未来考房/瓦人 ~gajin~

和瓦とその未来を創る淡路島の瓦師ブログ

“かわら”について…

「いぶし瓦と銀古美の違いについて、同じ“いぶし”でも色が違うということなのでしょうか?」

とても有名な設計事務所から相談があったのですが、僕の発信力と熱量が足りないのか、“いぶし瓦”と“銀古美”の違いについてまだまだ伝わっていない(笑)

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[いぶし瓦]焼成後に“燻す”という工程をもって、金属的なまでに美しいいぶし銀の表面質感を生みだす。いぶし銀の根拠は塗装などではなく、高度にコーティングされた炭素膜である。

[銀古美]いぶし瓦よりも高温で焼成後、“還元”という特殊な工程をもって寂び感ある古彩色に仕上げた、傷も付きにくく突飛な変色現象もない堅牢な瓦。”いぶし瓦“の製法が伝わったとされる室町〜安土桃山時代以前、遥か飛鳥時代より1,000年続いた原点の色彩。

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いぶし瓦である“かわら美人”は、空の色をそのまま映すほど透き通るような晴れやかさ。

かたや同じ土を焼いた瓦でも、“銀古美”は一枚一枚に自然な濃淡があり、土もの・焼き物らしい素朴な質感が魅力。

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製法と組成の違いや、背景にある歴史や物語、そしてそれぞれの施工事例をもとに「瓦」というものを設計者と一から十まで掘りさげる時間は改めてとても大切だ(^^)

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