未来考房/瓦人 ~gajin~

和瓦とその未来を創る淡路島の瓦師ブログ

「日本の建築は神事である…」

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鎌倉プロジェクト…作るのも葺くのも難しい”袖丸(そでまる)“瓦の施工。

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一枚一枚すり合わせながら、瓦の天端と下端が描いていく”線“が肝…屋根の躍動感を決めるまさしく生命”線“だ!

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それにしても日没後に投光機で浮かびあがる瓦屋根はどことなく神聖さを纏う。

その素材と仕事のすべてに悠久の歴史や物語、作り手と葺き手のスピリットなど、数値では測れない多くの”感性価値“が宿るがゆえん!

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この江戸時代の建物の移築プロジェクトもそう…大工も左官も僕ら瓦師も、土や木、そして火と向き合う根源的かつ永く持続してきたシンプルな仕事を日々黙々と直向きに続ける…。

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この自然に対する畏敬と感謝の念をもってする日本の建築は、一つの美しき神事だと思う。

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#鎌倉 #神事 #古民家再生    #再生可能エネルギー #持続可能性 #サステナブル #低炭素 #脱炭素 #カーボンニュートラル #sdgs

素朴な農家住宅

建築家ご夫婦の自邸project…素朴な”農家住宅“がほぼ竣工。

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焼杉とマットな質感の”銀古美“は本当に相性が良く、軒出寸法1,200㎜超がつくるプロポーションは、深い陰影をもって”日本的美しさ“を纏う。

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シンプルなシルエットを求めるとガルバリウムありきのような風潮があるが、どう違う?ってほど瓦屋根であって潔くシンプルだ!

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伝統的に数百種類もあるパーツの組み合わせで如何様にも意匠を表現できるのは、歴史ある和瓦の本領だと思う。

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【銀古美:仕様詳細】

軒:鎌軒瓦  ケラバ:普通袖瓦

棟:櫛面土瓦+熨斗2段(影積み)+素丸瓦

(*2段目を1段目より一寸出してより深い陰影で魅せるため、1段目の熨斗を割ったあと全てカットして幅詰めしている)

拝み部:石持(こくもち)巴に、棟端部の同じく石持巴を被せた“追いかけ巴”仕様

▶︎ https://gajin.hatenablog.com/entry/2021/08/30/123004

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#銀古美 #火入れ式 #神事 #菅組 #建築家の自邸 #農家住宅

永く存在(持続)してきた証…

鎌倉プロジェクトは、掛け瓦に櫛面土(クシメンド)瓦も設置され、いよいよ利根丸と袖丸の施工。

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“利根丸“は“刀根丸”とも書き、掛瓦と刀根地の境を丸瓦で伏せる仕上げのことで、今回は棟素丸瓦を施工。

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“刀根”とは、野地が折れた形状を刀身の鎬(しのぎ)筋に例えているからでしょうか…そのほか錣(しころ)屋根、靭(うつぼ)唐草、袖(そで)瓦…と、武具や着物など日本の伝統的なものをモチーフにした名が多く、裏返せばそれらと共に「瓦」と「瓦屋根」は永く存在(持続)してきた証。

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また日本語とくに「漢字」は、その成り立ちの背景にとても深い意味と物語が込められた秀逸なデザインであり、紐解き理解することも日本建築の一つの醍醐味だ!

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#鎌倉 #古民家再生    #再生可能エネルギー #持続可能性 #サステナブル #低炭素 #脱炭素 #カーボンニュートラル    #sdgs

瓦の窯元あるある…(笑)

”銀古美“一文字軒瓦の窯出しが続く!

年明けから大小様々なプロジェクトで、この一文字軒仕様が決まっている。

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一枚一枚行儀を確認しながらの結束作業。

で、今日の“窯元あるある”(笑)…こんな演歌歌手みたいなドレス、需要あるんだな〜!?(爆)

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こんなニッチなものにニーズあるなら、瓦はもっとありそう!?(^^)

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この一文字軒瓦もそうですが、設計者から「銀古美」はweb site掲載のパーツ以外でも出来るのかとのご相談をよくいただくが、「いぶし和瓦」にあるほぼ全ての役物は受注焼成で対応可能なので、ぜひ多様な屋根意匠を描いてほしい!

【銀古美web site】▶︎ http://www.daieibrand.com/products/ginfurubi/

「soil」誕生秘話…YouTube動画

瓦タイル「soil」という製品がなぜできたのか?

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㈱カスコ 柏原社長との対談動画…徳島人の柏原さんと、淡路島人の僕ら2人の微妙な標準語がウケます(笑)

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【瓦タイル soil 】淡路島に行ってsoilを作ってる道上社長に色々聞いてみました(後編)
ぜひこちらのYouTubeでご覧ください(^^)
▶︎ https://youtu.be/OhJtzO7cGok

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#淡路島 #ソイル #カスコ #瓦タイル #タイル #tile #ビンテージタイル #vintagetile

【本丸】と【二ノ丸】

滅多にない梱包名は、とあるお城へと…

なかなか経験出来ない仕事をありがとうございます!

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「城」は、歴史的にもアイコン的にも日本の象徴的な建築の一つ。

瓦屋根でなくては成立しない建築、瓦屋根でしか成立しない風景、瓦屋根でしか◯◯◯…

この必然の◯◯◯が、広く住宅建築においても、当然の◯◯◯へと原点回帰していけばイイな〜(^^)

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#城 #本丸 #二ノ丸

職人という気質…

鎌倉プロジェクトの箕甲瓦葺き…

宮大工のつくった下地に、葺き師は瓦の葺きあがりが描く線をイメージしながら更に木で下地づくりをする。

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銀古美での高温の還元焼成は難しく、尺二寸掛瓦の行儀に難があったが、瓦頭のラインを綺麗に描いてくれた葺き師の苦労のあとが嬉しい(^^)

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瓦師と葺き師は一心同体であり運命共同体…どちらも器量、技量の目一杯を注がなければ良い屋根にはならない。

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時代が求める求めざるに関わらず、瓦の世界に必要な気質は、どの立場においてもやはり“商人”じゃなく“職人”であるべきだし、建築においても本質は全てそうあるべきであり、“本当の持続可能性”とはこの次元の土俵でこそ実現するものだと思う!

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#再生可能エネルギー #持続可能性 #サステナブル #低炭素 #脱炭素 #カーボンニュートラル #sdgs