今日の設計相談案件からの考察…
よく考えると、住宅建築に際し「和風にする?洋風にする?」って議論が起きること自体、文化的に成熟した先進国では日本だけのような気がします。
ヨーロッパに代表されるように、その土地でとれる素材を用い、その土地で培われた技術を活かし、物語があり、土着的で魅力ある建築の佇まいは、理屈抜きにただただ“雰囲気”がよく、そこでは「〇風にする?」という選択肢はなく、あるべきデザインとしてあり、その雰囲気の良い佇まいの連続が町並みと風景をつくっています。
日本でも、木や漆喰、土、瓦…のように、素材をどうする?の議論がまずあるべきであり、そんな組合せの建築は、自然と“雰囲気”も良いはずであり、またデザインは素材自体が創ってくれます。
そう考えると、ここ日本は固有の歴史・伝統・民族性・精神性…etc.をベースにした本来具わるべき、また醸成されるべき美意識のようなものが、根本的に欠落してしまっているように思います。
ただ身近にあるオーガニックな素材をさり気なく用い、素っ気ないほど素朴で、ナチュラルで、飾らず、飽きも来ず、地域に馴染み、風景にとけ込み、やがてはすべて自然に還る…そんな建築が好きです。
今日打合せした物件…そんな家になればイイな~(#^^#)
以下は極端な“土着”の例です…が、世界遺産になる価値を有する景です。