淡路島のそこらへんにある木、竹、土、石、瓦…で、きちんと建てる「淡路島の家プロジェクト」
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地葺きがほぼ終わりました。仕様は潔くも素っ気ないほどシンプル…軒は桟瓦を三寸出し、ケラバは左に本葺き九寸平を、右は桟瓦のままそれぞれ三寸出し。
シルエットとして和瓦で描ける究極のシンプルを目指しました。
今回、設計者からできるだけ瓦に自然なグラデーションが出るよう要望されたので、焼成方法をコントロールしました。
瓦一枚一枚には、もともと鉄分含有量等の成分個体差があるので、あとは土と炎のチカラが多彩な表情を創り出します。
里山景に映える銀古美の屋根…山々と草木の濃淡にシンクロするように、とてもナチュラルで豊かな風合いで魅せます。
四季折々、晴雨朝夕で移り変わる光の景を映しつつ、様々な表情を見せながら古美ていくのも楽しみの一つですね。
ヒトの暮らしに寄り添い、時代をまたぎ長く時を共にし、同じように年老いる。
この背景にある物語も含めたモノとコトの圧倒的な厚みから滲み出るエイジングの妙…焼き物である瓦は、本来この魅力を忘れてはいけないような気がします。
屋根が描く物語…火入れ式から始まり、“その先”に想いを馳せることこそが、瓦づくりの醍醐味である。