阿波国分寺…工場や窯の中であれだけ存在感の大きかった手作りの谷平と谷巴も、収まるべきところに収まると主張を控え、分を知り、静かにその気配を消すように全体の一部と化し、ようやく与えられた“仕事”を始める。
部品があって全体が作られ、全体があって部品は意義を持つ。
瓦の種類は寸法規格の違いも合わせれば1,000種類以上あるとも言われる。
そこにはいろんな“瓦”づくりの現場があり、その多種多様な瓦が複雑な日本建築の屋根と、津々浦々の建築意匠、そして風景をつくってきた。
日本人の繊細な感性と美学、そしてものづくりに対する真摯なスピリットは世界に誇れるもの…それが生み出す“瓦屋根”はまさしくその一つの象徴だと思う。
隅棟の“輪違い”の配置バランスなどはその真骨頂…300年前の元意匠の継承は大らかで躍動感があります(^^)
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