未来考房/瓦人 ~gajin~

和瓦とその未来を創る淡路島の瓦師ブログ

2023-06-01から1ヶ月間の記事一覧

56°の絶壁!

宝生寺の谷瓦製作もクライマックス…まるで神輿のように照り起りのきつい唐破風屋根の最大勾配は56°!? 工場で勾配を再現するも…あれ!?こんなに急激な勾配だったっけ?って不安になり、再び現場へ走り確認してもやっぱり合っている。 当然立つことは出来な…

瓢箪、魚、あとはヘラ?バチ?

たった3枚の製作依頼だが、一つ一つ違う紋という…手間ひまは×3で9倍の仕事(笑) これらが軒で順に並ぶ粋な屋根…ストーリーがあって素敵ですね(^^) この、たった一枚からでも手作りで柔軟に対応できる素材であることこそ、伝統的瓦の魅力であり絶対的な価値。 …

必然たれ…

淡路島「宝生寺」の現場も梅雨の晴れ間を逃さず“滝汗”の瓦あげ…昨夕も工場仕事を終えてからのパンプアップは体のあちこちがキツい(汗) ただ、建築が瓦の衣で覆われてくると嬉しくなる^^ 地球由来の素材のチカラか? 悠久の歴史を生き抜いてきた底力か? 金属…

美味しいワイン作りの秘訣…

長野 東御市でのワイナリー建築…軒とケラバには、丁寧に加工され柿渋に炭を混ぜて塗った木面土が打たれ、銀古美が一枚一枚風景を描いていく! 壁には竹小舞が編まれ土壁の準備。 とことん“ニッポンの建築”です! 土壁に瓦葺き…ワイン作りのベースとしては最…

passive architecture

見慣れないアングルからの“銀古美”本瓦葺きをどうぞ^^ 屋根上では灼熱の瓦葺きが続くが、地面に降りると汗が引くほどの涼風が足元から流れてくる。 石場建ての床下空間が絶大な通気効果を発揮し、人工的な断熱気密などではなく、高温多湿なこの国で遥か永く…

うずまちテラス!!

銀古美”木瓦“が460㎡の海原を描く淡路島「うずまちテラス」からの夕景がヤバい件! それにしても、ここからの見晴らしは淡路島でも随一だ!! またその絶景に瓦屋根があるということも、文脈的になによりも大切だ(^^) #木瓦 #淡路島 #淡路島道の駅 #絶景レス…

kawara tattoo!!

“デジタルタトゥー”って最近よく聞くが、アナログタトゥー“って初耳でしょ?(笑) 土を焼いただけの瓦が、”いぶし銀“ならまだしも”いぶし金“になってしまった^^; 炉内で暴れまくった炎の爪痕が瓦表面に残され、金×プラチナのグラデーションがあちこちに(汗) …

瓦の神様…

銀古美の窯出しから… まずは宝生寺 本堂“八谷”部分の谷瓦が無事に焼きあがった! 仮並べするとノサ加減も塩梅よく、原寸通り緩いムクリ曲線を描く仕上がりに安心した(^^) さあ、あとは現在製作中の唐破風部分の超特大の谷平…お化けサイズのパーツが左右計6枚…

西村半兵衛さんのおかげです…

淡路島 宝生寺…客殿の瓦葺きは銀古美の“簡略”。 昔から和形桟瓦のことは、“本瓦葺き”に対して“簡略”という…知ってました? なんだか簡略というと安っぽく聞こえません? この国で瓦が当たり前だった過去数百年からすると、今の時代で“簡略”というとスレート…

屋根再考…

大阪の“ほぼ新築”現場では銀古美の地葺きが完了…軒も袖も桟瓦仕様で、シャープなシルエットが印象的。 設計者 岡さんが描いたのは素朴で敷居が低く、新しくも懐かしい瓦屋根…“銀古美”の古彩色が夏の陽を受けてもギラギラと反射することなく、とても柔らかく…

風景から風土へ…

長野 東御市のとても美しい土地でワイナリー建築の瓦葺きが始まった! 手刻みの堅牢な木組に架かる大きな切妻屋根で、4,200枚の銀古美がこれから一枚一枚風景を描いていく。 「風景」とは、ヒト・モノ・コトがあってようやく描かれる。この建築に込められた…

400年への敬意…

某城内にある古建築改修に際し、立鼓(りゅうご)紋入り鬼瓦の復元デザイン確認と、急峻な坂道をトラックが登れるかどうか確認…。 なんせ石積みが美しい! 400年という悠久の時の流れがつくったこの城の世界観に、“銀古美”が創る素朴で寂びのある佇まいは上手…

architecturephoto

外壁に「木瓦」13,000枚、内外壁に瓦タイル「soil」40,000枚を使用したOH ArchitectureさんによるプロジェクトがWEBメディア「アーキテクチャフォト」に紹介されました! https://architecturephoto.net/181530/ 建築と社会の関係を視覚化するメディアで紹介…

施工例 追加情報

“瓦のような木”から“木のような瓦”へ… 銀古美「木瓦」は、その千枚千様の表情をもって屋根に、建築に、豊かな生命力を与える。 *ウェブサイトに追加しました。 ▶︎ http://www.daieibrand.com/products/kigawara/ [福山の家] 設計:SURF Architect 瓦葺き…

土と瓦の魅力を伝える仕事 〜現場をもっと身近に〜

もう9年も前の久住さんとのプロジェクト! [香川県 ㈱谷本建設様 ギャラリー計画] 足場で全て隠してしまっての安全対策も大切だが、こうして昔のようにもっとオープンに、建築現場で大工や左官や瓦葺きにおける素材や手仕事に触れていただくことの方がもっ…

terracotta!

東京の店舗ファサード用に、指定サイズで手作りした素焼きの瓦タイルとコーナー用の丸瓦が焼きあがり仮並べ。 色味の違いは窯内の位置によって変化した。 こればっかりは完璧にはコントロール出来ないが、見る角度によって表情が変化するのが、土を焼いただ…

傘が傘であるために…

銀古美の窯出しから… 特注「“中付け”逆一文字」が焼けました! (逆一文字とは片流れ屋根のトップに納める役瓦) 瓦尻部から一寸ほど内側に垂れを付ける手作りの特注仕様だが、なんとか葺き勾配に合わせた垂れ角度は揃った(汗) ただ、あちこち合端(あいば)しま…

今日は多くを語りません(→語れません 笑)

山を越え〜、谷越えて〜♪ タワーの位置から遠い遠い…(汗) 午前中で瓦づくりに目処をつけ、午後から宝生寺で客殿部分の瓦揚げ! 半面2,000枚超の荷揚げで日暮れまでかかり、ただいま両足裏が大きく水ぶくれ囧 明日は使いものになるかな!?(笑) お疲れ様でし…

ん!こんな積み方アリ!?

宝生寺の谷平と谷巴も、まずは本堂の八谷分を窯積み…その積込みの姿は、瓦師なら一目瞭然で違和感を抱くだろう。 垂れ面を伏せて焼くなど、いぶし瓦の焼成なら絶対に出来ない積み方(笑) いぶし銀とは違い、“銀古美“の焼成には瓦窯元の常識では計れない焼き方…

世界最強の証し…

淡路島 宝生寺…谷瓦が焼き揃うまで本堂は一旦置いておいて、客殿の瓦葺きに移行。 工程都合のおかげで本葺き構造が丸見え(笑) 瓦の重なり断面を見るとよく分かるが、3枚重ねとなることで、“本瓦葺き”は暴露試験をすると世界最強の雨仕舞い性能を誇る。 山に…

”自然”を表現し、”自然”にとけ込む…

淡路島 宝生寺…本堂方形の2面が完成! よく見ると、銀古美の焼成術が一枚一枚の“個性”を引き出し、藤鼠/灰青/浅葱鼠/薄墨/銀鼠…と千枚千様の表情で魅せ、周辺里山の草木や土の色彩とシンクロし、この土地の風景にとけ込むようだ(^^) 木々や草花に二つと…

お肌にも気をつかいます(笑)

銀古美「甃(しきがわら)」を工場でレイアウト… 今回クライアントからの要望により一枚一枚丁寧にオリーブオイルを塗布…どうでもいいこだわりだが、せっかくなので“エクストラバージン”を用意した粋な瓦師です(笑) なんなら瓦の肌がキレイになるかも… 瓦も人…

生命力ある“素材”に還ろう!

淡路島の宝生寺では左官チームの果てしない荒壁付けが続く! 本堂に客殿にとなんせ壁が多いので、縦横無尽に歩み板が張り巡らされ、人海戦術の助っ人の宮大工達も汗だくになりながら一輪車で走り回る大運動会だ(笑) 土に水を撒き、足でひたすら踏み、寝かせ…

[ 和洋折衷鬼瓦 ]

さあ、次々と銀古美の窯出し… 鎌倉プロジェクトの鐘楼に施工する経ノ巻が無事に焼きあがった! 質感、色彩とも見事に“銀古美”特有の上品で寂びの美しい風合いに仕上がり、いぶし銀とは違い、焼きたてながらもはや千年を生きたような風格を纏う。 アメリカ人…

奇跡の一枚!!

ちょうど2年前のmission “possible”!! 焼成温度の高い“銀古美”の窯で、奇跡としか言いようのないほど寸法も行儀も精度良く焼きあがった、超繊細シルエットの大判一枚板瓦! 【 size:1,200×500×15(㎜)】 実はどこに使われたかというと… 穏やかな瀬戸内の海…

神の比率…

工場にある4mある檜の手摺は“白銀比”が美しい和瓦のシルエットだ(^^) 白銀比とは「1: √2(1.414)」の比率のこと。 「大和比」とも呼ばれ、日本では古くから大工の間で「神の比率」とされてきた。 日本最古の木造建築である法隆寺金堂や五重塔、伊勢神宮など…

Mission Impossible!!

絶賛準備中の谷瓦のなかでも唐破風部分のパーツが、実測してきた原寸をもとにカタチにするとあり得ないほど大きなものに!? 既製品の谷平がミニチュアに見えるほど超オバケサイズだ(汗) 立てると高さ1mほど…こんなもの果たして無事に焼けるのか!?^^; また…

「瓦」を遊ぼう!

銀古美で葺く建築家の自邸…香川の家 棟仕様:のし2段“影積み”×追いかけ巴 端正かつ上品であって、素朴でもある。 ここ数年この仕様の相談が多い! 多様にある役物の組合せにより、瓦屋根の表現には限りがない…歴史あるこの素材をセンシティブな現代感性でも…

− ヒトテマ −

「富山の家」の銀古美を手巻き寿司のようにラップ梱包中…(笑) このパレットを重ねる場合、上段4隅の瓦が欠けることがあるので、“肘当てサポーター”のように厚めのダンボールをあてがって真心梱包! 瓦を愛する“瓦バカ”は、このひと手間に愛情を込めます(^^) …