神戸の家…破風は中付け袖で、軒は桟瓦を三寸出しで軽やかに仕上げますが、隅が一か所あり、その廻り隅用の手作りトンビ。
葺き勾配と左右の桟瓦との兼ね合い等、諸々高いハードルがありましたが、なんとか行儀・姿も良く、上品な古代いぶし色に焼きあがりました。
棟は徳島の家と同じくオリジナルの「甍覆(いらかおおい)」…神社における“神明造り”にインスピレーションを得たデザインで、伝統建築の哲学的な意匠を連想させつつ、洗練された空気感を纏う、シンプルでスタイリッシュなシルエットを目指します。
ディテールへの拘りはあくまでも主観的な美意識ですが、この“細部に宿る神”が全体の美へ及ぼす効果に期待したいです。