未来考房/瓦人 ~gajin~

和瓦とその未来を創る淡路島の瓦師ブログ

2020-09-01から1ヶ月間の記事一覧

re-firing*reborn −土の生命力−

淡路島の小さな小さな神社の解体〜新築工事…お預かりした100年と風雪に耐えた鬼瓦と菊紋の巴を再焼成し、無事に綺麗ないぶし銀になって蘇りました! 炎のチカラで命を吹き込まれ、再び時代を越えて歴史や物語とともにかけがえのない風景を未来へと繋げます。…

超年の差婚!?(^^)

阿波国分寺改修工事…今朝、最後の特注製作瓦“復元鳥伏間”の搬入。 もう瓦葺きも大詰め…大屋根は完成し、3年以上覆っていた素屋根も撤去され、ようやく陽を浴びる晴れやかで荘厳なる甍! 唐破風の谷瓦たちも無事に納まり安堵。 それにしても300年前の瓦との邂…

kawara putter project - polishing -

ハイシーズンを迎え続々と瓦パター…今日完成したのは青緑釉で焼いたエキゾチックなターコイズブルー。 1000℃超でヘッドを焼きあげた後は、粗目を何段階にも分けて手の感覚を大事にしつつフェイスの研磨…この時、削りながらロフト角を3度に仕上げていく。 大…

淡路島の家…還暦お疲れ様でした(^^)

7月に実測に来た築60年の家、日曜日ですが改修工事着工! 目の前が漁港につき、潮風でさぞ過酷な環境を生き抜いてきたことでしょう…傷みの激しい野地板も撤去し、還暦の骨格が丸裸に!! 還暦とは「生まれた時と同じ暦に還る(赤ちゃんに還る)」という意味……

季節はずれのサンタクロース(^^)

先日、九州に猛威をふるった台風…遥か遠いはずの淡路島においても遠巻きの豪風の影響で煙突がポキッ!? 本日ようやく煙突付け替え工事着工です! やってきたのはナントお約束のごとくサンタさん!? 撤去までは大人しく作業してるようでしたが、新しい煙突…

「瓦」…強く美しく

神社本殿・拝殿新築工事…今朝は雨のおかげで、世界最強の屋根材“本葺き瓦”がシンプルに働く姿を垣間見る。 山に降った雨が谷へと流れ川となる…瓦は自然界の姿そのままのカタチ。 水は重力に従い流れるべきところへ流れる。 それはどんなに密着した隙間だろう…

− kawara layer −

漆黒に焼いた瓦を使ったカジュアルな瓦塀プロジェクト! 将来的な移動・撤去を前提とするため、瓦サイズに合わせてH:900×W:900×D:300のガビオンを特注製作し、15mに渡り埋設。 その中に工場で出た“焼きねじれ”などの規格外製品を有効利用し積みあげる! ガビ…

淡路島の家…谷入れ替え工事

まさかの急に発生した台風も東へ離れてホッとしました^^; ただ逆に、台風等で雨が漏らないか確認してほしい面もあったり(笑) 「瓦」という建材自体は圧倒的な歴史が証明する実力者…ただ「屋根」となれば災害等があってはじめて分かる実力。 30年、50年、100…

monokawara −umbrella stand−

人気の瓦傘立て…今回オーダーは、店舗のオープン10周年記念の贈り物。 シンプルでいて、土もの独特の重厚な質感が魅力なので、店先でキラリといぶし銀に光る存在感を示してくれることを期待したいです(^^) size: H:300〜270 × W:240 × D:240 ・ #瓦 #大栄窯…

ガチンコ男子会も盛り上がっています(^^)

敬老の日ですが、今日は朝から若い皆さんの熱気で包まれるGallery土坐!! 瓦コースターづくり体験の手仕事も“本気の本気”…みんなで切磋琢磨しつつ、素敵な作品が目白押し!! 今日も皆さんの“達成感”が印象的でしたー(^^) どれも焼きあがりが楽しみですね!…

kawara pierce & earring *autumn*

秋を意識したカジュアルなパーツアレンジが揃っています。 “瓦屋根と紅葉”は日本風景の美しいワンシーン…そんな世界観を耳元に。 季節ごとに小さな小さな瓦づくりを楽しんでいます(^^) − designed by y’s kitchen − 新作も出来る限りminneにアップしていきま…

“素手”仕事…(笑)

古彩色瓦“銀古美”の窯積み風景から… いぶし銀の瓦より高温焼成のため収縮率が大きくなる“銀古美”…なかでも行儀を仕上げるのが難しい熨斗(のし)瓦の窯積みは特に繊細な感覚×間隔が必要につき、グローブや軍手さえ邪魔なのでやはり素手で(笑) 綺麗なマットグレ…

分を知る…

阿波国分寺…工場や窯の中であれだけ存在感の大きかった手作りの谷平と谷巴も、収まるべきところに収まると主張を控え、分を知り、静かにその気配を消すように全体の一部と化し、ようやく与えられた“仕事”を始める。 部品があって全体が作られ、全体があって…

計算が生み出す数値化出来ない価値!

神社本殿・拝殿新築工事…九寸判本葺き瓦による施工がはじまる。 硬くて堅牢な瓦が10,000枚以上集まり、柔らかく流麗な曲線を描き出そうとしています! 日本建築特有の曲線美である「照り起り(てりむくり)…先人の経験と美学と哲学により導き出された曲率は、…

良いものを、より長く…

今週は棟の積替え改修工事からスタート! 緑釉が綺麗な鶯(うぐいす)の陶器瓦ですが、25年前の阪神大震災時から棟が大きくうねっており、桟瓦も棟下からずり落ちている現状…棟の中はおそらく空洞になっており、当然絶賛雨漏り⤵︎⤵︎⤵︎ 今回ようやくガイドライン…

hommage…

ファサードのアイアンワーク…それはまぎれもなく瓦葺きの意匠。 この斬新なアプローチと表現は、「瓦」という絶対的な伝統意匠とそれに対するオマージュ(リスペクト)が込められているはず。 逆にインスピレーションを得て、こんな軽やかで透明感のある瓦をつ…

No fashion , No golf!!

−kawara putter project− 今回完成したのは4本ともtype“いぶし銀”…そのうち一本はオーダーにより赤いグリップを装着。 若い世代の女子プロ達の活躍によりアマチュアゴルフ界も女子率が高くなり、ウエアにクラブにバッグにと…ファッションを楽しむのはもはや…

拝啓 未来の職人達へ…

阿波国分寺…いよいよ期待と不安いっぱいの谷平×谷巴の瓦葺き! 谷から数mmずつ浮かす位置で、下端のラインを見極めながら合端加工。 あれだけ大きな谷平…ノサ・カギや反りなどいろいろ修正は必要でしょうが、葺き師の技量と器量のおかげでキレイに収まりつつ…

陰影礼賛…日本古来の美意識・美学

高松の家…屋根面積100坪近い大きな屋根に約5,000枚の古彩色“銀古美”の瓦が葺きあがりました! 棟違い用に焼いた“裏鬼瓦”も3カ所とも丁寧に合端され、永い耐久を保証する。 “銀古美”は“いぶし銀”と違い、一枚一枚の表情に個性がある瓦…屋根上から見晴らすと焼…

萩寺…

ちょうど10年前に大師堂の新築と、続いて護摩堂の改修でお世話になった香川の有名な萩寺…その名の通り参道〜境内一帯に萩が生い茂り、愛らしい花が咲きはじめています。 今度は最も古い観音堂の改修にあたり、棟梁達立ち合いのもと露盤とレトロな鬼の再焼成…

break time…ほぼ break down ⤵︎⤵︎⤵︎

道すがら…アクロバティックな姿に興奮する! 記憶にある限り、もうずいぶん前から使われていない淡路島のアイコン的建築“瓦葺き玉ねぎ小屋”。 今年の台風シーズンを乗り越えることが出来るかな? もう救いようもないほど痛々しくも、汚らしくなくどこか微笑…

100年の系譜…

淡路島の小さな小さな神社…100年を超えて地元の民に親しまれ大切にされてきたが、さすがに限界を迎え、このたび厳粛に解体の儀式を終え、日曜日に古瓦を撤去しました! 建物と瓦は新しくなりますが、鬼瓦と菊紋の巴は最焼成し、再び建築と風景と物語を守り継…

本来のソーシャルディスタンスを…

ちょうど一年!?北陸 富山にて…カントリー調の洒落た建築 × 銀古美の軒下でBBQ!! 「銀古美」を届けた先々で職人仲間達とこんな“蜜”な建築談義が出来る日常に早く戻ってほしいな〜(^^) オーガニックな質感の銀古美が木の建築とつくる素敵な佇まい…“土”と“…

original sign −怒鬼−

古彩色瓦“銀古美”の窯出しから…鬼瓦表札! 「出来るだけ睨みつけるようなイカツイ顔にしてください!」という依頼でした。 “災厄除け”という鬼瓦本来・本質の役割が与えられたデザイン表札。 今まさに…いろんな“禍”に睨みを利かせ、退散させるチカラが宿れば…

阿波国分寺…唐破風部 箕甲瓦葺き

昨日完成した谷平と谷巴を持ってきましたが、どれがどれだか分からないぐらいの広げっぷりですが、すいません^^; 現場は三段箕甲の瓦葺きが大詰め…棟梁が描いた三列の袖丸天端ラインに合わせるべく作った“両垂れ付き袖丸”も綺麗に葺かれ、この第弐袖丸の上に…

肩の荷が降りました…

阿波国分寺 改修工事…オバケサイズの特注谷平&谷巴(左右60パーツ)ずつがようやく全部焼きあがる。 まるで大剣の刀身のような存在感…このいぶし銀のスクリーンに、実測〜製作に至るまでの苦労がすべて映し出されるようです(泣) 唐破風の八谷にはY字形状の特殊…

瓦再考…

【白銀比=1:√2(1.414)】(約5:7) 「大和比」とも呼ばれ、A判、B判紙の縦横寸法比がすべてそうであるように、黄金比(1:1.618)よりも日本人に馴染みのある「美の比率」。 西洋の黄金比と同じように、白銀比は世界最古の現存する木造建築物である法隆寺金…