下半期も昨日からさっそく火入れ初め!
淡路島の土をほんの少しの水で練っただけの瓦に火が入る。
1,000℃を超えた世界で土を焼くという、人のチカラの遥か及ばない次元での“仕事”が行われる炉内の世界には決して立ち入ることが出来ず、ここから先は毎回どこかでは祈るしかない境地だ。
作り手としていつも感じるのは、瓦づくりはモノづくりの中にあって一つの神事であり、大自然からいただいた素材を完全制御するものではなく、出来不出来を半ば土の機嫌に委ねるものでもある。
天候に左右され豊作不作で一喜一憂する農業や、海の機嫌で豊漁不漁を受け入れるしかない漁業と同じく、自然への畏敬と感謝の念と共に厳しく優しい自然と共生してきた民族性や精神性が宿る原初的で根源的なモノづくりであり、1,400年もの歴史があるにも関わらず昭和になって不意にカテゴライズされたいわゆる“工業製品”とは本来一線を画するものだと思う。
日本の家づくりは、設計から建主までどの立ち位置の人でもこのような共感・境地のもとで為されてほしい。
そのためにも、一つ瓦づくりの現場や火入れ式などに立ち合って五感で体感してほしい。
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