未来考房/瓦人 ~gajin~

和瓦とその未来を創る淡路島の瓦師ブログ

淡路島「宝生寺」本堂・客殿新築プロジェクト

細部の瓦割りに来ました!

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年末に焼きあがった三尺露盤が坐る方形の本堂は本葺き、客殿は和形で葺くが、客殿の起り(むくり)の曲線が流麗で美しい!

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唐破風は、解体した古寺のものを丁寧な継ぎ木で再利用し、さり気なく“本当の意味“での持続可能な素材と技術であることを表現する。

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石場建て、竹小舞に土壁…と100年の計を見据えた建築現場では、宮大工達すべての所作が美しく、神事のようだ(^^)

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#淡路工舎 #宝生寺 #伝統構法 #伝統建築

#社寺建築   #宮大工 #淡路島の家   #銀古美

#手刻み #石場建て   #露盤 #古代鬼面

「広島の家」新建築住宅特集 掲載

堀部さんから竣工写真をいただきました!

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雨景なので銀古美特有の“寂び”の景色は薄れているが、雨に濡れた瓦屋根はなによりも色気がある。

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四方から目隠しになる中庭は街中にあって一つの豊かな風景をつくり、朝夕晴雨・四季折々で描く彩りに瓦屋根が映える…やはり瓦は抜群に“絵になる”と思う!

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道ゆく人々にとってふと琴線に触れ、どこか美しさに惹かれ、市街地であろうが日本の風景にあって妙に“腑に落ちる”建築は、やはり瓦屋根なんだと気付かせてくれるような存在であってほしいと思います(^^)

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設計:堀部安嗣建築設計事務所

https://horibe-aa.jp/

瓦葺き:藤井製瓦工業

https://www.fujiiseikawara.co.jp/

写真:鈴木研一

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#銀古美

#堀部安嗣

#新建築

#住宅特集

失われた30年…

瓦業界の運命を決定づけるような出来事から28年…それまでは瓦屋根に対してそれほどマイナスイメージもなかったように思うが、あの出来事を境に数値だけで見ると、例えば淡路瓦全体では総生産枚数も総出荷金額も共に10分の1以下にまで減少し、このコロナ禍の3年を経てさらにそれより深刻に落ち込んでいる。

 

瓦屋根に無知な大学教授(建築士)が、その当時テレビで倒壊の主原因を瓦屋根に押し付けた報道があり、それがまさしくきっかけとなり誤った風評被害が30年近く払拭できぬまま続いている。

 

地震による古い建物の倒壊は“瓦”の責任ではなく、耐震に関する要求仕様の古い建築基準法のもと昭和56年以前に建てられたものが多く倒壊している。

さらに80歳、100歳となると関係法律などまだ未整備な時代の、つまりただの古いものイジメ、年寄りイジメに過ぎない。

 

逆に瓦はその80年、100年と保っていること自体を褒めてあげてほしい。

責任は…逞しく暮らしを守り続けたこの素材達ではなく、未成熟な施工と脆弱な構造にある。

ヨーロッパでは倒壊や破損、劣化の原因によっては建築士や行政側が死刑も含めた重罪となるそうだ。

日本のように素材や職人だけに責任を押し付けたりしない!

 

あの阪神高速の衝撃的な倒壊映像を記憶されている方が多いと思うが、その間隙を縫って築数年のまだ新しい瓦屋根住宅がびくともしていないという対比の面白い写真を紹介する。

阪神高速や高層ビルのような発展の象徴のような建造物がへし折れても、単なる一軒の木造住宅は倒れない。

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とにかくこの大事件以降、瓦屋根は減り続け、瓦の窯元も次々倒産し、瓦葺き職人も全国で激減し、災害のたびに大工や左官も含め職人不足により伝統建築を直せなくなってしまっている。

「人の手」がいなくなると、そのうち現代建築どころか近未来建築も建てられなくなるだろう。

机上の計算だけでは「モノ」は作れないし、長寿命の大切なものを“直せない”。

 

確かに永く持続してきた技術や素材、そしてそれが育む文化的価値への理解をおざなりにし、成長主義にもとづくスクラップ&ビルド信奉はいつまで続くのか?

学術と技術だけの頭でっかちでは美しいものは生まれないし、これに芸術を加えた“三術”がバランスよく揃った取組みが大切だと思う。

 

震災とともに、皮肉にも経済までもを含め多くを失ってきた28年…そろそろ成長から成熟への方向転換が必要だと思うのは、その成長のおかげで何不自由なく育った団塊ジュニアど真ん中である我々の世代だからこそかもしれない。

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#阪神淡路大震災

#失われた30年

#再生可能エネルギー #持続可能性 #サステナブル #低炭素 #脱炭素 #カーボンニュートラル #sdgs

「これからの住まいを考える」

JIA四国支部徳島地域会からのご案内。
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建築家 堀部安嗣さんをお迎えして、
「これからの住まいを考える」というテーマでのご講演が予定されています。

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瓦も含め伝統的素材にとても理解のある堀部さんのお話にはいつも勇気づけられます。
ぜひ多くの方々にその思想や言葉に触れていただき、これからの“あるべき住まい“を再考するきっかけになれば幸いです!

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日時:2023.2.18(土) 13:30~受付 14:00~
場所:〒770-8055
   徳島市山城町東浜傍示1番地1
   ときわホール(アスティとくしま内)
TEL:088-624-5111
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#屋根再考 #住宅再考 #建築再考
#堀部安嗣
#再生可能エネルギー #持続可能性
#サステナブル #低炭素 #脱炭素
#カーボンニュートラル #sdgs

大切なものを包む瓦…

今日の古彩色瓦“銀古美”の窯出しから…

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熨斗(のし)瓦を一枚一枚目で見て、感も活かしながら、反りや起り(むくり)の行儀を選別。

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ここで問題…[熨斗]の意味って知ってますか?

 

熨斗(熨斗鮑)とは、もともとはあわび貝を薄くのして干したもので生ものの象徴であり、神仏への供え物という思想に原点があり、そのため大切なものを包む紙を熨斗という。

=建築(大切なもの)の棟を包む瓦を“熨斗”と呼ぶのは言わずもがな。

決して、空手家が割るためにあるんじゃないよ(笑)

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それにしても今回の焼き色も、藍墨~薄墨~銀鼠~灰青…と“銀古美”の焼成術が生み出す絶妙な色彩グラデーションが美しい(^^)

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#熨斗 #熨斗紙 #熨斗瓦

#供物 #空手 #瓦割り

目の保養…

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竹、土、瓦、木、漆喰

建築の“築”の字を構成する素材たちは美しい。

それら素材で構成される風景はさらに美しい。

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[持続可能]とは、これら100年と風雪に耐え、確かに持続してきたもののことをいう。

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目の保養になるような瓦屋根建築を残していきたい。

目の保養になるような風景を創っていきたい。

日本には、こんなにも美しい素材たちが揃っているのに、なぜ当たり前のように使われないのか不思議だ。

もったいないなぁ。

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-all photos by CANON EF50mm F1.2L USM-

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#倉敷美観地区   #目の保養

#再生可能エネルギー #持続可能性 #サステナブル #低炭素 #脱炭素 #カーボンニュートラル #sdgs

〜やね 時々 うつわ〜

土曜日の窯出しから…

銀古美の瓦たちに混じって、円柱形の高台皿が無事に焼きあがった!

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高さ80×径130㎜、天端は5㎜程度凹仕上げ。

2月オープンの東京の料理店へ届ける。

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寂びの美しい日本色に料理の彩りが映える。

それは一つの風景であり、海山の緑、土、木、草、花…と瓦屋根のある里山の美しい日本景を想起させる世界観が描かれればいいな〜(^^)

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#料理人 #瓦皿 #瓦食器    #テーブルウエア