未来考房/瓦人 ~gajin~

和瓦とその未来を創る淡路島の瓦師ブログ

山わらう…

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目の前にひろがる昨日の夕景!

緊急事態宣言下の“兵庫県”淡路島から…とてもとても静かで穏やかな、いつもと変わらない美しい風景が描かれています。

この景を見晴らしながら、“土地の土を焼く”だけの瓦づくりという仕事も十二分にこなせている。

人混みもなく電車もないこの淡路島にあって、感染拡大が続く神戸など都市部もひっくるめて兵庫県全土一律の緊急事態措置は正直違和感でしかない。


人生においてもっとも大切な時期に、脳幹を鍛える学びの機会を制限される子供達にとってこれほど不幸で可哀想なことはないが、縦割りの統治体制ではこれが限界。

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10年前、国際会議場で安藤忠雄氏に続き意見発表の講演をさせていただいた“あわじ環境未来島構想”シンポジウムを振り返ると、そういえば僕は20年近く前に家業に戻ってから、直感的・本能的に抱いたビジョンとして「淡路島だけ鎖国したらエエんちゃう!」って本気で言ってました(笑)

食料自給率が生産額ベースで300%を超える淡路島… 古代、御食国(みけつくに)と呼ばれ皇室・朝廷への食材の貢進国であったことからも分かるように、一年を通して豊かな農漁の幸に恵まれる。

実際、生まれた頃から島を出るまで“活きた魚”しか食べたことがない!

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瓦づくりはじめ、左官の世界でも淡路土はブランドであり、職人たちだけで家も建つ。

そのほか昔から息づく伝統の生業や文化に溢れ、米と野菜をつくり、魚をとり、“足るを知る”生活を実現することで、島ですべてが完結する。

鎖国”とは極端な例えだが、農の持続、食の持続、仕事の持続、暮らしの持続、エネルギーの持続…身の丈に応じたすべてのサスティナビリティの実現をもって、新“国生みの島”として様々な社会問題を抱える日本の目指すべき一つの未来像として範を示すことが出来るポテンシャルを秘めている島だということ。

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自治とはまず自知…そして自立し自律すること。

「ふるさとは 近くにありて 想うもの」

もっとその土地独自・独特の自治があってもいいと思う。そうでないと自然大災害やこのたびのようなウイルス問題に対しても、会議室ではなく本能型のリーダーが現場で大胆かつスピーディーで積極的な指揮をとらないと取り返しのつかないことになる。


自己責任の覚悟を前提にした自治の再分・細分化と権限委譲…これがいわゆる鎖国の意味(笑)


成長よりも成熟…モノの充実よりも、ココロの充足こそこれから必要な本当の豊かさ。

人の繋がりも含めた津々浦々の美しい“村”の再生こそが、いま為すべきすべての地球人の仕事だと思う。

戦後から続くこの“村”の崩壊こそに、実は緊急事態宣言を出したい!

っと、感じていたからこその“鎖国”のススメ(笑)

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コロナ災害の終息した後に続く、おそらく価値観がひっくり返るほど大転換を迫られる色々なモノとコトの在り方…近未来、必然として導かれるであろうそれら答えになんとなく気づいているかもしれませんが、地球にとってもしかしたら最悪のウイルスかもしれない人類が、今まさに試されているように感じてなりません!


空海桜色に染まり、山わらう…ただただ、この春も変わらず島の風景は美しいんだということを写真で伝えたかったんです(^^)