未来考房/瓦人 ~gajin~

和瓦とその未来を創る淡路島の瓦師ブログ

2024-12-01から1ヶ月間の記事一覧

まだまだ創ろう「瓦景」!

2024年も多くの建築士の方々にお声がけいただいたおかげで、津々浦々で美しい“瓦景”を描けてこれたことを嬉しく思います。 毎年書いていますが… 「瓦に命がけ」の人たちとの繋がりを大切にしていきたい。 「瓦に興味がでてきた」という人達ともっと出会って…

仕事納め…

「淡路島の家」旧家改修プロジェクトから… むくり屋根で曲率が伸びた八谷の谷瓦が無事に納まった。 融通が効かなかった割付けも、たまたまちょうど八谷の芯に唐草を施工することで、結果として体裁よく仕上がったのが良かった。 あとは素丸を施工して年内は…

本来の瓦らしさ…

年末に地葺き追い込み中の「淡路島の家」 ふと見ると多彩な平瓦の表情が綺麗だ。 “銀古美”の焼成術は、瓦一枚一枚の個性を引き出す焼きものとしての醍醐味…とくに曇っているとその表情と景色はとても豊かだ。 銀鼠に薄墨に藤鼠に浅葱鼠…美しい和色のグラデー…

真っ直ぐばかりではダメ…

年末最後、今日の窯出しから… 岩崎さんの進める茨城の計画で、片流れ棟を納める手作り4寸垂れの“逆一文字瓦”の試作を年末ギリギリで窯出し。 なんとか自立焼成できたので、思ったほど反ったり捻れたりせずに仕上がったが、厳密にいうと“向こうバネ”という跳…

伝統素材たちの本領…

今朝は早朝から高松へ… “茅葺きと木瓦の素敵な関係”は、彩度の低い冬色の素朴な風景を描いていた。 時を経るほど美しく成熟する…伝統素材たちは美しいなぁ。 現代の建築に使われないのは非常にもったいない…もっと使われてほしいなぁ(^^) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・…

絵になる風景…

今の淡路島の現場から… それにしても紅葉した中庭のもみじと瓦屋根が描く世界観はなんとも風流だ! クリスマスイルミネーションもいいけど、この国にある“美しきもの”にもっと目を向けるべきだと思う。 “絵になる風景”は、瓦屋根の建築が作ります(^^) ・・・・・・…

現場対応力…

淡路島の旧家改修プロジェクト! 下屋根と増築屋根との取合い八谷の検討。 増築部がむくり屋根のため八谷の曲率が45度から伸びる。 特注谷瓦をつくる間がなく、あるものでなんとか納めるべく、割付け〜下地づくりと葺き師に手間をかけたがなんとか無事に仕上…

住宅建築 2025.2

届きました! 【創刊50周年記念】2025年2月号No.509 特集:地域のなかの建築/地域を育む建築 *銀古美の建築が表紙を飾り嬉しい^^ ・小さくても持続できる方向にシフト ・「豊かさ」を見つめ直す ・その土地の自然や文化、産業を生かす ・地域で建築をつく…

川西市 郷土館「旧平安(ひらやす)邸」

銅の製錬を生業としていた旧平安邸。 大正7年頃築 国の登録有形文化財。 このたびの大規模耐震改修による屋根の葺き替えで、“銀古美”が古瓦と上手く共存しつつ、ノスタルジックな景色を継承できた! 現代の工法をもって変えるべきは変え、残すべきは残し、直…

スーパーラージヒル!!

200年ぶりに屋根が丸裸になった徳島の社寺本堂改修プロジェクト。 今日は雪の舞うなか、解体を終えた屋根に鬼勾配を計測に…元のプロポーション通りやはり勾配がキツい^^; 例えるならラージヒル!? ラージヒルが35度前後ということは7寸勾配。 ここはなんと5…

三百六十五歩のマーチ(笑)

茨城県で進めている計画から… 片流れ棟を納める“逆一文字瓦”の垂れ長さの指示を受けて試作…谷芯(最深部)から4寸の長さでカタチにするとかなり大きい! 屋根勾配4寸だと瓦勾配3.1寸。 それに合わせて垂れが垂直になるよう手付け。 和瓦のアール(行儀)をキープ…

“瓦の神様”は見てくれている…

今日はお世話になっている工務店の40年続く伝統コンペ…なんと今回が第134回!! 世界に一本だけの瓦パターの出番でした(^^) 人様の瓦パターを作ってばかりで、振り返ると今年は結局正月から今日で4回目のラウンド…季節に一回程度では“ゴルフの女神”は微笑ん…

今年最後の瓦レクチャーでした!

淡路島の旧家改修プロジェクトで、大屋根に続きようやく下屋根の瓦葺き開始! 上屋根も出来たてだが、永い年月をかけて大気と日光の営みによって造りだされた「さび」の力を宿すように“銀古美”の本領を発揮している! 今回の難所…むくり屋根との取合い部“八…

「 天竜杉×銀古美 」

銀古美を葺かせていただいた京都“岩倉の家”を、設計の毛利さん直々に説明付きで見学させていただいた(^^) 桟瓦葺きさらしの素朴な軒仕上げに合わせて、袖瓦は京都では珍しい“中付け袖”仕様。 シャギーな意匠が小粋に陰影を演出する。 天竜杉と銀古美の建築が…

「遠慮の美学」

今朝は京都から… 古民家改修による珈琲店計画の庇への“木瓦”葺きが完成…その繊細で薄いシルエットはまるで柿葺きのようだ。 ハナミズキの幹を躱わすための縋るは、例の“瓦割り虎の巻”で無事に野地開口…自然を生かし残す“遠慮の美学”は、火入れ式で名を刻まれ…

国生みの島…

鹿児島からの帰り… 上空から見た淡路島が神々し過ぎる件!! それはまさしく古事記に記された“国生みの島”たる風格。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ #国生みの島 #イザナギ #イザナミ #伊弉諾神宮 #淡路島 #古事記

諦めることを諦めよう…!

鹿児島県瓦工事業組合 創立70周年記念式典にて登壇…「“瓦”を諦めかけている“瓦に生きる”職人達に希望を届けてほしい」との依頼に、“瓦復権へのシナリオ”を伝えさせていただいた(^^) この国で1400年以上も確かに持続してきたものが持続可能じゃなくて、一体何…

複眼的思考…

昨日に引き続き、滋賀県建築組合の大工さん達8人とで建築巡り。 僕ら瓦師とは目線が違い、構造や木組み、仕口など…「木」に目をやる。 「建築の中身(構造)が見たいなあ!」って素直な感想(^^) ということで、淡路工舎チームによる圧巻の「宝生寺」建て方シー…

建築談義…

日曜日…今日は滋賀県建築組合の皆さんを迎え瓦レクチャー&工場見学から、みんなで瓦コースターづくり体験! ほとんどが大工職というメンバーは、普段扱い慣れた木を粘土に置き換えてのモノづくり…ただそこは百戦錬磨の職人衆、道具を制し、土を制し、見事な…

学ぶべきは美意識…

国指定重要文化財 鳴門市 福永家住宅。 入浜式塩田の姿を残す住宅及び塩田は国内で現存する唯一の製塩関連施設で、日本の製塩技術の発展過程を示す重要な建物群。 先日、沖縄からのゲストと北側空地から見学。 茅葺き×石積みの鹹水溜(かんすいだめ)の横に高…

「 拝啓 谷川孫右衛門さま… 」

徳島の本堂改修現場から…200歳の骨格の生き生きした躍動感には感動したが、ついでに200歳の鬼瓦達も今にも表情が動きそうなほど生命力が漲る! っと、よく見ると…ここにもいらっしゃった“谷川”さん! 四国八十八ヶ所の寺の瓦でもよく見られる“谷川”の屋号…大…

徳島の本堂改修工事 Day – 4

境内敷地の狭さと急勾配によりなかなか解体も進まないが、徐々に骨格があらわに。 築200年の骨格は、まるで丸太が“生き物”のように絡み合う躍動的な木組…その通り、200歳とは思えないほど生命力が漲る。 土、木、瓦…地球由来の素材の力は凄いな〜! そしてな…

沖縄×淡路島 瓦の未来創り

昨日から沖縄からの建築チームを迎えて、いろいろ打合せに工場見学…今日は“銀古美”の建築巡りで堀部さんの「脇役に徹する建築」へ! 瀬戸内の多島美を借景に、脇役に徹する建築がまさしく脇役ぶりを発揮していた(^^) 冬でも潔く海側のガラス建具は全開放だっ…

200年ぶりの衣替え…

200年の風雪に耐えた圧巻の風格… 徳島の某寺 本堂改修工事が本日スタート! 急勾配屋根の解体はスリル満点のアトラクション(笑) 現調時にその美しい姿が気になっていた御所系デザインの降り鬼は、再施工できるか持ち帰って検証だ。 野地が出来れば“銀古美”の…

堀部安嗣作品集

堀部安嗣作品集Ⅲが届いた! 「広島の家」 ▶︎ https://gajin.hatenablog.com/entry/2023/01/19/071342 「時の納屋」 ▶︎ https://gajin.hatenablog.com/entry/2024/06/29/071839 2件の“銀古美”を葺いたプロジェクトが掲載されており大変光栄で、また励みになり…

かわらのおはなし

週末、東京・名古屋からのゲストへ瓦レクチャー。 「田舎だから瓦屋根が似合う」ってのは、田舎はせめてそうあってほしいという都会人の諦め? 住宅が密集している都市部ほど、実は諸外国のような圧巻の風景をつくれるんですよ! 建築意匠と景観の秩序や統一…