未来考房/瓦人 ~gajin~

和瓦とその未来を創る淡路島の瓦師ブログ

[ 能登半島復興応援イベント ]

ECO•CRAFT GALLERY 〜よみがえる工芸品たち〜 能登半島や淡路島を中心とした伝統工芸品や、環境を守るために開発されたエコ商品などが展示されます。是非手に取ってみてください! 期間中、子供から大人まで楽しんでいただけるワークショップを準備しており…

100歳の手術完了!

鳴門の100歳古民家再生計画…大屋根の垂木、野地の修復も仕上がり準備万端。 あちこち怪我をしていた古鬼瓦たちも、落ちた家紋を復元し“銀古美”の焼成術で焼くことで、ビンテージな質感を損なわず無事に修復。 折れた脚も手術を施し、みんな再登板の準備完了…

「木瓦」の本領…

今日は朝から「倉敷の家」へ… 大屋根では、細長く薄い手割り板のような「木瓦」が一枚一枚葺き重なり、細やかな表情で風景を描いていく。 それにしても緑青(ろくしょう)にエイジングした既存の銅板屋根と相性が良い。 なんなら厚みもシルエットも遜色ない仕…

未来永劫、平穏なれ…「青海波」

100年前の瓦師が作った棟飾り役物…青海波。 構造的に上手く出来てるな〜! 横に並べていくだけで青海波が描かれていく。 しかも現代のようにプレス量産を前提としない手作りものなので、遠慮のない思い切った立体感が陰影に深みを生む。 先人の仕事は勉強に…

“桃”じゃなくて“宝珠”だよ(^^)

火入れ式後の阿波の家…下屋根に続いて上屋根の瓦撤去も終わり、大工さん達が野地直し中。 垂木間隔が狭いと思えば7寸5分ピッチ…屋根裏掃除に進入するには垂木をカットしないと入れないという^^; ただ、そのおかげか土葺き本瓦の超重量を支え続けた100年建築…

適材適所のデザインを…

淡路島の小さな御堂…倒れかかってました^^; 地元の人々が大切にしてきた御堂…なくすのは簡単だが、今回建て直してほしいとのご要望。 屋根のスケールはとてもとても小さい… 通常は一坪3.3㎡に57枚、53枚必要なJIS規格判が一般的だが、門や塀、祠や社など小さ…

目指すは柿(こけら)葺きのシルエット…

倉敷の家…まずは客間の銅板腰葺き屋根への銀古美「和瓦」の地葺きが終わった。 寂びの美しい銀古美の表情は新しくも懐かしく、緑青(ろくしょう)にエイジングした銅板と相性が良い。 並行してLDK部分の大きな屋根への銀古美「木瓦」葺きも開始…まずは裏表反対…

見納めの100年景…阿波の家

先月、火入れ式をした徳島の100歳建築も下屋の屋根仕舞いを終え、来週に上屋根を解体する。 今日は先に降ろした下屋根の鬼瓦4体を預かりにきた。 こちらは再焼成し屋根へと再登板させるが、折れたツノなどはあえて修復せず、100年の風雪に耐え忍んだ名誉の負…

脱工業製品へ…

それはピタゴラスイッチのようにコミカルに… またはスキーのリフトのようなワクワク感も… 今日の瓦づくりは、朝から流れてくる桟瓦の白地(乾燥素地)を焼成コンテナにひたすら積み込んでます。 1日のロット分を積み終わるまで、この場から動けないストイック…

【 甃 −shikigawara− 】

現在、瓦葺き工事中の倉敷の家。 玄関土間と、犬走りや門まわりの甃も計画。 尺角だけの仕上げとパターン貼りの検討で、設計チームがギリギリまで調整され、ようやくゴーサイン! パターンの場合はアナログな瓦師にとっては枚数計算が大変(汗) なんとか積算…

浮世絵の世界を今に!!

江戸時代初期に建てられた水上楼閣…このたび令和の改修に際し、永い年月をかけて大気と日光の営みによって造りだされた「さび」の力を宿すような“銀古美”本瓦づくりをいよいよ始めるが、肝心の鬼瓦の復元資料(写真)がとても荒い画像だ! あらゆる情報をもと…

ドミノの達人…

今日の仕事風景から…超タイトな納期で決まった瓦タイル“soil”を、ひたすらドミノ積み! “感覚”と“間隔”が大事なので素手で窯積み…今日は一度もドミノ倒しせずに積みきった(^^) 粘土を切り出した断面は、不思議と綺麗な木目模様…それは思わず“木”かと見紛うほ…

火入れ式「家内安全」

本日、「浜松の家」の火入れ式! 建築士の自邸計画で、ご本人家族、大工さん、葺き師達が、“遠州”だけに“遠路”はるばる早朝から淡路島まで来られた! 家づくりに込める想いは「家内安全」 “つくるヒトたち”皆でその想いをシェアし、手を合わせ火入れした瓦が…

確かなエビデンス…

「淡路島の家」…年明けに解体し、これから再構築する離れの鬼瓦復元もカタチになり乾燥中。 金型による量産のために“トゲを抜かれて”丸くなってしまった現代の工業製品チックなものとは違い、先人のデザインや美意識は本当に素晴らしいと思う。 先に改修した…

[ monokawara −wall clock− ]

今回のオーダーで2パターン焼きあがった。 “いぶし銀”と“銀古美”…どっちが好み? 時計であって時を忘れる…そんなゆるやかな時間を演出してくれる素敵なmonokawara。 今回の依頼もそうですが、贈り物にイイですね! 今日は工場で終日焼きあがった瓦の選別をし…

銀古美の総合力…

倉敷の家…50年以上経った土葺きの和瓦から、銀古美の「和瓦」×「木瓦」へと屋根改修を着工している数寄屋風の美しい住宅。 野地修復後、縦桟、1寸角の横桟と不陸を直しつつ下地づくり…このひと手間で瓦の葺きあがりに大きな差が出る! 今日は東京からTNA鍋島…

まだまだある“瓦仕掛け”…

自然の木々草花が二つとして同じ色がなく彩り豊かなように、“銀古美”も本来の焼きものらしく優しい濃淡グラデーションを描きはじめた。 淡路島の農園付き住宅プロジェクトも完成に向けて佳境…土壁に銀古美葺きの素朴で愛らしい佇まいがとても魅力的で、お世…

ひたすら修景ミッション…

淡路島の家…まずは軒折れで崩壊しかかっていた渡り廊下の屋根が葺きあがった! 既存古瓦とビンテージな“銀古美”は、新旧の極端なギャップを感じさせず、うまく手を繋いでくれそうだ(^^) 2期工事の茶室屋根との取合い部は保留にしておいて、とりあえず一件落…

もっと「瓦」を学ぼう…

昨年も感じたが、この時期FBのタイムラインでよく見る卒業設計の模型たち…ビルト・アンビルトかは置いといて、寂しいかな瓦屋根らしきものはまず見当たらない^^; 思えば毎年ゲスト講師でお邪魔している前橋工科大学から、1週間工場へ瓦研修(修行)に来た女子…

かわらのおはなし…

今日は午後から「かわら先生」…BNIのメンバー皆様にお越しいただきました! まずは「かわらのおはなし」冒頭のレクチャーで作り手としての“想いの丈”を伝え、その1400年持続してきた瓦というモノとコトの“重み”をしっかりと共有していただいてから土と向き合…

100歳達の淡路島ツアー!!

鳴門 古民家再生の屋根改修を着工! 100歳の素丸は鬼瓦と共に全て大事に手降ろしし、もう一度活躍の場を与えるべく仮置き。 「本日、淡路島ツアーへ御乗車の乗客は皆さん100歳ばかり…安全運転でご案内いたしますので、シートベルトを閉めてご着席ください!…

“粋”って大事です!

今日の「銀古美」の窯出しから… なんせ寒いので、窯場の熱はありがたい(^^) ある有形文化財の改修計画用に焼いた、のし瓦に紐(ひも)が付いた「紐のし瓦」! 古い屋根でよく見る、のし瓦の継ぎ目を白漆喰で巻く「紐漆喰」の意匠を先人の瓦師が役物として完成…

ディテールへの拘り…

またまたこちら…手作りの廻り隅トンビ! 改修が始まった鳴門の古民家再生に使う予定。 設計者からの要望は…「お任せします」とのこと(笑) 100歳の建築を素朴でどこか懐かしく、しかし現代的にシンプルかつセンシティブな味付けもし、物語に溢れ、“未来の一つ…

“本物”を感じるセンサー!

和歌山の社寺屋根から降ろした御所型鬼瓦。 全高900×全幅1,200(㎜)と、“一つもの”としては特大級…この方達の体重は一人では絶対に持てないレベル! 岐阜県美濃産、彫られた年号は昭和52年。 満46歳は鬼瓦としてはまだまだ赤子か(^^) このたび屋根の改修に際…

[ 温故知新 ]

土を練って焼く…設備こそ近代化したが、やってることは同じ。 これが1,000年以上続く素材と技術だ。 現代の多くの家づくりは、素材は、1,000年続くか? この“確かに持続してきた”ものの声に耳を傾け、教えを乞うことが今必要だと思う。 そんなことを思いなが…

かわらない、ということ…

「いぶし瓦と銀古美の違いについて、どこがどう違うのでしょうか?」 春に向けての計画で設計事務所からの相談が年明けから毎週続く。 僕の発信力と熱量が足りないのか、“いぶし瓦”と“銀古美”の違いについてまだまだ伝わっていない(笑) [いぶし瓦] 焼成後…

家と家型と…

家型の瓦アイテム達…これ一体なんでしょう? 銀古美でビンテージに焼いたものと、青磁釉で綺麗なターコイズグリーンに焼きあがったもの…すべて手作りのオリジナルアイテム! 淡路島の農園付き住宅プロジェクトで、方形屋根×土壁の愛らしい建築群が“新しき良…

身長が縮んで腕が伸びる仕事…(笑)

長〜い滑り台(笑)を設置した“淡路島の家”改修現場! 先行で解体した渡り廊下の野地が出来あがり小雨のなか瓦搬入…これが自宅になんとプールがあった名残りで、“銀古美”達の運び込みがスーパーハード(汗) ブロック塀を越えて滑り台の脇をくぐり、両手で一束づ…

100歳の骨格!!

明治18年築、そしてこの地に移築され100年以上風雪に耐えた「淡路島の家」大改修プロジェクト。 続いて“離れ”の改修は一旦全解体…年明け8日から着工し、あらわになった100歳の骨格はまだまだ生命力に溢れ、木材は再構築される。 屋根は“銀古美”の本瓦葺きで…

火入れ式「家内安全・笑顔」

阿波の家、屋根改修のための火入れ式でした。 建築に込める想いは「家内安全・笑顔」。 記念瓦にも同様に日付とともに”想い“を彫られた。 僕ら窯元は、一軒一軒のこうした建主の様々な想いを預かり、瓦を作らせていただき、屋根となって建築を守り、末永く暮…