長い時の経過を凝縮したような濃密で重厚な世界感を創る。 瓦という“土もの”と…

瓦が描く風景@アクアイグニス淡路島

この美しい水面はプールではなく露天の温泉です^^ 淡路島の東海岸沿いにオープンしたレストランとサイクル棟を併設する温浴施設。 外壁に「木瓦」13,000枚、内外壁に瓦タイル「soil」40,000枚を使用したとても伸びやかで美しい建築です。 *soil仕様部分は後…

瓦・・・キテマス^^

昨日も早朝から汗だくで“瓦づくり”をしてから、夕方またまた1億円の超ゴージャスバスが到着し、Gallery土坐での講演と工場見学で“瓦の未来創り”(^^) こうして1人でも多くの方々に「瓦というモノとコト」を伝える機会を与えていただけることが今ありがたい! …

カワラノカタチ=カワラヌカタチ

日本の象徴的風景をぎゅっと集約したような秀逸で美しいデザインの瓦コースターが完成! なんだか“めでたい”デザインですね(^^) デザインって大事。 家紋もそうだが、昔から続く先人が生み出したデザインって完成度が高すぎてなかなか超えることが出来ない。…

東林院 弥勒堂 新築プロジェクト

陸棟と隅棟の原寸図から、柄振と隅それぞれの古代鬼面の寸法検討! 鳥伏間も付くのでそれも見越して、焼成の収縮率を計算して成型します。 試し焼きで寸法正解となればそれぞれ準備し、土という素材のチカラを最大限引きだし、銀古美でビンテージに焼きあげ…