未来考房/瓦人 ~gajin~

和瓦とその未来を創る淡路島の瓦師ブログ

− 屋根再考 −

ちょうど一年前、古彩色「銀古美(ぎんふるび)」を17ページにわたり特集いただいた「住宅建築2020年2月号 〜屋根再考〜」。

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それを見て京都から建築科の学生達が来られた。

「瓦屋根の建築を卒業設計にしようと思っても、身近にも、どこにも教わる人がいない。だから雑誌を見て窯元へと直接見学に来ました!」

「私たちは瓦屋根の方が多くの優位性があると考える。またなにより美しい!」

とても嬉しく、未来に希望の持てる出会いでした(^^)

(※“日本”の大学の建築学科で、伝統的かつ建材として総合的ポテンシャルの高い“日本”瓦にほとんど触れないのも違和感がある)

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−特集− 屋根再考 (本文より)

屋根から建築を考えることが、いまどれくらいあるだろうか。屋根は薄く軽く、という認識は新建材の発達とともに近代以降の潮流となった。一方で茅葺きや瓦葺きが使われることは少なくなり、手間やお金がかかる、壊れやすい、そうしたイメージがつきまとうようになった。しかし本当だろうか? 白川郷の合掌造りや奈良の寺の佇まい、島根の赤い石州瓦の家並みを見て美しいと感じる人は少なくないはずだ。「屋根」は魅力的な風景を生み出すだけではなく、住まいを守り、人々の暮らしを守り、豊かな文化をつくってきた。この特集では、茅葺きと瓦葺きがつくる風景の魅力、性能の魅力を改めて紹介するとともに、その屋根の下にある豊かな暮らしを見つめ、「屋根」の役割を再考する。

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− 瓦葺き−

朝鮮半島から伝来したとされる瓦。1400年という長い歴史をもつ。風雨から住まいを守り、力強く、そして地域らしい風景を生み出してきた。近代以降瓦の製造は機械化が進んだが、土を捏ねて焼く、というシンプルな製法は変わらない。情熱をもって瓦づくりに取り組む瓦メーカー、瓦の魅力を見出した建築家の取り組みを紹介する。

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#住宅建築 #銀古美

break time…

【日本料理 夏見】

随分久しぶりにお邪魔しました!

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日本料理のすべての元…出汁。

質の良い鰹の本節と真昆布を使い、心をこめて毎朝出汁をとられる。

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お味、彩り、しつらえ、所作…どれもすべて勉強になることばかり。

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瓦も「一に土、二に窯、三に作り」と教えられるように、素材である“土づくり”がもっとも大事。

この料理のように、腹だけではなく心を満たすような瓦と屋根を創りたい(^^)


【日本料理 夏見】

徳島市川内町平石若宮189-8

088-665-7815

営業時間:18時〜22時(LO20時)

不定

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#日本料理 #夏見 #出汁

ニッポンの宝物…

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神社新築工事…九寸判で葺いた拝殿主屋根に続き、向拝唐破風は八寸判による地葺きが佳境。

“硬い瓦”で“柔らかい曲線”を描いていく!

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この流麗な線をより躍動させるべく刀根地の高さを調整し、これから数種類の寸法の袖丸を使い分ける。

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角度の低い朝陽のおかげで、棟梁の彫り物がより立体感を増す。

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奇しくも、木や草、土といった自然の素材を活用し、日本の伝統的な建築文化を支えてきた“伝統建築工匠の技”がユネスコ無形文化遺産に登録されたばかり…まさしく瓦屋根も含めて建築における伝統的手仕事は日本の宝物だと思う(^^)

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#大栄窯業 #いぶし瓦 #本瓦葺き #伝統建築 #神社建築 #社寺建築 #伝統構法 #日本建築 #ユネスコ無形文化遺産

I'm tile man!!

竣工まで佳境を迎えた建築プロジェクトのリビングルームの壁に「円坐−maruza−」でアートワーク!

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終日現場で、コンセプトを込めた「壁瓦−hekiga−」をタイルマンとなり描いてきました。

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建築家 川添純一郎氏による、空間内外において瓦の多様な表現による圧倒的で洗練されたデザイン建築…完成が楽しみです!

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#タイル #デザインタイル #アートワーク #瓦タイル #敷き瓦 #タイルマン #tileman

re-firing*reborn…再焼成による再生

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神社新築工事において、棟の水板瓦だけは再焼成することに…バラバラに降ろしてあったパーツを、氏子総代や棟梁の見守る中で組み直し!

総代:「上手いことパズルが出来上がるもんやな〜!」

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*水板には、お陰ですべてに“昔漢字”で番号が刻んであったのでよかったです(^^)

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龍虎と波に笹…虎がタスマニアタイガーみたいでどこか可愛らしく…(笑)

先人瓦師のそんな大らかな手仕事から当時の古き良き時代背景に想いを馳せる。

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ということで冷たい水で絶賛洗浄中(笑)

炎の力で再び命を吹き込み、また100年屋根の上で仕事をしてもらいましょう!!

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#神社建築 #社寺建築 #伝統構法 #水板 #耐震改修

神は細部に宿る…

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香川のモデルハウス…設計の伊礼さんとの打合せに出席させていただき、「神は細部に宿る」の通り、㎜単位の緻密で繊細なディテールへの拘りが、とても勉強になりました!

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今回プロジェクトで採用いただいた古彩色の“銀古美”と一般的な“いぶし銀“の違いを生意気にも説明させていただき、また夜は讃岐名物”骨付き鳥“と建築談義をアテに乾杯(^^)

*卓上に鎮座するドデカいジョッキはご愛嬌!
黄色い液体はモノクロにしておきます(笑)

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とても有意義な時間をありがとうございます。

引き続き、下屋根の施工を葺き師と一緒に丁寧に仕上げたいと思います!!

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#伊礼智設計室 #壺谷建設 #香川の家 #銀古美 #大栄窯業 #数奇屋建築

誓いを胸(棟・屋根)に…

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10月に“火入れ式“をさせていただいた住宅も無事上棟し、銀古美での瓦葺きが始まる!

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施主ご夫婦自ら名を刻み、誓いの指あとを残した記念瓦も、火入れ式で込めた”家内安全“の想いをのせて屋根の上で末永く暮らしを見守る。

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軒瓦は今回”石持万十(こくもちまんじゅう)“という玉が平べったいデザイン…実は瓦史においてはこちらが原形であり、レトロな雰囲気がかえって粋だ!

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物語の詰まった瓦屋根がまた一つこの地で風景の一部を創ります(^^)

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火入れ式シーン ▶︎ http://gajin.hatenablog.com/entry/2020/10/17/133819

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#火入れ式 #銀古美 #壺谷建設