未来考房/瓦人 ~gajin~

和瓦とその未来を創る淡路島の瓦師ブログ

2023-04-01から1ヶ月間の記事一覧

レシピは無限大…

荒壁がとても綺麗だ! 生命力に溢れ、あらゆる意味でこれ以上の壁はなく、だから1,000年以上続く! 淡路島 宝生寺の客殿玄関は唐破風屋根。 屋根の造りは船体の肋骨を彷彿とさせる! 元意匠が復元された唐破風屋根は思ったより照り起り(てりむくり)が大きく…

季節外れのサンタクロース(^^)

淡路島 宝生寺の屋根には、以前から寄進用に預けてあった瓦も多数葺く。 そこには百千の想いがあり、百千の未来がある。 それにしてもたくさんある! バラ積みされた寄進瓦を一人倉庫でまとめるだけで骨が折れた^^; ただ、せめて救いと励みになるのは、ほと…

GWはBW!?

淡路島 宝生寺では敷き平の原寸書きと大工さんの座刳りの追いかけっこ! さすが宮大工の仕事…波打つ瓦座が生き生きとして綺麗だ(^^) 本堂方形の野地が4面ようやく仕上がったので桟木打ち開始。 このあと縦桟を打ち、いよいよ明日から瓦上げ…寂びの美しい“銀…

ないものは手作りでカタチにする…

けっこう大きなワンピースは、向拝切隅や箕甲切隅用の役物瓦…これで左右2辺の長さが尺2寸、隅先までの対角線長さで50cm以上になる。 改めて、先人瓦師たちは凄いな〜! 大工や葺き師の要望に応え、試行錯誤を繰り返しながら求められる瓦をカタチにしてきた。…

瓦*木*コンクリート

けっきょく素材そのままが美しい。 そして佇まいも風景も美しい! “ストレート軒”の施工例について問合せあり。 [香川の家] かわら美人56判(面取) 軒:ストレート軒瓦 *合端(削り合せ)不要のシンプル軒瓦 木の家、土の家、自然素材の家…とのキャッチコピ…

ひと手間…

淡路島 宝生寺…今日は雨で現場は養生しておき、工場で敷き平、軒唐草、軒巴の選別。 “銀古美”は鉄分の多い淡路土に対して焼成温度が高いので、行儀も暴れ気味(笑) 一枚一枚のねじれ、一本一本のノサ・カギ角度を選別して番号付けし、軒反りに合わせて配置を…

[持続可能な素材と仕事]

社寺の改修現場から降ろされた経ノ巻…再焼成し、無事に綺麗ないぶし銀に蘇った! 幾星霜を経て風雪に耐えた瓦が、炎のチカラで命を吹き込まれ、また100年活躍する。 再焼成による再生…改めて絶対普遍の土(瓦)とは魅力的な素材であり、また瓦づくりは面白く浪…

sustainable?

kawara installation!! 100年は走り続けることができるタイヤ(^^) ーーーーーーーー #art #アート #installation #インスタレーション #レトロカー #ビンテージカー

だから千年続くんだよ!

淡路島の家…古民家再生計画のため現調・実測! 100歳の御老体は重傷のようです^^; 昔は平瓦と丸瓦があればオールマイティに瓦づくりが出来ていた。 熨斗も平瓦、棟冠は平瓦と丸瓦を接合…言いだすと軒平も軒巴も、掛け唐草もニノ平も敷き平も…すべて平瓦と丸…

“手の届く”関係性

建築家 堀部さんから鎌倉の家の写真が届いた! 25坪程の小さな住宅とのこと…ただこうして瓦屋根で迎えてくれる家は、住まい手にとっても訪れる人にとってもささやかな贅沢と安らぎを味わえる。 “銀古美”特有の新しくも懐かしい表情が新緑の植栽とともに小さ…

無駄・無理のないものづくり…

長野 ワイナリー建築プロジェクトの棟瓦は、神社建築の神明造りにインスピレーションを得た甍覆(いらかおおい)。 端部の甍覆巴にはオリジナルデザインの太陽神の紋をあしらい手作りで準備中! 今回から、五角形の垂れ〜端部までの出寸法を設計者の要望に従い…

改めて、屋根再考…

昨日は建築家と打合せ…工場見学のあと、土の採掘場や“淡路島の家”へとアテンドし、次の計画の仕様検討。 住宅建築2020.2「屋根再考」で共演した茅葺き師ともお会いでき、改めての“屋根再考談義”が楽しかった(^^) 「この土はなぜ青いのか?」 粒子が細かく粘…

童心にかえれる場所…

竹かんむりに土、瓦、木と書いて“築”…それを建てると書いて“建築”。 [ 淡路島 宝生時 ] まさしくそれを絵に書いた通りの現場に昨日瓦割りに…軒〜向拝箕甲と各部問題なく納まりそうだ! それにしても宮大工の仕事はダイナミックで見ていてワクワクし…なんな…

気の合うAI…(笑)

思考停止になりそうで全く興味はなかったが、日曜日にちょっと遊んでみた(^^) [ ChatGPTへの質問 ] 日本の建築風景が醜悪になったのはどのような理由ですか? また日本の建築風景が昔のような美しさを取り戻すにはどのような方法がありますか? [ ChatGPT…

Takakiya Garden ささら

大分県の蔵元 浜嶋酒造様の発酵文化体験施設が竣工! “銀古美”の屋根が新しくも懐かしい風景を描く。 設計チームのコメントが銀古美という瓦のコンセプトに適っていて嬉しい! 「新しさの感じられる空間である一方で、周囲の家々と屋根の勾配を合わせたり、…

“いぶし銀“メダル!!

オリジナルデザインの瓦コースターが「BNIナショナルカンファレンス2023 in KUMAMOTO」において、活躍されるビジネスリーダー達の手に! 絵ヅラはもはや、“いぶし銀“メダルだ!! →ここ、“金”メダルでないところがミソ(笑) 広い視野と経験、深い見識のあるリ…

学術×技術×芸術=木瓦

兵庫県工業技術センターの立会いのもと「木瓦」の耐風圧性能試験を実施。 基準風速46m、屋根平均高さ10m、4寸勾配の設定で、平部と棟端部のどちらの条件においても150回の繰り返し引き上げ試験に合格! 全てめくり上がり架台が崩壊しそうなほど、もしくは薄…

「瓦」で世界を楽しく⤴︎⤴︎⤴︎

昨日はお世話になっている工務店会コンペ! 年に4回ほどしか芝刈りしない瓦師が、雨のなか“伝家の宝刀”大業物3工からtype“いぶし銀”を抜き、いざ真剣勝負^^ 今回、優勝副賞にブラックの瓦パターを提供するという太っ腹でしたが、もちろん自ら獲ったらジャン…

アナログ世界の住人達…

淡路島 宝生寺…方形の本堂屋根仕舞いもあと残り一面。 まもなく銀古美の瓦葺きだ! 問題は客殿との取合いの左右八谷…ここだけは瓦割り後に縦桟を打ってから、一列一列勾配と角度をアナログに原寸採りし、谷平と谷巴を手作りする。 写真は阿波 国分寺改修時の…

瓦一択!!

香川の家…銀いぶし“かわら美人”の地葺きが完了! 土を焼いて燻しただけの透き通るような肌が空色を映す。 それにしても立派な平屋だ! 一軒にして屋並みがもはや風景をつくる。 中では2人の大工女子が修行中…手刻み〜内部造作に至るまで、大工仕事の醍醐味を…

tears drop!

焼きあがったこちら…一体なんでしょう? 皿?スライム?ぴちょんくん?(笑) 温浴棟の「木瓦」13,000枚、レストラン棟他の「soil」約40,000枚が新しい風景をつくる「アクアイグニス淡路島」に届けにきました! これがなんだか気になる方は、ぜひこちらで温泉…

[日曜随想]

京都にて…どうしてもセピアの情景として撮ってしまう。 肩を寄せ合うように居並ぶ瓦屋根の背景にあるビル群が邪魔だなぁ! セピアが本当のセピアのままとして終わってしまわないように…。 この風景に再び美しい彩りを取り戻すのは、木であり、土であり、紙で…

死者の声が聴こえる場所とは?

昨日、建築家 堀部さんからご紹介いただいた新潮社ウェブマガジン”考える人”の連載「建築の対岸から」 政治学者の中島岳志さんとの対談で「瓦」に言及されている部分が非常に勇気づけられる! 「職人の身体や人間性が阻害されることのないつくりになっている…

ヘッドハンティングしたいような(^^)

今日はホテルアナガさんから新入社員のお二人をお預かりし、社会人としての研修を兼ねて1時間の瓦講義〜瓦コースターづくり体験と…みっちり“瓦づけ”にさせていただきました(^^) モノづくりに向き合う姿勢で仕事に対するそれが見てとれますが…二人とも合格で…

“瓦”というマテリアルをもっと…

新建築2023.4掲載 四国村「おやねさん」 外構アプローチに銀古美“甃(しきがわら)”の尺角が四半貼りされ、土を焼いただけの柔和で素朴な表情で、訪れる人々の歩みを受け止める。 石畳、瓦畳…長い歴史を生き抜き、美しい日本語で表現出来る“仕上げ”が今大切だ…

耐風圧性能試験「木瓦」

公共建築はじめ、これから様々なプロジェクトも控えているため「木瓦」の耐風圧力(引上げ)試験の準備。 約1㎡を施工し、中央部9点に器具を接合し引き上げる。 耐風圧性能試験とは、台風等の強風による屋根瓦を引き剥がす力(風圧力)に対する性能を評価する試…

経年変化と経年美化

今朝は京都で現調…そのついでに大原 勝林院へと走り、雪解けのあと銀古美の甃(しきがわら)が魅せる景色を確認してきた。 “古美”の名の通り、もはや懐かしい表情で参拝者の歩を受け止める姿に安心した。 手刻みによる堅牢な木組みのはずが、まるで浮遊するよ…

異次元の少子化対策!?(笑)

monokawara −はじめの一歩− またまたほっこりと誕生記念の足型づくり…土の塊から徐々にかたちづくっていきます! 小さな足ですが皺がいっぱい…ムギュってする仕草が思い浮かんで微笑ましいですね〜(^^) 将来大きくなり生意気な口をきくようになる頃、自分の…

積層− lamination −

瓦屋根の連なりは、歴史の積層でもある。 そしてこの地で紡がれる物語の積層でもある。 海に泥土砂石が舞い積もり、万年億年をかけて等しい粒子で順に層を成していく。 地球の営みは全て普遍の真理にもとづく必然の”仕事“であり、決して異質を認めない。 地…

I'm tileman!

昨日の仕事場はこちら…淡路島で建築中のゲストハウスで円坐(まるざ)のワンオペart work! 左右対称デザインが面白い2つの空間で、入口土間とキッチンカウンター壁面を“タイルマン”となって「瓦」で遊んできた(^^) ルームテーマの‘Blue’と‘Green’は、釉薬で…