未来考房/瓦人 ~gajin~

和瓦とその未来を創る淡路島の瓦師ブログ

2021-09-01から1ヶ月間の記事一覧

“井筒”いろいろ…

もうこの棟飾り瓦も絶滅危惧種となってきた(泣) 四国〜淡路島の伝統的民家に葺かれ、その土地にしかない建築意匠を継承してきた棟込み瓦「井筒」…いよいよ受注製作でしか対応できなくなりつつある。 いま見積り中の古民家でも、設計者から元仕様をベースに意…

「はじめましての淡路瓦」

今日は地元の高校生たちが、地域創生事業の一環で、淡路島の伝統文化と産業にまつわる体験プログラムを映像製作し海外に発信するために、撮影を兼ねて実際に瓦コースターづくり体験に挑戦した(^^) 前日に工場見学や、“かわらのおはなし”をさせていただいてお…

原動力…

今日も夜明け前から瓦づくり…終わってから夕方、“淡路島の家” 門長屋改修現場で昨日に続き瓦上げ…やり切りました(汗) 熱が出てダウンしてしまうようなワクチンなんか打たず、“ポパイ”になれるようなワクチン打ってくれ(笑) 土と木と瓦の建築は、100年経とう…

円坐-maruza-の器…

古民家再生した「淡路島の家」の外構工事。 伝統建築に少しの可愛らしさを…デザイン自由な“丸い瓦”が、暮らしをちょっと楽しくしてくれる(^^) ポップなのにどこか懐かしい感じもするのは、瓦という伝統素材の器の大きさだと思う! 【円坐-maruza-】 http://w…

素材のチカラ!!

淡路島「さくらの家」…縦の乱貼りで絶賛施工中のビンテージ瓦タイル「soil」…土を焼いただけの素朴な瓦だがとても上品だ(^^) 晴雨朝夕、時々刻々…一枚一枚違った表情で魅せる豊かな素材感が、焼杉の外壁と“出来立て時”だけでなく、さらにきっと“時が経つほど…

淡路島の玉ねぎが美味しい理由…

島の原風景にかかせない瓦葺きの玉ねぎ小屋…この“瓦葺き”ってのがミソ! 佇まいが圧倒的に美しくなる!! これに吊るすから美味しくなるんだな〜^^ おまけに夜には光のシャワーが降り注いでいました! Tokina AT-X 107 DX Fisheye / F3.5 / ISO100 / WB3600k…

美しき日本色…

今日の窯出しから…尺角の甃(しきがわら)! 手作り特注の400角甃とは歴然の差…この縦横10cmの差が、1,000℃を超える“銀古美”の焼成術で行儀よく焼きあげるには天と地ほどの難易度の差がある! 尺角は今回も歩留まり良し…色味もビンテージな寂び感が日本的で美…

hommage…

やれやれ…今朝はいつもの6時前からの工場始動から機械の不具合が発生し、終日修復に挑んだが結局19時になるまで復旧せず⤵︎⤵︎⤵︎ ということで、ちょうど一年前の“hommage” 店舗ファサードのアイアンワーク…それはまぎれもなく瓦葺きの意匠。 この斬新なアプロ…

農家住宅の佇まい…

建築家ご夫婦の自邸project… 素朴な“農家住宅”とのテーマ通り、田園風景に佇むプロポーションが美しい! *銀古美 × 焼き杉 【瓦屋根詳細】 ▶︎ https://gajin.hatenablog.com/entry/2021/08/30/123004 【火入れ式】 ▶︎ https://gajin.hatenablog.com/entry/2…

1,000年以上、持続してきたもの…

今朝もまだ暗い5:30過ぎから瓦づくり始動!この土と油の匂いと機械音が、長年カラダに染みついた目覚まし時計だ(^^) 土にほんの少しの水を混ぜて、練って、焼くだけ…今日も淡路島の大地の恵みである土で「瓦」を作り、「風景」を創り、1400年持続してきたシ…

求めざる“てりむくり”…(泣)

Silver Week!?も関係なく続く瓦づくり…どんどん窯出しは銀古美「木瓦」! 今回はブーメランのように反って起くって……奔放に暴れまくってくれた(泣)⤵︎⤵︎⤵︎ 焼きもので“薄い木羽板”イメージを実現するのはホントに難しい(汗) あ!日本建築特有の流麗な曲線美…

“茅葺き”と“木瓦”の素敵な関係!

設計者との打合せから…茅葺きと木瓦の可能性を模索します。 それにしても茅葺き屋根は魅力的だ! 素材感、必然のプロポーション、歴史性、物語性、持続可能性…非の打ち所のない美しさを纏う。 銀古美の焼成術で仕上げた“木瓦”との相性もよし…ぜひ実現したい…

break time…

日曜日はゆったりと“kawara”のある時間を楽しもう! monokawara -rest- latte?cappuccino?espresso?macchiato?mocha? 土と炎が生み出す計算のない彩り…どの色がお好みですか^^ テーブルシーンにさり気なく豊かさを添える土から生まれたmonokawara。 ー…

⭐︎ Happy Halloween ⭐︎

毎年この時期恒例のカボチャ瓦…いつも製作がギリギリすぎて間に合わないので、今回は春ごろから焼いて準備していました^^; ”銀古美“の焼成術で焼いているので、ビンテージ感が素敵です! ご予約順にお届けしますので、ファミリーでカボチャ瓦のある楽しいハ…

千年の計!!

緊張の窯出しから… 現在、屋根改修中の文化財建築…次は本葺き棟に葺かれていた200年以上前の復元本唐草が無事に焼きあがった! 前回の“巴付き軒瓦”と同じく、すべて手作りにつき失敗が許されないので、広々とした贅沢な窯積み姿だが、行儀もノサ加減も無事に…

淡路島の家…必然の“瓦”一択!

やっと晴れ続きの予報で解体したと思ったらまた雨続き⤵︎⤵︎⤵︎ それにしても美しい里山風景だ! このロケーションにあっては、屋根はさすがに瓦一択…集落や町並みの“風景コンセンサス”って大事だと思う。 素材コンセンサス、意匠コンセンサス…そんな無意識の合…

靭(うつぼ)とは…

絶賛瓦葺き中の京都 某寺院新築現場からの製作要請…向拝破風の付け根、掛け唐草の最上部に使用する特注形状の「うつぼ唐草」! フルオーダーメイドの一点ものにつき、指示書通りに手作り製作…あっちこっち継ぎ目だらけだが、どこも切れずに無事乾燥してくれ…

想いの痕跡…

毎回窯出しの際に一喜一憂する“銀古美”手作り400角甃(しきがわら)! 1,000℃を超えた世界で“土を焼く”という、およそ人のチカラの遥か及ばない次元での“仕事”には祈るしかない(汗) 今回窯出し分を、いつものように歪み反り具合と寸法をチェックし、裏返した瞬…

銀古美 “甃”-shikigawara-

淡路島で建築中の、魚屋が営む和食割烹 尺角×半×四半のパターンで施工中。 銀古美の焼成術が生むビンテージな質感と、目地なし仕上げの素朴さが、空間の“作りたて”感を一気にエイジングさせる。 踏んだ感触の柔い素材感は土を焼いただけの無垢な瓦ならでは……

monokawara −umbrella stand−

「とにかく“桜”が好きなんです!」 そんなご依頼により、人気のシンプルにデザインした瓦の傘立てに、ワンポイント桜の模様を彫って仕上げました! トップはH:300から対角H:270に向かって緩い勾配を設け、内部底は傘先が滑り転げないようディンプル仕上げ。 …

瓦に命がけ…

よく勘違いされるんです…しょっちゅう、あちこちに出かけているように(笑)「日々外まわりしてるなら、ついでに寄ってもらえる?」って連絡をよくもらうけど、基本的には日曜日以外ほとんど毎日工場で瓦づくりに勤しんでいる! 一年中“サマータイム”をポリシ…

大先輩に尋ねてみたいものです…(^^)

ちょうど11年前に大師堂の新築と、続いて護摩堂の葺き替えでお世話になった有名な“萩“寺…その名の通り参道〜境内一帯に萩が生い茂り、愛らしい花が咲きはじめています。 今度は最も古い観音堂の改修にあたり、露盤と大らかで力強いデザインの鬼瓦の再焼成…は…

北陸からの便り…

富山の家、“銀古美”への葺き替え工事が完工! 銀古美特有の不均一で寂び感の美しい屋根が、新しくももはや懐かしさを漂わせる。 北陸に何度か出張した際に印象に残っているのは、やはり黒瓦でも特に古い屋根…均一均質ではない、昔ながらの色とりどりで魅せる…

“見積り不要”の遣り甲斐と責任…

あまりの長雨に、しびれを切らせて大工さん達が古瓦を撤去していた大きな葺き替え現場もようやく瓦葺き開始! 左官の漆喰仕事を残すおかげで、壁際の水切熨斗2段しか見てなかったけど、どないすんねん!?(笑) まあ、あれこれ役物使って体裁よく積みあげるし…

拝啓 “瓦仕” 嘉左ヱ門さん…

淡路島 蓮華寺…今から204年前(1817年)に江戸時代の“瓦仕”の嘉左ヱ門さんが作った蓮華紋を解体時に預かり、洗浄し、いぶし銀に再焼成したものを無事に棟に再登板させることができた! 苦労した焼き直し作業を経て、こうして清々しい晴れ姿を見ると感慨深い…。…

break time * slow breakfast time

日曜日の朝はゆっくりと朝食… 【 egg -たまご- 】 リアルサイズな瓦の卵はMサイズ?(笑) いぶし銀がクールだ!! 1,000℃で焼いたが…なま卵 or ゆで卵? ご想像にお任せします^^ ーーーーーーーー #ゆで卵 #たまご #卵 #玉子 #日本の朝食 #たまご焼き #breakf…

土と道具と人の手と…

今日の熱々の窯出しから… 改修中の文化財建築…200年以上前の復元尺二寸深切軒瓦が無事に焼きあがった! すべて手作りにつき失敗が許されないので、1回目に同じアールの瓦に伏せて焼いて行儀を固め、2回目の焼成でいぶし銀に仕上げた。 200歳超の古瓦との整合…

一枚の手作り大判400角“甃”(しきがわら)が出来るまで…

土が変わるとまったく癖が変わる。 土が変わるとまったく寸法が変わる。 土が変わるとまったく作り方を変える。 今夏から土の粘度(粘り具合)が変わったので、土練機から出てくる粘土板が裂けて、切れて、暴れてどうしようもない⤵︎⤵︎⤵︎ 急ピッチで製造中の銀…

歴史絵巻の続き…

どうやら“水板”に縁があるようで…葺き師と一緒に建て替え予定の神社の現調。 再焼成するため鬼瓦と棟両面の“水板”諸々の採寸と破損箇所等状態の確認。 こちらは龍と対峙するヤマトタケルノミコト!! 昔の瓦屋根はさながら歴史絵巻だ(^^) 古瓦と向き合い触れ…

100歳の晴れ舞台!!

再焼成し、100年越しにいぶし銀に甦った“水板瓦”がようやく棟に納まりました。 龍と、タスマニアタイガーのような(笑)大らかな細工の虎も、みんな晴れ舞台に再登板し生き生きと生命力がみなぎる! 氏子の皆様が名入れされた寄進瓦も各所に葺かれ、それぞれの…