未来考房/瓦人 ~gajin~

和瓦とその未来を創る淡路島の瓦師ブログ

日本から瓦が無くなる!?

ちょうど2年前に建築家 堀部さんたち設計チームがお越しになり、淡路島にて“瓦というモノとコト”に触れていただいた。

f:id:daieibrand:20230327070155j:image

f:id:daieibrand:20230327070219j:image
工場を見学されて「土を水で練って焼くだけ?そうか〜、こんなプリミティブでシンプルな仕事だから千年続くんだね!」

「建築も素材も、本来的に改めてもっとヒューマンスケールを元に作られるべきであり、だからこそ瓦の大きさやカタチも、今のスケールで千年余も続くんだと思う!」

その建築哲学や信念に触れ、とても勉強になり、また伝統的瓦をつくる者として大いに励みになった。

f:id:daieibrand:20230327070138j:image

ここ数年、津々浦々から多くの建築家の方々が来島し、今後もご相談をいただいている。

「瓦づくりの現場を見たい」

「素材の原点を知りたい」

「作り手の想いに触れたい」

「瓦を一から知りたい」

“装置”のように、なんなら“倉庫”のように成り果てた家づくりから、確かに永く持続してきた生命力のある素材を再考するフェーズに入っていると実感する。

f:id:daieibrand:20230327070311j:image

f:id:daieibrand:20230327070323j:image

ただ、淡路瓦の総生産枚数と総出荷額は平成4年の最盛期と比較して共に95%減にまで落ち込んでいる。他産地も大なり小なり同じような現状だ。

はっきり言う…このままでは日本から瓦は無くなる!

京都、奈良はじめ日本の美しい町並みから瓦屋根が無くなる風景を想像してほしい。

国宝も城も社寺も古民家も再生出来なくなる。

「それはさすがに駄目でしょう!」と、皆“よそごと”のように言うが、抑止力が働くのを待つ猶予はもはやない。

f:id:daieibrand:20230327070358j:image
f:id:daieibrand:20230327070401j:image

とはいえ、設計者と共に一件一件の計画を実現していき、一軒一軒の積み重ねで風景を創っていくしかない。

そのため明日は三重まで走り、松坂建築家クラブ様で瓦レクチャーだ!

また一軒の瓦屋根に繋がればイイな〜(^^)

ーーーーーーーー

#銀古美 #堀部安嗣

#淡路島の家

#建築家と建てる家