毎年、瓦講義をさせていただいている前橋工科大学から、建築家を目指す学生を今日から一週間お預かりしています。
まずは瓦の歴史から…400年以上前から生業として淡路島に根付いた必然の理由とシンボリックな風景を案内!
土、風土、土着のヒト・モノ・コト…「瓦」にまつわる“素材の原点を知らずして建築をつくれず”という強い意志で淡路島まで来られたピュアな想いに精一杯応えたいと思います(^^)
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ある取材を受けました!
古彩色“銀古美”という瓦づくりに込める想いやビジョン。
思えば20年ほど前からずっと同じ想いを抱き続け、まだまだ未熟で拙いながらもいろんなシーンで言葉にして伝えてきました。
もう随分前ですが、「全国瓦サミット」をここ淡路島で開催した際の講演映像がYouTubeでアップされています!
【前編】https://youtu.be/Hn38gfQ1NZg
【後編】https://youtu.be/sYzXimwg2U4
今、客観的に聴くと未成熟な点も多いが、2本の動画で約1時間…ご興味のある方は、”一枚一枚の瓦づくりに込める想い“を知っていただければ幸いです。
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「一枚一枚の瓦をつくるその先で、それが連なり折り重なる屋並みと美しい風景を創りたい!
そしてさらに、その折り重なる屋並みのもとにひろがる、同じく折り重なり繋がりの深い人々の豊かな関係性を創りたい!」
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#サミット #地域再生 #地域創生 #まちおこし
壁や土間でデザインを表現する円形瓦タイル「円坐−maruza−」…この普遍的なカタチから溢れでる“モノ”としてのパワーに想像力をかき立てられる。
壁へのアートワークでお世話になった建築家 川添さんによる“インスピレーション”を表現してみました!
project ▶︎ http://gajin.hatenablog.com/entry/2021/01/20/160722
その時の料理やその時の気分に合わせ、好きなサイズを好きな組合せで…テーブルシーンがワクワクしそうです(^^)
それにしても“銀古美”で焼いた瓦のビンテージグレーは料理の彩りが映える!!
*径:9寸、6寸、5寸、4寸、3寸、2寸の6サイズをセットにして「maruza-ra」として販売しようと思う(^^)
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#円坐 #銀古美 #器 #タイル #料理写真 #料理好きな人と繋がりたい #料理人
“銀古美”の窯出しから…正面から見ると特に問題のない巴瓦だが、違う角度から見ると歪みねじれてしまっている(汗)
”銀古美“の還元焼成は土にかかる負荷が大きく、通常の”いぶし瓦“の焼成温度までならほぼ教科書通りに仕上がるが、その温度域を超えると瓦がイレギュラーに変形する!
プレス時の圧のかけ方や、磨き仕上げする際のタメの入れ方など、この歪んでしまう必然の理由もいくつかあるが、瓦は美術工芸作品ではないので、出来るだけ歪まないような工夫が必要。
高“付加”価値製品を生み出すには、いろんな面での高“負荷”も必要…“艱難汝を玉にす”って言葉の一つの真理がここにある(笑)
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#ことわざ #人生哲学 #故事 #銀古美
銀古美の人気棟瓦“甍覆”は、現在は平板瓦の三角冠をアレンジしていますが、どうしても工業製品的シルエットになるのは否めない。
「神明造り」にインスピレーションを得た、もっと洗練したデザインで哲学的美しさを纏う本来の“手作りプロトタイプ版”(施工例:住宅建築2020.2月号掲載”徳島の家“→ http://gajin.hatenablog.com/entry/2019/03/06/112448 )は、間に合わないのと、単価が高くなるので一旦製造をストップしていたが、やはり目の肥えた葺き師や設計者ら”玄人“からの要望が多いので手作り製作再開!
“銀古美”は焼成温度が高いので行儀をとるのが難しいが、出来るだけ“反り”に仕上げ、建築の輪郭をより美しく仕上げたいと思う!
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今朝も6時前から瓦づくり開始…流れてくる白地(乾燥素地)の積み込み作業は人の手によるが、その日の行儀具合で焼成コンテナに積み込む奥行きを微調整する。
ただ土は生き物…その日その日で乾燥白地のクセも違い、それを見極めながら積み込む深さを変えるため、目安となる印を金型の裏に刻んであり、これを基準に深く積むか浅く積むかを調整している!
ちなみに深く積めば“向こう跳ね”に、浅く積むと“尻跳ね”となり、極端に深くまたは浅く積んで、例えば反りや照りの屋根に必要となる意図的なねじれの瓦を作る時もある。
ただ昨年からここ暫く土の機嫌が良くなく、収縮が大きくなり過ぎ、それに伴って行儀のコントロールがまったく難しくなっており、この積込み風景の笑顔は今や苦笑いになっている(笑)
結局いかに機械化が進んでも、こうして人の目と経験と感は、伝統産業にとってはいつまでも大事だ。
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