未来考房/瓦人 ~gajin~

和瓦とその未来を創る淡路島の瓦師ブログ

瓦屋根は再び瓦屋根へ…

京都の古アパートリノベーションで内外の大改修が続く現場…凍害でボロボロになっていた釉薬瓦から“銀古美”への葺き替えが、雨の直前なんとか昨夕完了した!

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オーソドックスな仕上げに、櫛面土瓦もきちんと緊結し、棟は甍覆(いらかおおい)の一本伏せで切妻のシルエットを伸びやかに表現した!

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(桁行約20mある棟には、4ヶ所の棟換気システムを設置し、改修後の小屋裏環境をケアしている)

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内部で使われていた古材を再利用した外壁はヴィンテージな表情が美しく、デザインもとてもキュートだ(^^)

築半世紀近い建築が、安易に解体されるのではなく、こうして現代のライフスタイルに合わせたデザインで持続させる取り組みは、これからもますます増えていってほしい!

その際は、出来れば瓦屋根は再び瓦屋根へ…(笑)

そのためにも古民家をきちんと手術できる大工や左官、そして瓦師や葺き師を、国家としても今後もっと増やしていかないといけませんね!

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設計:究建築研究室 Q-Architecture Labo.

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#古民家再生

#古民家リノベーション

#再生可能エネルギー #持続可能性 #サステナブル #低炭素 #脱炭素 #カーボンニュートラル #sdgs

“確かに作っている”といえる建築…

広島の帰りに岡山の現場に立ち寄り、ホルツヒューター・カイルさんに会ってきた(^^)

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古民家と蔵を改修中で、土と木と草と漆喰と瓦と石と…生命力のある地球由来の素材しかない現場は、知恵と力で“確かにモノを作っている”という空気感に満ち溢れ清々しい!

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敷き瓦の海鼠壁も、目地の漆喰は見た目は“七宝”だが葉っぱ模様なのが自由でいい!

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数値・数値と五月蝿い現代…こういう竹かんむりに土、瓦、木と書く字の通りの本来の“建築”が、当たり前に生まれる世の中になればいいと思う。

カイルさん、レタスありがとうございました(^^)

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#土壁

#竹小舞

#再生可能エネルギー #持続可能性 #サステナブル #低炭素 #脱炭素 #カーボンニュートラル #sdgs

土を愛する人がつくる家

突然ですが、広島に来ています!

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土を愛し、土と共に生きる福川産業さんの土と木と瓦の家…以前「火入れ式」で皆が手を合わせ“想い”を込めた銀古美の瓦が無事に屋根となり、風景を創ろうとしている!

*火入れ式シーン ▶︎ https://gajin.hatenablog.com/entry/2022/11/04/135453

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現場は竹小舞が編まれ土が塗られ、竹、土、瓦、木という“築”の字を構成する素材たちとヒトの手が躍動する…昔から続く“ニッポンの建築現場”って感じが心地良い。

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外壁仕上げの土壁はオリジナル配合で撥水効果を発揮する…アカン、瓦よりカッコええ〜^^;

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この性能×素材感、表情、景色のコンボに負けないよう、瓦ももっと精進しないと!

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#火入れ式

#広島の家

#銀古美

#土壁

情熱の朱-aka-

西陽に当たると燃えるように朱く染まるんです!

窯場が“情熱の朱-aka-”に染まる時がまだ続く…

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銀古美よりももっと高温で焼きしめた茜色の甃(しきがわら)がいっぱい。

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銀古美で295×295㎜になる甃が、290×290㎜まで収縮しており、その艶やかで色気のある“朱”の表情からは想像も出来ないぐらい、削ってもキズが消えるほど堅牢な肌に仕上がった(^^)

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焼成温度を上げれば上げるほど朱が濃くなる淡路土…深みのある朱の景色は土と炎が描き出す芸術だと思う!

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#赤瓦

#素焼き #テラコッタ

#素焼きタイル #タイル

#瓦タイル #ビンテージタイル

#tile   #vintagetile

#敷き瓦 #甃

銀古美 木瓦「福山の家」

“木瓦”で大いに挑戦させていただいた「福山の家」の竣工写真が届いた!

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薄い木瓦の織り重なりが描き出す軒先や破風のシャープなエッジが美しく、日本建築にとってまた一つ新しい、上品で格式高い瓦表現が出来たと思う。

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俯瞰写真は木瓦の小割り感もあってジオラマのようで面白い(^^)

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今からちょうど2年半前の設計相談から始まったプロジェクト…こうして実現すると感無量だ!

関係者の皆さん、瓦の可能性を引き出していただきありがとうございました!!

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[銀古美 -木瓦-]

細長く薄い手割り板を葺き重ねた木羽のような瓦。

柿葺き、栩葺きなど中世以降、社寺建築や書院、客殿に用いられてきた木の屋根を、永い年月をかけて大気と日光の営みによって造りだされた”寂び“の力を宿したように、一枚一枚豊かな表情で焼きあげた耐久性の高い「木瓦」が再現する。

銀古美 木瓦は、日本の風景に懐かしくも新しい、そして上質で風格ある佇まいを創る。

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設計:SURF Architect

瓦葺き:藤井製瓦工業

Photo:Nacasa & Partners

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#木瓦 #柿葺 #栩葺き   #桂離宮 #広島の家 #福山の家 #建築家と建てる家

#火入れ式 #神事    #再生可能エネルギー #持続可能性 #サステナブル #低炭素 #脱炭素 #カーボンニュートラル #sdgs

瓦再考…

世界のものづくりにおいて、強烈なブランディングで世界観が確立されているものは時代を跨いで強い!

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これからの瓦づくりは“理由づくり”と“物語づくり”に注力するべきであり、最早そういうところにしか価値を見出しにくくなっている。

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自らプロモーション〜デザイン〜製造を全部出来る超小規模のブランドこそ強い!

思いっきりブランディングして世界観を創り、価値を高めて既存のフィールドとは違う展開をしていくブランドがこれから生き残るブランドだと思う。

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瓦でいうと工業製品化、大量生産化とは真逆の瓦づくり…均一均質で“土もの” “焼きもの”としての本来的魅力に乏しい瓦ではなく、一枚一枚豊かな表情をもつ大らかで生命力溢れる瓦。

誤解を恐れず言うならば不均一で不均質な瓦づくり…ある意味、設計しにくい瓦だ(笑)

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そのほうが絶対に正解がなく面白いし、クリエイティブで、物語が宿り、唯一無二の美しさを纏う…土と炎の気まぐれに大部分を委ねる“銀古美”という瓦は、まさしくそんな土俵を創ろうとしている!

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瓦再考…実はごく原点的でシンプルな解が導き出されそうだ(^^)

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#屋根再考

#住宅建

#ブランディング

#ものづくり

#脱工業製品

作り手の想いを伝える仕事…

本日、かがわ木造塾「木造と手仕事」

Gallery土坐での1時間半の瓦レクチャーのあと工場見学。

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海鮮丼ランチをはさみ、原土採掘場の見学、そして現在瓦葺き進行中の宝生寺、最後は“淡路島の家”見学と…本降りの雨のなか、改めて長く続いてきた素材とその長く続いてきたシンプルな製法、そして作り手の想いとともにそこから必然的に導き出される本当の意味での持続可能性へのヒントなど、多くを共有させていただいた!

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こういった機会はとても貴重だ!

“瓦というモノとコト”…この国で1,400年も続くその意味と意義を、これからも一人でも多くの人に伝えることが出来るよう精進しよう!

参加者の皆さん、今日はアメニモマケズ…朝から終日お疲れ様でした!(^^)

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